キーワード:新型コロナウイルス、COVID-19、致命率、CFR、死亡者数/感染者数、
リスク総合評価、Case Fatality Rate、世界各国、世界地域、日本、
G7,G20、BRICS、ASEAN、旧社会主義諸国、北欧諸国、
中南米カリブ諸国、アフリカ諸国、中東諸国、
はじめに 前提について
致命率(CFR)の解説は本稿末尾にある。
5月15日からほぼ3週間おきに世界の主要国の新型コロナウィルスによる致命率(死亡者数/感染者数)
を見てきたが、日本においては、今回の新型コロナ感染症(COVID-19)に感染して、すぐに死に至るわけ
ではなく、おおよそ3週間のタイムラグをおいてから重篤化し亡くなるケースが多く見られている。
下図は、その日本における感染者数と死亡者数を示したものだが、死亡までのタイムラグにはばらつきが
あるものの、それぞれのピークに概ね3週間のずれがあることがわかる。
ただし、この3週間というタイムラグは、あくまでも日本の実証例であり、他国にそのまま当てはめられるも
のではない。このタイムラグは、高齢者割合、重篤者割合、既往症割合、医療実態(病床数、医療スタッフ
数、医療機器、医療技術、ICU、対症療法医薬品使用など)により異なってくることが推定されるからである。
また、中国やイタリアで猛威を振るっていた感染拡大の初期のころ(2019年末から2020年4月頃まで)と半年
が過ぎて世界に広まった7月~8月では、感染から死亡に至る期間も当初に比べて長くなっている可能性も考
えられるため、どの時点で評価するかによっても異なる。
しかし、現時点では他国の詳細データがないため、本調査では、従来のCFR調査の対象国とグループの
すべてに3週間のタイムラブをあてはめ掲載してみた。
図1 日本の感染者数と死亡者数の時系列グラフ
出典:作成:鷹取敦環境総合研究所代表
このことから、この間実施してきたCFR調査対象国について、感染から死亡までに概ね3週間の
タイムラグがあると仮定して改めてCFRを算出してみた。
注)従来第1回から6回まで続けてきた累積感染者と累積死亡者を
対象とした第七回の致死率(CFR)リスク評価は本稿に含めている。
◆調査年月日時
調査日は、2020年9月16日 UTC 午前4時22分(日本時間で午後1:22)である。
◆赤色線(グラフの横線)
赤線は本調査が対象とする105ヶ国の9月16日時点の平均CFR値である。今回の場合CFR
=3.2となり、3週間前の8月26日から0.2ポイント低下した。
◆第七回調査により判明した顕著な傾向と事実
<累積感染者数と死亡者数によるCFRの推移>
5月15日~9月16日の4ヶ月の推移は以下に示すとおり、減少傾向となっており、105ヶ国を対象
としている本調査では、3.2%となった。
第1回調査から4ヶ月で、世界の感染者数は約6.6倍、死亡者数は3倍へと増加している。感染者
数の増加が止まらないことから、致命率は引き続き低下傾向となっており、この間に1.2ポイント低
た。
また、第四回調査以降、世界的に感染者が3・4月頃のような高齢者から、若者世代に広がって
おり、無症状や軽症の患者が増えていることから、死亡者数は各国とも抑えられている。その背景
にはウイルス事態の変異(遺伝子レベルの変異)も指摘されているが、総じて、新型コロナウィル
スとのこの半年余りの闘いを経て、医療関係者の経験・知見が積み重ねられ死亡者が減少している
こともひとつの要因と言える。
一方、各国や地域の動向を細かく見ていくと、それぞれの国、地域によって社会経済状況が異な
り、医療体制が感染者数の増加に追いつかず、死亡者が増加している地域もあり、依然としてパン
デミックのリスクは続いている状況である。特に北半球においては、夏休み前から経済の再開に伴
い再び各国で感染者数の増加が目立ち始めている。
以下は感染者数と死亡者数に基づくCFRの推移である(数字は各調査日のデータ取得
時間の数字をまるめたもの)。
1.感染者数推移:累積(29,862,000件)と日別(304,708人) 2020年9月16日、午後1:22JST
世界188の国と地域の感染動向グラフ 出典:Johns
Hopkins University Covid-19
World Map より
2.死亡者数推移:累積(940,605人)と日別(5,785人) 2020年9月16日、午後1:22JST現在
世界188の国と地域の感染動向グラフ 出典:Johns
Hopkins University Covid-19
World Map より
上図より9月16日時点の世界の感染動向を見ると、感染者数、死者数ともに依然として
減少傾向=収束の兆しは見えず、7月~9月にかけて、1日あたりの死者数は、9,000人から
1万人を超える日もあるなど、感染拡大の時期のずれ、地域の拡大に伴い、引き続き地球規
模のパンデミックが続いていると言える。
WHO及びJohns Hopkins University がとりまとめている世界188の国及び地域(クルーズ船を含む)
の感染者数、死亡者数の推移と累積データによる調査日時点の致命率(CFR)を示すとともに、本調
査が対象としている105ヶ国のCFRを同時に折れ線グラフで示した。5月には188ヶ国・地域と
