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家電リサイクル体験記(2)   池田こみち

 
 なんとなく釈然としない今日この頃ではある。

 パソコンの進歩は今や秒進針分歩、使わなくなったCRTモニターやデスクトッ プパソコンが狭い部屋や押入を占領しているお宅も多いことだろう。家電に続いてパソコン・リサイクルも体験してみた。

最初はモニターを2台を処理することとした。まずは、メーカーと型番を確認する。今回の場合、エプソン製とNEC製各1台である。そして、インターネットから各メーカーのリサイクル担当窓口の電話番号を調べて連絡する。基本的にどのメーカーも手順は同じようだ。

<手順の概要>
@家庭用か業務用かの確認。家庭用のみ受け付ける。業務用の場合には、産業廃棄物扱いとなるので、各メーカーのリサイクル担当では取り扱わない。
A製品名と製造番号の確認。(CRTのどこかに書いてある)
B住所、名前、電話番号を告げると登録される。
Cそして、受付番号が与えられる。12桁の長い番号だ。
Dリサイクル料金はCRT1個 4200円(どちらも同じ)
E2週間以内に郵便振替用紙が送付され、コンビニか郵便局から振り込む。
Fそうすると、1週間以内に「エコゆうパック伝票」というものが送付されてくる。
G廃棄するCRTを段ボール箱あるいは自治体の半透明ゴミ袋を二重にしたものに入れて、表にエコゆうパック伝票を貼る。ただし、ポリ袋の場合にはモニター のガラス面をボール紙で保護してほしいとのこと。
H最寄り郵便局に電話をして取りに来てもらう。

 となっている。物が手元にあるうちは、キャンセルも可能。だが、次のような問題点がある。

 まず、キーボードは同じメーカーのものであっても、CRTと一緒には引き取らない。あくまでもPC本体と一緒に出してほしいというのだ。ケーブルはCRT付属のものなら一緒に出しても受け取ってもらえる。それじゃー本体はといえば別途3150円の費用が必要となる。キーボードは別のメーカーのものでも一緒に引き取るとは言っているが、CRTと一緒はダメというのはどうもおかしい。

 キーボードは小さいし、面倒だから、自治体の「燃えないゴミ」に出したらどうなるのか、と聞くと、自治体にもよるが、「たぶん大丈夫です」とのこと。なんだか変。窓口の担当者はやたらに丁寧に「本日はリサイクルにご協力頂きまして誠にありがとうございました。」とまるでファミレスのウェイトレスのような対応だ。「何かご質問は」というので、せっかくだから教えてください、と質問をしてみた。

「回収したCRTやPCはどこに運ばれどのようにリサイクルされるのですか」と。答えはといえば、「NECのリサイクル工場に運ばれますが、ここではどこに運ばれるかはわかりません。」と心許ない。

 現在、家電リサイクル指定の家電製品については各メーカーが出資した家電リサイクル工場が各地にできていて、一応リサイクルが進められているが、PCについてはまだどこでどのようにリサイクルされているのかあまり情報がない。

 せっかく大金を払ってリサイクルしようという消費者に対して、もう少し丁寧に自社製品はどのようにリサイクルされるのかを説明してもよいのではないだろうか。

 それにしても、またしても4200円×2台で8400円の出費となった。リサイクルはしないよりした方がよいとは思うが、もう少し合理的な仕組みというものを作らなければ、リサイクルは進まないし、メーカーの責任も曖昧なままとなって、単なる大量リサイクル・大量消費の循環型社会を助長するだけではないだろうか。

 やはり釈然としないままである。