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ミネアポリス・
セントポール探訪


青山貞一 Teiichi Aoyama 
池田こみち Komichi Ikeda  


独立系メディア E-wave Tokyo  

June 13  2001

無断転載禁




ミネソタ州旗                     

<はじめに>

 2001年夏、ミネソタ州の農村部のノースフィールドにある学園都市にいる友人(福井秀夫さん、現在、政策研究大学院大学教授)に会にでかけた。

 米国は10数回でかけているが、ミネソタ州ははじめてだ。そのミネソタ州は広大な農地と15,000ヶ所に及ぶ湖でも有名である。ミネソタはカナダに国境を接しているだけでなく、米国の中西部の内陸に位置しており、冬はマイナス20度以下にもなる厳寒の地である。日本なら北海道の稚内より北になるらしい。



ミネアポリスの位置  出典:グーグルマップ

  以下は、ミネソタ州の2つの都市、ミネアポリスとセントポールの位置関係である。両者はバスで20分ほどで行き来できる。


ミネアポリスとセントポールの位置関係

 今回の旅は真夏であり、日中は30度を超す気温となったが、やはり日によっては朝夕は涼しいと言うより寒くなることもある。

 旅の主目的として訪問したのは、ミネソタ州のミネアポリスやセントポールなどの大都市から南に車で1時間弱行ったところにあるノースフィールドと言う農村部の学園都市である。この町は、1876年にジェーシー・ジェイムスの一団が銀行強盗に入った銀行があるまちとしても有名である。


現在のミネアポリス市街地中心部


ミネアポリスの超高層ビル



ミネアポリス市役所

 このノースフィールドには友人のいるセント・オラフ・カレッジ(St.Olaf College)ともうひとつカールトン・カレッジ(Carleton College)がある。いずれも全米有数の大学だが、とくにセント・オラフは、社会科学とともにオーケストラや声楽など音楽で全米的に有名である。

 ノースフィールド行きの前後,ミネソタ州の大都市ミネアポリスと州都セントポールに立ち寄った。両都市はツインシティーと呼ばれている。

 以下はその探訪記、写真もごらんいただきたい



ミネソタの典型的な農村風景、広大な農地が続く

ノースフィールドのセント・オロフ・カレッジにて


ノースフィールドの川岸


<巨大ハブ空港のミネアポリス・セントポール空港>

 ミネソタ州ミネアポリス・セントポール空港へは、日本からノースウェスト航空だけが直行便を出している。残念ながら今回、行きは直行便がとれず、サンフランシスコ経由となった。


巨大ハフ空港 ミネアポリス・セントポール空港


巨大ハフ空港 ミネアポリス・セントポール空港

 廉価版の航空運賃は季節,日時により異なるが、今回6月29日成田発の往復便で9万円であったが直行便で6万円台の航空券もあった。日本からの所要時間は直行便で約13時間、サンフランシスコ経由だとトランジット時間を含め16時間近くなる。

 ミネアポリス・セントポール空港は、ノースウェスト航空のハブ空港となっているだけあって空港にはノースウェストの飛行機がたくさん駐機している。実に巨大な空港である。ハブ空港の空港ビル内も広く、ゴルフ場などで使われるような電気自動車がコンコースを行き来していた。

 ところでこの空港に降りて驚いたのは、国際線、国内線を問わず空港内が遊園地みたいな遊び場となっていて、航空券がなくともセキュリティーチェックさえ通れば誰でも随時入れることだ。実際、老若男女空港に入って食事やショッピングで楽しんでいるようだ。どう見てもでかけるひとや送迎と関係なさそうなひとがたくさん遊んでいる。

 実際、飛行機からエプロン経由で空港ビルに入った途端に、出迎えのひとびとがたくさんいる。成田や羽田なら大きな荷物のチェック(Baggage Claim)以降でないとこのような光景はありえないが、この空港では飛行機から降りた途端に多くの送迎客に出くわすことになる。
 アメリカでよくもまぁこれでセキュリティーが保たれていると感心した。

空港からミネアポリスのダウンタウンに向かう途中の遠景

<空港からミネアポリスのダウンタウンへ>

 ースウエストのハブ空港ミネアポリス・セントポール空港からミネアポリスのダウンタウンまでは、タクシーで15分程度、リムジン・バスでも20数分と近い。料金はタクシーで25ドル程度、リムジン・バスはひとり13ドルだったので、2人以上だとタクシーの方が料金はほぼ同じだが早く到着する。これはホテルから空港についても同じである。

 ミネアポリスの中心市街地(ダウンタウン)には、昔からの古い町並みと超高層や壁面が全面ガラス張りのモダンなビルが共存している。ボストンやバンクーバーの町並みを思い出す。古い教会とガラス張りのモダンなビルがそれほど違和感がないのが不思議だ。