105ヶ国のCFRにはおよそ2.4ポイントの開きがあったが、次第に縮まり、8月5日の第5回調査以降、
ほぼ同じ致命率となった。
5月15日~9月16日の推移は以下に示すとおり、減少傾向となっており、105ヶ国を対象としている本調査では、
3.2%となった。
<累積感染者数と死亡者数によるCFRの推移>
調査回 |
調査年月日 |
感染者数
(人) |
死亡者数
(人) |
致命率(CFR)% |
備考 |
188ヵ国 |
105ヵ国 |
第一回調査日 |
202年5月15日 |
4,477,000 |
303,400 |
6.8 |
4.4 |
|
第二回調査日 |
202年6月 3日 |
6,405,000 |
380,800 |
5.9 |
4.1 |
|
第三回調査日 |
202年6月24日 |
9,293,000 |
478,000 |
5.2 |
4.0 |
|
第四回調査日 |
202年7月15日 |
13,286,000 |
579,000 |
4.4 |
3.9 |
|
第五回調査日 |
202年8月 5日 |
18,443,000 |
700,600 |
3.8 |
3.7 |
|
第六回調査日 |
202年8月26日 |
23,889,000 |
819,000 |
3.4 |
3.4 |
|
第七回調査日 |
202年9月16日 |
29,571,000 |
935,000 |
3.2 |
3.2 |
|
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-20
<対象としている105ヶ国の累積のCFR>
3週間毎に実施している世界105ヶ国のCFR調査の推移を見ると、5月15日には、4.4%だった
ものが4ヶ月で3.2%まで約1ポイント低下した。 この間に感染者数は6.6倍に、死亡者数は、3倍
に増加した。世界各地の感染者数の拡大が結果としてCFRを低くしている。
感染者数と死亡者数に基づくCFRの推移(数字は各調査日のデータ取得時間の数字をまるめたもの)
(2)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第七回
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第七回目報告である。
・G7,G20、EU諸国、それ以外、旧社会主義国、北欧諸国、はいずれも右肩下がりと
なっている。
・BRICSは中国以外の国で増加傾向が止まらないため、7月以降横ばいのままとなっている。 ・ASEAN諸国もBRICS同様に、一部の国を除き感染拡大が止まらないため、7月以降は下げ止まり
横ばいとなっている。・中南米も増加傾向の国が増えているため6月から横ばい状態となっている。
・アフリカ諸国は中南米にくらべれば僅かに減少傾向だがそのペースは遅い。
・中東諸国は6月から増加傾向となっていたが、8月5日以降は横ばいで改善されていない。
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(2)-2 3週間のタイムラグを考慮したCFRの推移
・ほとんどの地域で6月前半の致命率が高く、その後は大幅に減少しているが、ASEAN諸国は感染
の拡大がヨーロッパやアメリカより遅く、7月後半から8月にかけてピークとなっている。その
後8月に入り一旦低下するも、8月下旬になって再び大幅に増加している。
・中南米諸国は感染者数の拡大が続いているため、CFRは右肩下がりとなっている。4ヶ月で2.5ポ
イントの改善である。
・アフリカ諸国は、6月上旬と7月後半にピークが見られ、その後は大きく低下している。6月前半
に比べて1/2まで低下した。
・中東諸国は政情不安の国も多く、CFRの順調な低下には至っていない。
出典:青山貞一・池田こみち・鷹取敦
第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(3)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第七回
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第七回目報告である。
・G7諸国の累積データに基づく平均CFRは10%から6.6%へと3.4ポイント低下した。ヨーロッパ
各国は感染拡大が早く、6月下旬から改善傾向にあるが、経済再開後、夏に再び感染者数が増
加している。
・G7の中では米国、ドイツがいずれも3%台まで下がっているが、米国の感染者数は600万人を
超えて世界第一位となっており、感染者数が増加し続けていることがその背景にある。
・日本は8月の第二波で感染者数が第一波を上回り大幅に増加したため、致命率は2%を下回り、
このグループでは最も優秀な数値となっている。
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(3)-2 3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
・G7全体では、6月前半の死亡者数が多く、平均で9.2%と高い致命率となっていたが、その
