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桜井南相馬市長の
一新塾講義に参加して

池田こみち
掲載月日:2014年4月12日
 独立系メディア E−wave
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 南相馬市の桜井市長に久しぶりにお目にかかった。前回は2年前もやはり青山貞一が共同代表をしている政策学校一新塾での講義だった。

 つい最近では、東京都知事選で細川候補の応援演説をYouTubeで拝見し、その熱のこもった魂の叫びに感動させられた一人である。

 今回も、一新塾の塾生に向けて、震災・原発事故発生からこれまで、どれほどのことがおき、市長としてどのように市民を支えてきたかについて、データを示しながら熱弁を振るわれた。

 桜井市長は、3.11以降選挙が行われた東北地域にあって、再選を果たされた二人目の市長(相馬市長と南相馬市長)である。しかも、対立候補に7000票もの差を付けて。


撮影:鷹取敦 2014-4-12 政策学校一新塾にて 

 選挙中は、選挙カーを降り、ほとんど走りながら市民と直に接し、声を聞きながら闘い続けたとのことで、走破した距離は350kmにも及ぶとか。まさに、市民と同じ目線、同じ立ち位置から南相馬市の抱える問題に立ち向かおうとする姿勢が大いに評価され、再当選を果たされたことに他ならない。

 3.11の時には、情報が遮断され孤立する中、市長として決断、判断し責任をもってその決断や判断を実行に移すという厳しい日々が続いたことを改めて振り返られた。

 南相馬市は3.11以前には7万人以上の人口を擁していたが、現在では約68000人、そして市内に住んでいるのは約48000人とまだまだ避難している人々が多いが、それでも福島県内の相双地域にあっては、多くの市民が戻って、少しずつではあるけれども前を向いて復興に向けて歩みを進めている。その背景には、3.11直後から市民が一人でも市内に残っていれば市役所は絶対に撤退しないと決断し、職員300名余を集めて訓示し、ご自身も50日間、市長室に寝泊まりして市民を支え続けたという徹底した責任感と実行力がある。

 これまでの慣例や前例にとらわれることなく、情報発信し続けることによって孤立した町の市民をいち早く避難させ、また、その後の国の方針によって市内が何分割にも分断されるなか、市民の不安や怒りを受け止めながらここまで復興の歩みを進めてこられたパワーにはほんとうに頭が下がる。

 青山の言葉でいう、まさにミッション(M)、パッション(P)、アクション(A)の人であり、ビジョン(V)を描き、それに向けたシナリオ(S)を自らつくって、一つずつプログラム(P)として実行していく、という姿である。


左から池田、桜井、青山
撮影:鷹取敦 2014-4-12 地下鉄三田駅前にて 



最後にコメントする池田
撮影:鷹取敦 2014-4-12 政策学校一新塾にて 

 これからは、南相馬市が世界に羽ばたく町となるように、任期中は全力で、人材の育成、人を育てることに努力したいと話された。「塾」を開いて、単に技能があるだけでなく、人々の、そして地域の幸せを実現できる人、心身が腐ってしまわない人、お金だけで物事を解決しようとしない人を育てたいと意気込みを語られた。目的がしっかりしていれば、それを実現する道は必ず開けてくるはずである、と。

 これからも桜井のM・P・Aに裏打ちされたV・S・Pがどのように実現していくか大いに期待したいし、私たちもどこかでつながりながら一緒に歩めればと思っている。


撮影:青山貞一

 最後に貴重な機会を与えていただいた森嶋伸夫そして青山貞一共同代表にこの場を借りてお礼の言葉を申し上げたい。

<参考>

 青山貞一代表のパワーポイントから主体的市民が具備すべき3大要素


出典:青山貞一 一新塾講義のパワーポイントより


出典:青山貞一 一新塾講義のパワーポイントより


出典:青山貞一 一新塾講義のパワーポイントより