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昨日(2009年8月6日)、環境省が次のようなプレスリリースを行った。 −−− 平成21年8月6日 :平成20年度環境省所管特例民法法人に対する立入検査の実施状況について(お知らせ) http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11440 「公益法人の指導監督体制の充実等について」(平成13年2月9日公益法人等の指導監督等に関する関係閣僚会議幹事会申合せ)において、各府省は、所管特例民法法人に対する立入検査を少なくとも3年に1回実施し、毎年度の立入検査の実施状況を取りまとめ、その結果を公表することとされています。 今般、本申合せに基づき、平成20年度における環境省所管特例民法法人に対する立入検査の実施状況を取りまとめたので、公表します。 (以下省略) −−− 本文を見ると、所管93法人のうち、30法人に対して立ち入りを行い、そのうちの18法人に対して改善指導を行った、というものであり、改善の内容については、その内訳が法人数のみで示されている。 @法人運営面で改善すべき点のあった法人 ................16法人 A事業の内容・実施等の面で改善すべき点のあった法人...... 6法人 B財務・会計面で改善すべき点のあった法人................14法人 このプレスリリースを見れば、誰もがいったいどの財団法人がどのような指摘をうけたのか、確認したいと思うのは当然である。しかし具体的な法人名は一切示されていない。主な指摘事項は以下の通りとなっている。 −−− [主な指摘事項と改善措置(予定を含む)] (法人運営面)事務処理等に関する規程等の整備が不十分である。 (←速やかに整備するよう指導。) (事業実施面)事業費の割合が、総支出額の2分の1以下である。 (←事業規模の拡大に努めるよう指導。) (財務・会計面)内部留保が水準を超えている。 (←適正な水準とするよう指導。) 計算書類が適正に作成されていない。 (←適正に作成するよう指導。) −−− 一体、このようなおざなりでかつ意味のない「実施状況」を発表し、役人以外の誰が納得するというのだろうか。さっそく環境省の担当者に電話で問い合わせを行った。そもそも具体的な法人名が公表されていないのはどういうことなのだろうか。また指導内容の中に、事業実施面で事業費の割合が少ない法人に対して、「事業規模の拡大に努めるように」という指導はどうみても逆行している。仕事がないならそれ自体、その法人の存在価値が問われる話だ。 電話口に出た担当者:環境省大臣官房総務課 岩間裕史氏 電話メモ(通話録音より概要のみ) 【池田】おはようございます。環境行政改革フォーラム事務局の池田と申します。昨日の立ち入り検査結果の実施状況についてのプレスリリースについてお尋ねしたいのですが、なぜ具体的な法人名が公表されないのですか。具体的な名称が公表されければ意味が無いじゃないですか。 【岩間】そこまでは公表しないことになっています。指針に基づいて発表しています。幹事会でまとめられたものです。 【池田】指針?、幹事会というのは?それはどこに掲載されていますか。もう一度、その指針をおっしゃってください。内閣府の申し合わせですね。 【岩間】平成13年の当時総務省の「公益法人の指導監督体制の充実等について−公益法人等の指導監督等に関する関係閣僚会議幹事会申し合わせ」です。 【池田】各省庁ともその申し合わせにしたがって、立ち入り検査の実施状況を公表しているわけですね。具体的な法人名を公表するかどうかは各省庁に任されているわけですね。 【岩間】そうです。 【池田】環境省は、その申し合わせに従って、今のような公表となっているわけですね。つまり、具体的な法人名までは公表しなくてよいと解釈しているわけですね。もう一度、その部分の文章を読んでください。 【岩間】そうです。申し合わせには「各府省は、毎年度の立入検査の実施状況をとりまとめ、その結果を速やかに公表するとともに、総務省に報告する。」となっています。 【池田】申し合わせの文章は、「実施状況をとりまとめ結果を速やかに公表する」ですから、特に具体的な法人名を公表しなくて良いとは書いてないですよね。その判断(具体的な法人名は公表しない)は環境省が独自にそう解釈されているわけですね。その担当はそちらの部署(総務課)ですね。公表して欲しいという要望があっても公表する必要はないと考えていらっしゃるわけですね。 【岩間】そうです。そこまでの必要はないと考えています。各省庁ともそうしていると思います。 【池田】他省庁のことはこの際いいですが、環境省としては、公表の必要がないと考えていると言うことですね。わかりました。 以上 ということで、少なくとも環境省は、個別の法人名を公表する必要がないと考ていることが分かった。さっそく内閣府(公益認定等委員会事務局・伊藤氏)に確認すると、内閣府には、各省庁から立ち入り検査の結果が報告されるが、そこで報告される実施状況は法人の件数のみで、具体的な法人名は内閣府も把握してないとのことだった。いったい何のための立ち入り検査なのかと改めてそのおざなりな対応には驚かされた。 環境行政改革フォーラム事務局ではさっそく情報公開請求の手続きを行った。その結果については追って報告したい。 つづく |