後は大幅に低下し、1/9の1.1%まで下がっている。
その背景にはアメリカでの感染者数拡大を筆頭に各国とも経済再開後に一旦低下していた感
染者数が再び増加したことが挙げられる。
ただ、各国とも今年1月~5月までの経験を踏まえて、死亡者数が低く抑えられているのが見
て取れる。
・フランスは5月に発症して6月に死亡した割合が24%と極めて高く、その後は急激に低下し、
4ヶ月の間に24%~0.8%まで低下した。
・イギリスは対応が遅れたため、6月~7月まで高い致命率が続いたがその後は大きく改善して
いる。
出典:青山貞一・池田こみち
第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(4)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第七回
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第七回目報告である。
・G20諸国の平均を見ると、この4ヶ月で6.2%から4.5%へと2ポイント弱の低下が見られる。
・最も大きく改善したのはフランスで20%から8%へと大きく低下した。
・一方イギリスはピークが7月中旬で15%から11%とフランスに比べて減り方が遅くなっている。
・メキシコはグラフが山型となっており、10%前後で横ばいの状態が続いている。
・ブラジル、インドネシア、米国などは6~7%だったものが3~4%まで低下しているが、感染者
数の増加が大きく影響している。
・中国は5月以前にピークがあるため、この調査期間においては、概ね5%程度で推移している。
・南アフリカとオーストラリアは7月中旬以降再び右肩上がりに致命率が上昇している点に注目したい。
・ロシアは当初低かったがその後、感染者数が増加し続け二倍の1.8%まで増加している。
・サウジアラビアも、致命率は1%前後と低いがこの期間中僅かながら上昇傾向を示している。
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
下図は、各国の日ごとの感染者数、死亡者数を示したものである。左の黄色いグ
ラフが感染者数の推移、右の白いグラフが死亡者数の推移を示している。横軸は
経過月日、縦軸は人数で国毎にスケールが異なっているので注意が必要。
出典:ジョンズ・ホプキンス大学 Covid-19 World Map Webサイトより 2020年9月17日~18日時点
出典:Johns Hopkins University
(4)-2 3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
・タイムラグを考慮すると、G20諸国の平均の致命率はこの4ヶ月で6.7%から
2.4%まで改善している。
・中でもドイツは3.6%あったものが0.3%まで大幅に低下している。
・最も顕著に改善したのはフランスで、累積でみると9月16日には7.8%の致命率
が、8月に発症して9月16日までに死亡した人数は0.8%と極めて低くなっている。
・G20の多くの国で9月には1%前後まで低下しているなか、メキシコの致命率は
当初、フランスと同程度であったが、その後も8.6%までしか改善して
居らず、依然として厳しい状況であることが分かる。
・日本は、5月に感染して6月中旬までに死亡した人が8.5%と高かったがその後は大
きく低下している。
・インドネシア、アルゼンチン、トルコ、南アフリカ、サウジアラビアなど、致命
率が大きく改善しない国は感染者数の増加とともに、死亡者数が抑えられていな
い状況となっていることから注意が必要である。
・オーストラリアでは、7月から8月に掛けて致命率が上昇している。
以下は感染と死亡の3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
出典:青山貞一・池田こみち・鷹取敦
第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(5)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第七回
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第七回目報告である。
・EU諸国の平均は、この4ヶ月で6.7%から4.0%まで3ポイント低下した。各国とも6月前半
までは高い傾向が続いていた。
・最も低下したのはフランスで12ポイントの低下。
・次いで、ハンガリーは7月まで上昇傾向が続き14%に迫ったが、9月に入って5%弱まで
概ね9ポイント低下している。
・グラフが特異な形状となっているのはスウェーデンで、5月には13%だったものが8月末
には7%まで概ね半減した。
・総じて、東ヨーロッパ諸国(旧社会主義国)の致命率は低く維持されている。
・ただし、ブルガリアだけが、7月半ばに3%前後まで低下していたものが再び僅かながら
上昇に転じている。
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(5)-2 3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
