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日本の国宝を守れ!
 

文化財修復会社トップは
英国人アナリスト


池田こみち
掲載月日:2015年5月22日
 独立系メディア E−wave


 途中から見ましたがすばらしい番組であり、社長でした。イギリス人の経済アナリストの42歳が、現在、日光東照宮の陽明門の修復を手がけている会社の社長です。倒産寸前だった歴史有る会社を建て直しました。

 古い職人体質の打破、会社への甘えの体質の解消などさまざまな改革を行い、高齢職人の給与を下げて若手新入社員を毎年採用、研修プログラムの導入、昇級、人事制度の改革などを行い、4年で予算10億円の陽明門の修復の仕事を受けています。修復はあと2年続くそうです。

 美術の専門家ではないのですが、社長として職人の仕事を点検していました。「美しいか美しくないか」「神社の神様に納める仕事として恥ずかしくないか」という観点からチェックするとのことでした。

 前社長の時代、手抜きがあって住吉神社から出入り禁止を言い渡されそうになったことがあったそうですが、すべて会社負担で一から塗装をやり直し、また信頼を得るようになったとか。


日光東照宮の御水舎
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2014-11-21

 彼が言うには、日本政府の文化財への予算の配分は極めて少なく年間80億円だがイギリスでは500億円。修復をする間も観光客に説明し、解説し、修復の過程を見せることで観光業もなりたっているとのことです。

 日本には放置された文化財がたくさんあり、それらを修復することが観光業のさらなる発展につながることは間違いないと言ってます。文化財の修復はリニアモーターカーのように難しくないし、次の職人を育て、文化を次世代に引き継ぐ上で欠かせない仕事です。

 250年間一度も手入れをしていないお寺の堂を13億円くらいかけて修復したところ二年後に国宝に指定され、観光客が列をなし、地元には解説ボランティアの団体も出来、大いに賑わっている例もやっていました。この会社が受けた仕事です。

 今の状態は、まったく文化財が放置され、古くなって侘び寂びが美しいという段階を過ぎ、崩れる寸前まで朽ちている状態なので、早く修復しないとあまりにもったいない、と主張していました。

 再放送があったら是非録画しておきたい番組でした。


◆日本の国宝を守れ!
 文化財修復会社トップは英国人アナリスト小西美術工藝社
 社長デービッド・アトキンソン


テレビ東京 カンブリア宮殿 2015-05-21放送分
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20150521.html

小西美術工藝社フェイスブック
https://www.facebook.com/konishibijyutsu

 ★元ゴールドマン・サックス証券アナリスト。裏千家茶名「宗真」。
  1965年イギリス生まれ。オックスフォード大学で日本学専攻。
  2007年に退社した後は、趣味の茶道に没頭する隠遁生活を送って
  いたが、請われて小西美術工藝社の社長に就任。

 ★企業プロフィール
  江戸時代寛永年間に創業。「漆塗・彩色・金工・金箔押・美術工芸品」
  という各種装飾技術を総合的に併せ持つ唯一の会社。売上高は
  9億円5000万円で社員数は71人。