エントランスへはここをクリック   


荒川区工場跡地

高濃度ダイオキシン

都へ情報開示請求


池田こみち(環境総合研究所)

掲載月日:2013年11月26日
 独立系メディア E−wave
無断転載禁

 
 既にブログ、動画などでご紹介しているように、今年の9月11日、東京都環境局及び下水道局は、荒川区東尾久の都有地敷地内において、高濃度のダイオキシン汚染が明らかになったことを発表しています。

 最も高い値は、下水道局東尾久浄化センター内の表層から2m地点の土壌について1グラムあたり110万ピコグラムの濃度となっています。

 この問題について、このほど、第三者的に汚染原因を明らかにするため、東京都の関係部局に対して、平成24年度及び25年度に実施したダイオキシン類、重金属類、その他調査分析を行った結果について、情報開示請求を行いました。

添付1 情報開示請求文書


 その結果、東京都環境局環境改善部化学物質対策課の土壌汚染対策担当小泉氏から連絡があり、次のような内容が伝えられました。

1.ダイオキシン類について
 毒性等量濃度については、開示できるが、同族体・異性体のデータについては、これから東京都環境審議会にそのデータの一部を提出し、作業部会において、汚染原因者の検討を行うこととなっているため、開示することはできない。開示するとなると、その部分は黒塗りとなる。

 その理由は;

@審議会における意思決定の中立性を不当に損なう可能性がある。
A審議結果を受けて、これから都知事が事業者との交渉に入ることになるが、その交渉の妨げとなる可能性があるため。

 ということです。今回のダイオキシン汚染については、都営住宅敷地部分については財務局、都立公園部分については建設局、テニスコートなどのスポーツ施設部分については都市整備局、浄化センター敷地内は下水道局、首都大学荒川キャンパス敷地内は首都大学と関係部署が多いのですが、ダイオキシン類については、すべて環境局が一括してデータを管理しており、各局とも同じ対応となります

 ちなみに、東京都環境審議会のメンバーは以下の通りとなっています。専門部会のメンバーはこの中から選出されることになります。

市川 まりこ 東京都環境学習リーダー
大前 和幸  慶応義塾大学教授
小河原 孝生 特定非営利活動法人生態教育センター理事長
河口 真理子  (株)大和総研 環境・CSR調査部長
窪田 亜矢 東京大学大学院准教授
交告 尚史 東京大学大学院教授
駒井 武 独立行政法人 産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門副研究部門長
下村 彰男 東京大学大学院教授
末吉 竹二郎 国連環境計画 金融イニシアティブ特別顧問
高橋 洋二 日本大学総合科学研究所教授
田辺 新一 早稲田大学教授
冨田 鏡二 東京商工会議所 環境委員会代表幹事 (東京ガス株式会社 上席エグゼクティブ・スペシャリスト 環境部長)
中村 晶子 弁護士
西岡 秀三 独立行政法人国立環境研究所特別客員研究員
平田 仁子 特定非営利活動法人気候ネットワーク東京事務所長
古米 弘明 東京大学大学院教授
堀  政彦 財団法人日本自動車研究所 客員研究員
森口 祐一 東京大学大学院教授
諸富 徹 京都大学大学院教授
矢野 博夫 千葉工業大学教授
芳住 邦雄 共立女子大学大学院教授

 以上については、東京都環境保全局に電話を入れたときの通話録音が以下にあります。
 
 通話録音音声



2.重金属類等他の汚染物質の調査結果について

 関係各局の調査はすべて既に環境局のホームページに掲載してあるので、開示対象となる情報はない。ただし、平成25年度の調査の一部については、まだ結果のとりまとめがおわっていないため、平成26年1月末ごろに改めて同様の開示請求を行って欲しい。


3.首都大学東京の開示請求取り下げ文書の提出について

 以上の結果から、今回の開示請求に対して、首都大学東京としては開示する情報が不存在となるため、請求者(池田こみち)の方で、開示請求の取り下げ文書を作成し送付して欲しい。

 以上がこの間の経過ですが、1のダイオキシン類の同族体・異性体のデータはすでに調査が終了しているため、事実として確定し報告書も存在するにもかかわらず、環境審議会に提出するものであり、汚染原因者の特定の審議が行われるので開示しないというのは明らかに不当です。

 環境審議会に提出される同族体、異性体のデータは調査結果のすべてについてではなく、一部が提出されるとのことですが、「一部」は誰がどのような根拠に基づいて選び出し審議会に提出するのかは極めて重要な問題です。

 小泉氏は、報告書は10cmくらいの厚みがあり、すべてを審議会に提出する訳ではないと説明されました。数百検体もの分析結果の内、一部のデータを審議会に出して審議し、汚染原因、汚染事業者の特定の審議を行うというのですからデータの選び方によって審議結果を左右することにもなりかねません。

 環境審議会、その下で開催される作業部会はいずれも公開で傍聴が可能であり、そこで配付される資料(同族体、異性体データも含まれる)は公表され、Webにも開示されるということであれば、開示請求に応じないのは理屈が通りません。

 そもそも「意思決定の中立性が不当に損なわれる」という理由は納得できません。それを言うのは都民の側です。

 黒塗りの情報を入手しても意味がありませんので、東京都情報公開審査会http://www.metro.tokyo.jp/POLICY/JOHO/JOHO/ に対して異議申し立てを行う準備を進めたいと思います。