・EU諸国の致命率は、タイムラグを考慮した場合、ほとんどの国で1%以下まで低下し
ている。5月には、グループ平均でほぼ6%だった致命率が1.3%まで低下した。
・そうしたなかで、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアの3ヶ国は依然として5%~4%
の範囲にあり、EU内にあっては致命率が高い状況が続いている。
以下は感染と死亡の3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
出典:青山貞一・池田こみち・鷹取敦
第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
注)G7・G20に属さない先進国(アイルランド、スイス、ニュージーランド)
(6)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第七回
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第七回目報告である。
・この3ヶ国の平均は4ヶ月の間に4.6%から3.8%へと約1ポイント低下している。
・アイルランド、スイスともに9月に入っても6%~4%と全体の平均値(3.2%)よ
り高く推移している。
・ニュージーランドは当初から感染拡大を押さえ込んことにより、低い数値で安定し
ている。
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(6)-2 3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
・今回9月16日のタイムラグを考慮した致命率を見ると、アイルランドは大幅に改善
し0.5%、スイスも0.6%と低くなっている。ニュージーランドは9月16日時点で死者
数は25人、そのうち、23人は6月以前に亡くなっていたため、ERIによるCFR調査開
始前の死者数であったため、これまで0%で推移していたが、8月中旬から感染者が
再び増加し始め、9月に入り3名が死亡している。そのため、最新の調査によるCFR
が2.4%まで上昇した。
以下は感染と死亡の3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
出典:青山貞一・池田こみち・鷹取敦
第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
下図は、各国の日ごとの感染者数、死亡者数を示したものである。左の黄色いグ
ラフが感染者数の推移、右の白いグラフが死亡者数の推移を示している。横軸は
経過月日、縦軸は人数で国毎にスケールが異なっているので注意が必要。
出典:ジョンズ・ホプキンス大学 Covid-19 World Map Webサイトより 2020年9月17日~18日時点
出典:Johns Hopkins University
(7)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第七回
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第七回目報告である。
・BRICS諸国のこの間の致命率の平均値は3.7%から2.8%へと1ポイント低下している。
・BRICSのうち、感染発祥地である中国では、早期に感染が抑えられたため、この間は
5.5%から5.2%へとわずかな改善で推移している。
・ブラジルは、この間6.8%だった致命率が3.0%まで改善しているが、感染者数が依然と
して日々3~4万人ペースで増え続けていることがその背景となっている。
・インドは依然として右肩上がりに感染者数、死者数が増え続けている。
・ロシアは7月にピークとなっているが、その後も十分に下がりきっていない状況が続い
ている。
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
下図は、各国の日ごとの感染者数、死亡者数を示したものである。左の黄色いグ
ラフが感染者数の推移、右の白いグラフが死亡者数の推移を示している。横軸は
経過月日、縦軸は人数で国毎にスケールが異なっているので注意が必要。
出典:ジョンズ・ホプキンス大学 Covid-19 World Map Webサイトより 2020年9月17日~18日時点
出典:Johns Hopkins University
(7)-2 3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
・3週間のタイムラグを考慮した場合、BRICS諸国の平均CFRは4.5%から2.0%へと
2.5ポイント低下した。
BRICS諸国はインド、ブラジル、ロシアが感染者数の上位2位~4位を占めている。
・この期間(5月~9月)ロシアがほぼ2%前後で推移しているのに対して、その他の
国々では6~7%台だったものが2%前後へと低下している。
グラフからも分かるようにこれらの国々では、感染者数増加のピークの時期はそれ
ぞれずれているものの下げ止まらず、CFRは低下しても引き続き感染拡大に注意が
