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真夏の箱根
C箱根山の駒ヶ岳から富士山を見る

池田こみち

14 September 2010
独立系メディア「今日のコラム」
無断転載金


 「箱根関所」を視察した後、芦ノ湖沿いの元箱根から湖尻方面に右折して駒ヶ岳ロープウェイに乗り山頂を散策してから、再び元箱根→箱根町と戻って関所に行きました。そしてその後は、湯河原方面に向かいターンパイクを下って小田原の宿に戻りました。

 箱根駒ヶ岳(1356m)を含む箱根山一帯は、下の図にあるように中央火口丘と二重の外輪山で構成されています。実は駒ヶ岳という名称は日本に多数あり、箱根の駒ヶ岳は通常、箱根駒ヶ岳といっています。


駒ヶ岳を含む箱根山一帯。中央火口丘と二重の外輪山で構成されている。
出典:Wikipedia

 内側にはカルデラ湖の芦ノ湖があります。現在でも大涌谷などで噴煙や硫黄などの火山活動が見られるほか、箱根温泉や湯河原温泉のように山腹・山麓の多くの場所で温泉が湧出しています。

 そのため、箱根にはカルデラ内部から山麓にいたるまで多くの場所に温泉郷が形成され、古来より湯治場として、近代からはその他の観光開発も含め観光地としても多くの人が訪れる場所となっています。 ただし、大涌谷の一部では健康を害するほどの火山ガス(亜硫酸ガス、硫化水素ガス)が噴出することがあるため注意が必要です。

◆箱根火山の活動史

 詳細は「箱根火山の形成史」を参照してください。参考引用はWikipedia

・古期外輪山

 箱根火山の活動は約40万年前に始まり、何度も噴火を繰り返して、約25万年前には古箱根火山と呼ばれる標高2,700m にも達する富士山型の成層火山が形成された。

 その後も噴火を繰り返し、約18万年前に空洞化した地下に山の中心部が陥没して大きなカルデラが誕生した。このとき周りに取り残されたのが塔ノ峰、明星ヶ岳、明神ヶ岳、丸岳、三国山、大観山、白銀山など海抜1,000m 前後の「古期外輪山」である。

 金時山は外輪山の一峰のように見えるが、古箱根火山の山腹から出た寄生火山(側火山)であった。

・新期外輪山

 カルデラ誕生後の数万年は穏やかな活動を続けていたが、約13万年前から再び火山活動が活発になり、カルデラ内に小型の楯状火山ができた。

 約5万年前、この楯状火山が大噴火し、再び陥没して東部から南部に半月形に取り残されたのが浅間山、鷹巣山、屏風山などの「新期外輪山」である。

・中央火口丘

 約4万年前になるとカルデラ内で再び火山活動が始まり、台ヶ岳、箱根駒ヶ岳、上二子山、下二子山などの溶岩ドームができた。このときの火砕流により旧早川がせき止められ、現在の仙石原一帯に仙石原湖と呼ばれるカルデラ湖が誕生した。

 約3000年前には、神山北西斜面で山体の多くを崩壊させる大きな水蒸気爆発が発生。これにより大涌谷が生まれ、水蒸気爆発によって引き起こされた土石流により仙石原湖の半分以上が埋没して仙石原となり、また早川の上流部(現在の湖尻付近)がせき止められて芦ノ湖が誕生した。

◆箱根駒ヶ岳から見た富士山

 箱根山から富士山は下図にあるように、直線で20km〜30kmの距離にあります。


出典:グーグルマップの地形図

 下の2枚の写真は箱根駒ヶ岳から富士山を撮影したものです。とくに2枚目の写真は地上から撮影した写真ではなかなか見れないものです。あたかも撮影ポイントが富士山よりも高い位置にあるように見えます。


箱根駒ヶ岳から見た富士山
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2010.9.3
 

箱根駒ヶ岳から見た富士山
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2010.9.3

◆箱根駒ヶ岳から芦ノ湖を見る

 下は箱根駒ヶ岳から数km眼下の芦ノ湖を見たものです。カルデラ湖である芦ノ湖がよく見えます。


撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2010.9.3

 下は箱根駒ヶ岳から芦ノ湖、元箱根方面を撮影したものです。カルデラ湖である芦ノ湖がよく見えます。


撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2010.9.3

◆箱根駒ヶ岳から見た小田原・太平洋方面

 下の写真は箱根駒ヶ岳から見た小田原、さらに太平洋です。左上に見える市街地が小田原です。


撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10 2010.9.3

 叔父と叔母を連れ、よく言っている箱根ですが、歴史、文化、地形などから見るといろいろ興味津々となります。

本特集終わり