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 インドネシアからの研修生と

適正な廃棄物管理について議論


Discussion on Appropriate Waste Management

with Indonesia trainees

池田こみち

Komichi Ikeda
 環境総合研究所(東京都目黒区)


掲載日:2014年10月15日
独立系メディア E-wave Tokyo
無断転載禁


 私達の環境総合研究所(東京都目黒区)では、毎年、テンプル大学が受け入れている東南アジア諸国の研修生に大学のカリキュラムの一環あるいはボランタリーにさまざまな講義と議論をしています。

 今日(2014年10月15日)は午後からテンプル大学が受け入れているインドネシアから研修生4人がこられ、2時間半ほど議論したり情報交流を行いました。言語はすべて英語です。

 参加したのは、以下の四人とテンプル大学の引率者レミさんとジェフさんの合計6人でした。

・Bangunさん バンドゥン地域の住宅・土地管理局 衛生部部長
・Arisさん ジョグジャカルタ州 地域計画開発局 エネルギー・
          鉱物資源部門の定住計画担当
・Yoanさん  スレマン地区 地域計画・開発委員会 農村基盤部門所属
・Melindaさん アガム地区 環境管理局 環境容量管理及び改善担当部長 
・Remiさん テンプル大学教員
・Jeffさん テンプル大学 Director, Corporate Education


テンプル大学の研修生と引率者レミさんとジェフさん。池田は中央奥
撮影:鷹取 敦

 4名の研修生は、約1ヶ月の日程で9月末からテンプル大学の長期研修に来ています。筑波の国立環境研究所を訪問したり、東京都、川崎市などの自治体訪問、さらに世田谷清掃工場などの施設見学も行っています。

 今日はインドネシアにおける今後の適正な廃棄物管理(Appropriage Waste Manegement)のあり方をテーマに議論し情報交流しました。

 マレーシア同様、東京都や川崎市などがインドネシアにも焼却炉の導入に向けたプロモーションを行っているとのことで、焼却炉について日本の課題も聞きたいというリクエストがありました。

 最初に、7月に来日したマレーシアの廃棄物焼却炉問題視察団のインタビューを見てもらいました。以下の動画です。


7月に来日したマレーシアの視察団のインタビュー(英語版)
動画 YouTube  独立系メディア E-wave Tokyo

7月に来日したマレーシアの視察団のインタビュー(日本語訳付き版)
動画 YouTube  独立系メディア E-wave Tokyo

 インドネシアでも同様に、今後、日本からの大型の焼却炉の導入に関連した問題が予見されています。

 現在のところ、廃棄物の60%以上が有機物(生ごみ系)であることから、果たして焼却炉が最善の技術なのか疑問が残ります。現状では、堆肥化も一部で行われて居るようですが、多くはそのまま直接最終処分場に埋め立てられており、悪臭や浸出水による汚染が問題となっています。

 このような少人数での環境政策や廃棄物政策をテーマとした議論は、テンプル大学日本校の一環として2011年から池田が担当しています。大学での講義を4小間行い、清掃工場やリサイクルセンターなどの施設見学にアテンドすることもありますが、今回はグループディスカッションです。

 東南アジア諸国、たとえばマレーシア、インドネシアなどは急速な経済成長、工業化の道をたどっていますが、ご多分に漏れず環境負荷が激増し、環境管理、資源管理、廃棄物管理、環境計画立案などの政策への関心がたかまり、レベルも上がっています。

 一方、確かに成長の結果、ある程度社会基盤投資の余裕がでてきたのでしょうが、それらの東南アジア諸国に日本企業がなだれ込み、日本的、すなわち現地の社会システムに適合しない技術至上主義的なハードシステムのセールスプロモーションを為政者に行うことで、大混乱が起きています。

 7月のマレーシアからの使節団は、三菱重工がマレーシア政府・与党とよくいえば連携、実際はつるんで巨額、巨大なストーカー炉(ゴミ焼却炉)を導入し、メンテナンスなどもその子会社に高額で任せることに反対し、私たちの意見を聞きに来ました。、

 このときのインタビューを見ながらインドネシアの研修生はみんなで頷きながら、インドネシアでも同様の状況であると話していました。

 つまり、いきなり高度な焼却炉を導入するより先に、市民に対してごみの分別や資源化など基本的なルールを徹底し、その上で地域の実情にあった適正技術を導入するということです。さらに、その政策立案の過程は透明度が高く、市民参加の手続きが組み込まれていることが重要です。

 この授業や国際コンサルテーションを私たちの研究所は永年、大学の授業や単独でつづけてきましたが、それはJICA(国際協力事業団)やADB(アジ化開発銀行)などの国際技術協力が限界となっていることの証左でもあるはずです。

 マレーシアやインドネシアは、東南アジアのモスレムの一大勢力であり、授業中あるいは昼食時に、メッカに向かってお祈りしています。いずれにしても、このような直接的な交流が今後、大いに必要となるでしょう。

 特に政府機関ばかりで研修を受けると一方的な情報となり、日本がかかえている問題について理解しないまま帰国することになるのは大きな損失です。その意味からもERIとしては、こうした途上国をはじめ諸外国からの研修生や学生などに対しては、できるだけ時間を割くようにしています。

 議論終了後、私達がつくってきた世界の中の日本ランキングのデータを見ながらいろいろ議論しました。とくに盛り上がったのは、以下にあります<寄附・ボランティア・親切さ>に関する世界ランキングです。

 というのも、インドネシアは、チャリティーの総合で7位、金銭的寄附で5位、ボランティア時間で9位、親切さで41位と、いずれも日本の順位より遙かに上位にいたからです。議論の結果、その原因は、宗教によるものではないかということになりました。

 インドネシアからの研究生は、このランキングは非常にプラウドになりますと大喜びしていました。

 思わぬところで、<世界の中の日本ランキング>が生かされ、もともとの執筆者青山貞一も大変よろこんでいました。


出典:青山貞一・池田こみち:世界の中の日本ランキング<寄附・ボランティア・親切さ>
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col5761f.htm