必要である。
以下は感染と死亡の3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
出典:青山貞一・池田こみち・鷹取敦
第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(8)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第七回
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第七回目報告である。
・ASEAN諸国のこの間の致命率の平均値は2.1%から1.5%へとわずかに低下しているが、
7月中旬から横ばいの状態が続いている。
・フィリピン、インドネシア、ミャンマーの三か国は右肩下がりに低下しているが、フ
ィリピン及びインドネシアでは感染者数が増加傾向を示しているため、致命率が低下
している。
・タイ、マレーシア、ブルネイは1~2%程度で横ばいとなっており、大きな変化がない。
・カンボジア、ラオス、ベトナムなどのインドシナ半島諸国は志望者0が続いていたが、
ベトナムで8月に入り死亡者が確認され致命率が右肩上がりに上昇している。
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
下図は、各国の日ごとの感染者数、死亡者数を示したものである。左の黄色いグ
ラフが感染者数の推移、右の白いグラフが死亡者数の推移を示している。横軸は
経過月日、縦軸は人数で国毎にスケールが異なっているので注意が必要。
出典:ジョンズ・ホプキンス大学 Covid-19 World Map Webサイトより 2020年9月17日~18日時点
出典:Johns Hopkins University
(8)-2 3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
・ASEAN諸国では、この4ヶ月の間にCFRの数値が大きく上下に変動している。5月
に1.8%だったものが7月後半には6%まで上昇、8月に一旦低下したが、9月に入っ
て再び3.6%まで上昇している。
・こうした変動の背景には、7月末にはベトナムで初めて死亡者が確認され、また、
9月に入って、ミャンマーで死者が急増したことが報告されたことにより、これ
らの国々で一気にCFRが上昇したことが挙げられる。。
出典:青山貞一・池田こみち・鷹取敦
第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(9)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第七回
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第七回目報告である。
・このグループの4ヶ月の平均CFRは4%から2.6%へと1.4ポイント低下した。
・最も高い数値で推移したのがハンガリーであったが、8月から9月に掛けて大きく
減少し1/2以下となった。ピークは7月で、14%だったものが、9月に入って、約
5%まで低下している。
・多くの国でグラフは右肩下がりであるの対して、ブルガリアは7月中旬までは下が
っていたが、8月以降再び僅かに上昇しており、また、アルメニア、アゼルバイジ
ャン、ロシアなどで僅かながら右肩上がりとなっている。
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
下図は、各国の日ごとの感染者数、死亡者数を示したものである。左の黄色いグ
ラフが感染者数の推移、右の白いグラフが死亡者数の推移を示している。横軸は
経過月日、縦軸は人数で国毎にスケールが異なっているので注意が必要。
出典:ジョンズ・ホプキンス大学 Covid-19 World Map Webサイトより 2020年9月17日~18日時点
出典:Johns Hopkins University
(9)-2 3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
・タイムラグを考慮した場合には、グループのCFRの平均が4.7%から1.9%へと
3ポイント減少している。
・クロアチア、ブルガリア、ルーマニアでは、6月中旬までの致命率が高いが、
ハンガリー、セルヴィアなどでは7月に入って高くなっており、地域によって
傾向が大きく異なっている。
・最も大きく変化したのはクロアチアで17%から1.7%へと1/10まで改善して
いる。
・多くの国で9月に入ってCFRは2%以下となっているが、ハンガリー、ルーマニ
ア、ブルガリアなどでは4~5%と高い数値となっている。
以下は感染と死亡の3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
出典:青山貞一・池田こみち・鷹取敦
第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(10)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第七回
