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管理センターの設備改善で
殺処分は減らせるか


池田こみち
 
2009年2月5日 無断転載禁


 環境省は、下記の共同通信配信の記事にあるように、動物管理センターの設備改善(冷暖房設備の拡充やスペースの拡大など)により、殺処分が減らせると思っているようだ。

 1億円も自治体に補助し、「従来の暗いイメージを一掃して飼い主に引き渡しの際に、最後まで飼い続けるための講習会開催の会場を整備する」と。

 動物愛護管理法のもと「犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置」平成18年1月20日環境省告示第 26号、が定められており、収容された犬、猫は、各都道府県の定める条例や指針などに基づいて、一定期間の収容の後、殺処分される。

 原則は、「疾病にかかり、又は負傷した犬、ねこ等の動物及び動物の死体の収容に関する措置」ではあるものの実体的には、様々な都合で飼いきれなくなった犬、猫、ブリーダーが処分に困った犬、猫なども多く持ち込まれているのが実態である。

 殺処分を減らすために必要なことは施設を整備することではなく、持ち込まれる動物が減るような根本的な措置、対策を講じることであるはずだ。

 見せかけの対策で「暗いイメージ」を払拭することに1億円の補助金を投じることで喜ぶのは誰なのか。それだけの予算があれば、去勢手術の補助やNGOの支援などもっと有効な使い道があると思うのだが。

 もっとも、同法のもとでの動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示を行う動物取扱業者への規制を抜本的に見直すことがまずは先決であることは間違いない。


捨て犬猫施設の整備支援 環境省「新たな飼い主を」
東京新聞 2009年2月4日 09時13分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009020401000095.html

写真:管理センターに収容された犬=06年9月、島根県出雲市

 捨て犬や捨て猫などの収容施設を明るく広く改装し、ペットを探す人を呼び込もうと、環境省は4日までに、今春から全国の施設の拡充や整備支援に乗り出すことを決めた。

 施設を犬猫と飼い主の“出会いの場”とすることで、なるべく殺処分にせず、救いの手を差し伸べるのが狙い。環境省は2009年度予算案で支援策として1億円を計上した。

 施設は、飼い主が飼育できなくなるなどした犬猫や、飼い主不明などで保健所が捕獲した犬の受け皿となっているが、そのほとんどは最終的に処分されているのが実情。

 環境省によると、自治体による施設の新築や改築などにかかる費用を補助。保管スペースの拡大や冷暖房機器の配備で、従来の暗いイメージを一掃してもらい、飼い主に引き渡す際に「ペットを最期まで飼い続けるように」などと講習するための会場設置なども促す。

 06年度に各地の収容施設に引き取られた犬猫は約37万匹。新たな飼い主が見つかったのはうち1割で、約34万匹は殺処分された。(共同)