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新幹線禁煙車を煙害から守れ
JR東海、デッキの灰皿撤去

中日新聞(2005.1.4)


 新幹線の喫煙車から隣の禁煙車にたばこの煙が流れ込む問題で、JR東海は、東海道新幹線の禁煙車と喫煙車との間のデッキでの喫煙を禁止するとともに、デッキに設置していた灰皿の撤去を始めた。

 新幹線(十六両編成)の自由席、普通指定席の喫煙車は「のぞみ」、「ひかり」、「こだま」にかかわらず三、四号車と十五、十六号車。隣となる禁煙車の二、五号車、十四号車との間にあるデッキには灰皿があり、喫煙できた。このため、自動扉が開くたびに、禁煙車に煙が流入。「禁煙席なのに、たばこのにおいがする」との苦情が出ていた。

 二〇〇三年五月施行の健康増進法で、鉄道車両の管理者は受動喫煙の防止を義務づけられていることから、帰省ラッシュの十二月二十八日から、デッキの禁煙に踏み切った。灰皿の撤去も順次行い、今週中には対象となる灰皿すべての撤去を終える。

 グリーン車の喫煙車(十号車)の両サイドデッキには灰皿は設置しておらず、はじめから禁煙だった。喫煙車と喫煙車の間のデッキはこれまで通り、喫煙でき、灰皿もある。両方とも禁煙車の場合のデッキは以前から禁煙となっている。

 喫煙車から禁煙車に流れ込むたばこの煙害については、喫煙車が満席だと、禁煙車内のたばこの浮遊粉じん濃度が国の基準の約三倍になるとのデータを東京大大学院の研究生らが発表している。