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第七回目報告である。
・北欧諸国においては、この4ヶ月間で累積のデータに基づくCFRが5.1%から3.2%
まで概ね2ポイント改善している。
・このグループでは、特段の対策を講じないという独自路線をとってきたスウェーデ
ンの改善が著しく13%から7%にまで6ポイント低下している。
・他の国々は安定した推移となっている。
最も感染者数、死者数が多かったスウェーデンと、最も少なかったアイスランドの日
ごとの感染者数と死者数のグラフを以下に示す。
また、フィンランドは7月から8月に掛けて上昇傾向を示していた。
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
下図は、各国の日ごとの感染者数、死亡者数を示したものである。左の黄色いグ
ラフが感染者数の推移、右の白いグラフが死亡者数の推移を示している。横軸は
経過月日、縦軸は人数で国毎にスケールが異なっているので注意が必要。
出典:ジョンズ・ホプキンス大学 Covid-19 World Map Webサイトより 2020年9月17日~18日時点
出典:Johns Hopkins University
(10)-2 3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
・3週間のタイムラグを考慮した場合には、グループの平均が3.1%から0.4%へ
と大きく減少していることがわかる。
・スウェーデンは8%から0.6%へと減少、フィンランドは7月から8月にかけて
上昇したものの、9月に入り0.8%へと低下している。
以下は感染と死亡の3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
出典:青山貞一・池田こみち・鷹取敦
第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(11)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第七回
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第七回目報告である。
・中南米諸国のCFR平均値は、この4ヶ月ほぼ横ばいで3.7%~3.3%と
僅かな減少に留まっている。
・致命率が最も高いのは9月に入っても10%を超えているメキシコである。
・多くの国で7月上旬に一旦低下したものが再び上昇に転じている。
・ブラジルは世界第三位の感染者数を出しており、相対的にCFRが低くな
っているが8月から9月にかけて改善が見られていない。
・ボリビア、ペルーなどで7月以降上昇傾向が続いている。
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
下図は、各国の日ごとの感染者数、死亡者数を示したものである。左の黄色いグ
ラフが感染者数の推移、右の白いグラフが死亡者数の推移を示している。横軸は
経過月日、縦軸は人数で国毎にスケールが異なっているので注意が必要。
出典:ジョンズ・ホプキンス大学 Covid-19 World Map Webサイトより 2020年9月17日~18日時点
出典:Johns Hopkins University
(11)-2 3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
・中南米諸国のCFR平均値は、この4ヶ月ほぼ横ばいで3.7%~3.3%と
僅かな減少に留まっている。
・致命率が最も高いのは9月に入っても10%を超えているメキシコである。
・多くの国で7月上旬に一旦低下したものが再び上昇に転じている。
・ブラジルは世界第三位の感染者数を出しており、相対的にCFRが低くな
っているが8月から9月にかけて改善が見られていない。
・ボリビア、ペルーなどで7月以降上昇傾向が続いている。
以下は感染と死亡の3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
出典:青山貞一・池田こみち・鷹取敦
第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(12)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第七回
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第七回目報告である。
・アフリカ諸国のこの間の平均CFRの推移は、5月中旬に4.1%だったものが2.6%
まで低下しているが、6月下旬からは横ばいの状態となっており、劇的な減少とは言えない。
・G20やEUなど先進諸国と異なり、グラフは単調な右肩下がりとなっておらず、山型であっ
たり、一旦低下して再び増加しているパターンが多くなっている。
・アルジェリア、モーリタニア、マリ、チュニジア、ナイジェリアなどは右肩下がりとなって
いるが、それ以外の国は一旦低下したものが再び増加に転じている。
