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変わる台北市(2) 巨大都市再開発
 青山 貞一

掲載日:2004.8.17

 台北市は行くたびに変わっている。これでもかこれでもかと狭い市内のそそかしこで再開発が行われ新たな建築物が建っている。おそらくこれが自動車の交通量を増やすひとつの大きな原因だなぁと考えたりする。

 私は武蔵工業大学の大学院で環境法を担当しているが、修士の院生のひとりに台湾から留学してきている張さんがいる。張さんは台北市で起きていること、台北市がしていることをいろいろ教えてくれる。そのうちのひとつに、最近、台北市に世界一ノッポのビルができたというのがあった。

 今回の台北旅行は、台風の来襲で天気が良くなかったが、時間を見つけて池田こみちさんと地下鉄を乗り換えながらその世界一ノッポビルを見に行った。

 場所は、台北市役所の隣である。地下鉄だと「市政府駅」、すなわち「台北市役所前」で降りる。台北市内なら地下鉄を使えばすぐに最寄りの「市政府駅」に行ける。

 台北市役所を含む再開発エリア 現在世界一のノッポビル

 降り地上に出てグルーと見渡すと、下の写真のように超ノッポの世界貿易センタービル(Taipei World Trade Center Building)が見える。中国語だと「台北世界貿易中心」と言うことになる。ついつい、ニューヨーク市のWTCや9.11を思い起こしてしまう。

 このTWTCは101階建て、508m高である。

 マンハッタンのエンパイア・ステート・ビルは確か102階建てのはず、しかし高さではTWTCよりもさらに高く、現時点で世界一と言う。

 
台北市役所側から見たTWTC 台北市役所地下鉄駅から見たTWTC
建設中に高島屋デパート側
からみたTWTC
台北世界貿易センタービルの
第三展示館(メッセ)

 TWTCはまだ完全に完成しいないが、超高層ビルの台座にあたる下部にある「台北101」 Taipei 101 と言うテナント部分を先行して市民や観光客に開放している。

 ここには、世界中のブランドショップが一堂に店を構えている。台北101部分だけで実に150店舗が入っているそうだ。その一角のレストラン街にステーキハウスの「紅花」や「代官山ダイニング」など日本の有名レストランも入っている。さらに今まで見たこともない陳列方法の本屋さんやCDショップなども入っており、今後まちがいなく台北の新名所となるだろう。

 
Taipei 101の入り口にて  Taipei 101の内部 
Taipei 101 のレストランフロアー

 このTWTCが立地した一角は、台北市街地の一番東に位置する場所であり、再開発地域には、TWTC以外に国際メッセ、国際会議センター、台北101モールが併設されているが、さらに日本の三越デパートビル、高島屋デパートビル、米国系のニューヨークニューヨークデパート、グランドハイヤットホテル、ワーナー映画村なども併設されている。いずれも現在、グランドオープン化竣工直前のものばかりである。

 冒頭で述べたように、変貌する台北では、商業、業務のビルが今なお次々と建築されている。これら商業、業務、メッセなどの施設は単位当たりの自動車交通の発生量が多いことが分かっている。

 台北市に行くたびに渋滞が激しくなっている、しかも地下鉄などが整備されながら激しくなっている大きな理由は、これらの再開発事業にあると思う

 これは今なお東京の中心地である汐留や品川、六本木で続く一大再開発事業にも通ずるものがあるのは言うまでもない。