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NIE(教育に新聞を)とメディア・リテラシー
イラク人質事件、バッシングに思う
山岸大高(中学2年生)

掲載日:2004.4.24

 今回、人質になった人たちに対するバッシングのようすは、学校のいじめの図式と同じだと思いました。学校の先生が、日本政府のようにいじめの親分になり、大多数が賛同してしまうという困った状態です。自分で原因を作っておきながら自覚症状もなく「バッシングは遺憾」というのも全く同じ対応で困ります。

 今、公立小中学校は、あたりまえに暴言だらけの状態になっています。いじめも個性のバカ教育だからです。

 ものすごく知のレベルが下がっているのに、今度は、総合的な学習(国の政策を理解し賛同させる学習)、各教科学習でNIE(教育に新聞を)を取り入れる学校が、増えているということは、問題だと思っています。

 たったひとつ救いは、新聞をろくに読んでいない子どもたちです。そういう子どもは、メディアに毒されていなくて、「直感的」で、今回の人質事件の報道をテレビでチラッと見て、「被害者をまるで犯人扱いしていておかしい」と感じたようです。子どもの直感は、まちがっていないのでいいなあと思っていたのですが、学校で、直感力をつぶして、新聞を無理やり読まされて、みんなが国民の7割みたいな大人になってしまうのは、残念です。新聞の情報を判断するのではなく、よく読んで鵜呑みにして、国民の7割の大人のように新聞に書いてあったようなことを言うのが「知性」という間違った認識があるような気がしてならないです。そういうまちがった新聞教育までもを学校の総合的な学習、各教科学習にもちこんでほしくないと思っています。

 国際的な視野どころが、これから未来にわたって、ますます国際世論に逆行してしまいます。日本とカナダは、同じアメリカの友人でありながら、世論、政策が違うのはなぜでしょう。
答えは、教育のちがいにあるのではないでしょうか?

*NIE(Newspaper in Education教育に新聞を)
1930年代アメリカで始まる。日本では、1989年から組織的な取り組みが始まる。
*メディア・リテラシー1987年世界で初めてオンタリオ州の中学、高校の正規のカリキュラムにメディア・リテラシーが導入された。
 一方的にアメリカから流れるメディアからの情報に危機的な問題意識を感じた教員の発案がきっかけ。カナダの文化を守り、アイデンティティーを確保するという目的を持つ。