・9月に入っても依然としてCFRが高いのはマリ、エジプト、スーダンなどとなっている。
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
下図は、各国の日ごとの感染者数、死亡者数を示したものである。左の黄色いグ
ラフが感染者数の推移、右の白いグラフが死亡者数の推移を示している。横軸は
経過月日、縦軸は人数で国毎にスケールが異なっているので注意が必要。
出典:ジョンズ・ホプキンス大学 Covid-19 World Map Webサイトより 2020年9月17日~18日時点
出典:Johns Hopkins University
(12)-2 3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
・タイムラグを考慮した場合には、中東地域全体の平均値は6.8%から3.0%
へとほぼ半減している。
・イエメンのCFRは55%だったものが16%まで低下しているが依然として高
い値となっている。
・シリア、イランともに7月に比べて9月に入ってからのCFRは5%前後に
下がってきている。
・その他の国は低く維持されているが、ヨルダンについては、8月中下旬の
CFRが極端に高くなっていた。
以下は感染と死亡の3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
出典:青山貞一・池田こみち・鷹取敦
第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
(13)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第七回
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第七回目報告である。
・中東諸国の平均CFRは5月から9月の4ヶ月の間、3.2%から3.6%へと
わずかに上昇した。その原因はイエメンのCFRが極めて高いこととと
もに、シリア、イランなど政情不安の国々でのCFRが下がらないこと
によると思われる。
・レバノン、トルコ、イスラエル、ヨルダン、UAEなどは次第に低下し
低く維持されている。
出典:青山貞一・池田こみち
第七回 致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
下図は、各国の日ごとの感染者数、死亡者数を示したものである。左の黄色いグ
ラフが感染者数の推移、右の白いグラフが死亡者数の推移を示している。横軸は
経過月日、縦軸は人数で国毎にスケールが異なっているので注意が必要。
出典:ジョンズ・ホプキンス大学 Covid-19 World Map Webサイトより 2020年9月17日~18日時点
出典:Johns Hopkins University
(13)-2 3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
・タイムラグを考慮した場合には、中東地域全体の平均値は6.8%から
3.0%へとほぼ半減している。
・イエメンのCFRは55%だったものが16%まで低下しているが依然と
して高い値となっている。
・シリア、イランともに7月に比べて9月に入ってからのCFRは5%
前後に下がってきている。
・その他の国は低く維持されているが、ヨルダンについては、8月中
下旬のCFRが極端に高くなっていた。
以下は感染と死亡の3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移
出典:青山貞一・池田こみち・鷹取敦
:第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率(CFR)による世界各国・地域別 COVID-19リスク総合評価 2020-9-16
全体まとめ
北半球では、当初の予想に反して、夏休みに第二波に襲われた国が多く見られ
た。結局収束の兆しが見えないまま、夏が終わり、秋にさしかかり、インフルエンザ
の時期と重なって再び感染が拡大するのではと危惧されている。実際、9月に入っ
て、経済活動の再開に伴い、ヨーロッパ諸国、アメリカ国内、中南米、アジア諸国に
おいて、感染は拡大し続けている。日本もその中に含まれる。スペインでは9月に
入り、1日の感染者数が4000人を超え、再び規制強化、自粛拡大へと舵を切った。
世界全体では、7月以降、一日の死者が1万人に迫る日が数日報告されている。
一方では、新型コロナウィルスのワクチン開発や特効薬開発を巡り各国の利害が
ぶつかり合い、政治的な判断からの「コロナ対策」が社会における人々の分断を加
速化させている。昨今のマスクをめぐるトラブルもその一つと言える。
5月から4ヶ月にわたり、概ね3週間毎に継続してきた世界のCFR調査から、感染
者数、死亡者数の推移を見てみると、多くの国々で一旦収束したかに見えても再び
ウィルスは猛威を振るい感染を拡大させていく実態が見て取れる。発展途上国を中
心に、一部の国では、致命率も下げ止まり依然として厳しい状況が続いている。ワク
チンも特効薬も未だ開発半ばであり、先進国でも医療従事者の努力によりなんとか
致命率を下げている今の危うい状況が見えてくる。
こうした状況をデータから冷静に見極め一人一人がどのような日常を過ごすべきか
を考え判断することが今まさに問われている。欧米や日本のような国々では極端な規
制や自粛対策が経済の停滞を引き起こし、感染症ではなく社会経済的困窮から人を
死に追いやることが多くなることから、各国のリーダーは一層難しい舵取りが求められ
る。
繰り返しになるが、これまで分析してきたように、人が感染を免れるかどうかは、それ
ぞれの暮らす国や地域の政治力(政治家のリーダーシップ)、行政力、科学技術力、社
会経済力など様々な要因によって大きな違いがあることがはっきりしている。経済力だ
けではウイルスには勝てない。 ウイルス自体がその遺伝子配列を変えながら変異し続
け、人や物とともに飛行機や鉄道などに乗って世界を移動し、人から人へと感染が広が
るなか、如何に感染を防げるか、死に至らずに済ませられるか、社会の一員として生活
が維持できるか、まさに、人間の総力が試される時と言えるだろう。
地域別、年齢別、社会的な背景など細かく見ていくと、戦争状態にある地域、高密度な
都市部や貧困層が集中する都市部周辺地域、高齢者施設などが高リスクであることが
共通の認識となっているが、ここまでくると、一般の人々、若者や壮年層など社会経済を
支える年代層も決して感染から免れることはなく、人々の日常的な生活の場(食事、会合、
娯楽、移動など)からも容易に感染することがわかってきている。
もう一度、一人一人がいかに感染率(陽性率)を減らすことができるか、万一感染しても
人に感染させないようにするにはどうしたらいいのか、また、重症や死に至らないようにす
ることができるか、データをしっかり分析しわかりやすく市民に示しながら、進むべき道、と
るべき対策を示すリーダーシップが求められる。
ひとたび感染した場合には、急速に重篤化して死に至ることも考えられること、また、若
年層であっても深刻な後遺症を引き起こすこともあることなどから、引き続き、医療体制の
拡充と維持を最優先に取り組む必要がある。 多くの国で3月から9月の間に感染の山が
繰り返されているが、アメリカで最初に感染の大波を被ったニューヨーク州では4月中旬に
大きな山の峠を越えて以降、徹底した検査と感染者の追跡により二つ目の山ができるのを
阻止している。感染率は1%以下に維持され、入院患者数、重傷者数も減少し続け、まさに
市中感染をコントロールしている。そうした地域の取組、リーダーの姿勢から真摯に学ぶ
ことも大切である。
日本ではまさに新内閣が「コロナ対策」を最優先に掲げている。どのような政策が打ち出
されるのか注視していきたい。
参考図:添付はニューヨーク州の6ヶ月間の歩み 入院患者数の推移
3月16日~9月16日まで
出典:ニューヨーク州クオモ知事のニュースリリースより
◆解説 COVID-19リスクの調査評価指標
本調査の目的は世界各国。地域、経済グループ等を対象に、致命率(CFR:死亡者数/感染者数)を
明らかにすることである。
本稿では、致命率(CFR: Case Fatality Ratio)をCOVID-19感染がもたらすリスクの代表的な
指標として、総合評価を行うこととした。それは、単なる感染者数、死亡者数だけでなく、感染者がそ
の国、地域で死に至った背景、具体的には、今回のようなパンデミックに対応できる救急搬送体制か
ら病院数・病床数・医療設備・医師・看護士などの医療リソースの充足度、また、医療体制の有無、さ
らには国や自治体のリスク管理政策の妥当性など、如何に死者を減らせるか、医療崩壊に至らずに
済むかを反映した指標であると考えたからである。
なお、CFRが10%の場合、感染者100人の場合、10人が死亡者となる。CFRが5%の場合は、感
染者100人の場合、5人が死亡者となることになる。
その結果、これまで分からなかったCOVID-19がもたらす「医療に関するカントリーリスク」についての
国際比較が可能となりつつある。
以下は致命率とは何かの説明である。
まず、類似の指標として死亡率があるが、致命率と死亡率との関係は以下の通りである。分母が罹患
数の場合が致命率、分母が人口の場合が死亡率である。ここでは、世界各国のCOVID-19に感染した
人を対象としているので、致命率となる。
<用語解説>
致命率 (CFR: case fatality rate) は、疫学において特定の疾病に罹患した母集団のうち、その感染が
死因となって死亡する割合。致命率は通常、%で表されリスクの測定値を表す。
なお、致命率は英語ではCase Fatality Ratioであり、略称CFRである。致命率が、10%の場合、
感染者の10人に1人が死亡数、5%の場合、20人に1人の場合の死亡数となる。
CFRはさまざまな目的に援用できるが、これが増えるのは、総じて死亡者が増加することの警報
である。
CFR(致命率)は、各国の救急搬送(ネットワーク)、救急医療、病床数、院内リスク管理体制、医師・看
護数、既往症・持病者対応、高齢者対応など院内感染、医療崩壊に通ずる重要な観点の総合指標と言
える指標である。
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