 ダウンタウンの規模は南北の中心は徒歩で30分ほどと小さい。新宿の超高層ビル街プラス・アルファ程度だ。ダウンタウンの北端にはミシシッピ川、南端にはミネアポリス・コンベンション・センターとローリング公園がある。

 駐車場が非常によく完備されており、20ドル以上の買い物をすると、ダウンタウンに50ヶ所以上ある立体駐車場に駐車できるとホテルでもらったパンフレットに書いてある。

ミネアポリス中心街

壁面全体が銅色のガラスで覆われたビル


壁面全体に音符があるビル

<スカイウォーク>

 ミネアポリスと言えば、都市設計家の間では,スカイ・ウォーク(Sky-walk)が有名らしい。スカイウォークはビルとビルの2階部分を渡り廊下でつなぎ、道路に降りることなくデパート、銀行、ショッピングモール、オーケストラ会場,ホテルなどを行き来できる。30年以上前からこのスカイウォークを都市計画、都市設計、建築計画に考慮してきたようだ。

 スカイウォークの南端から北端まで歩いてみた。途中オーケストラホールあり、ヒルトンホテルあり,アメリカン銀行あり、有名なデパートあり、ファーストフーズモールありとなかなか楽しい散歩だった。自分たちが宿泊している中心地のホテルまで一切道路に降りることなく行けた。迷路に入った感じもあり、歩いていて楽しい。

 スカイウォークの利点は、いくつかある。

 ひとつは冬季このミネソタ州ミネアポリス地域のは外気はマイナス10度以下となる。スカイウォークのなかは暖房もあるから外気に接することなくミネアポリスの町が歩いて楽しめる。

 二番目は、スカイウォークは出入口以外に段差,階段がない。緩いスロープはあるが身障者の車椅子などにとってはバリアーフリーとなり、中心街の行き来ができる。これもすばらしい。

 三番目は、当然のことだがスカイウォーク内は一切の自動車交通と分離されているから、安全で排ガスや騒音もなく快適である。交差点で待たされることもない。

 スカイウォークに似たものをカナダのアルバータ州カルガリーで見たが、ミネアポリスの方が格段に規模が大きい。


ニコレットモールをまたぐスカイウォーク上での池田


古いビルと新たなビルも2階がスカイウォークでつながっている


<ニコレットモール>


 次にミネアポリスの町をを縦断するニコレットモール(Nicollet Mall)だ。

 ニコレットモールは、大都市内部の車道を狭め,両側それぞれに10m近い歩道を設けたモールである。現在では日本各地にも似たモールがあるが、その走りと言える。車道部はバス以外利用できないように交通規制している。

 モールの南端近くにはオーケストラホールがあり、みどりと水辺の市民公園があり市民の憩いの場となっている。たまたま独立記念日に近かったこともあり、生のジャズバンドがでて演奏し、市民が聞いていた。この種の公園と言うかスクウェアーは欧米諸国にはどこでもあるが、ミネアポリスではニコレットモールとスカイウォークの始点にこのスクウェアーがあるのがよい。


ニコレットモール南端にある市民広場

      
モールのIDSセンター入り口
ニコレットモールの中心部地図

  ニコレットモールには、有名なデパートやブティックがある。モールの中心にIDSセンターと言って総ガラス張りのオウディトリウムがある。オウディトリウムはやはり総ガラス張りの40階以上ありそうな超高層ビルとも連結している。

 現在日本にも似たものがあるが、ここのオウディトリームと超高層の連携はその走りのようだ。IDSセンターのなかには事務機器ショップ、銀行、ミネソタの土産屋、ベルギーの有名なチョコレート屋、アウトレット衣料品店、ファーストフーズ、レストランなどがある。その2階はスカイウォークに連結しており、スカイウォークを通じてミネアポリス内を縦横無尽に歩ける。


ニコレットモール


ニコレットモールの一画

 ニコレットモールは、日祭日には広い歩道に果物や野菜などの出店がでる。

 また毎日夕方ともなると広い歩道にフランス並のカフェがでる。わたくしたちは、初日,ニコレットモールにある,マコーミックと言う魚介類専門のレストランに入ってみた。

 ご当地の生ビール2ハイ、蠣のシチュー、シュリンプと野菜のサラダ、ジャンバラヤと言う肉・魚貝が入ったエスニックチャーハンをとった。量は多く2人ではたべきれないほど、味もアメリカでは上々であった。勘定は2人で3000円ちょっとであった。ミネソタ州に1年在住する友人によると、ミネソタの食事はどうしようもないとのことだが、それほど悪くもない。

 そう言えばニコレットモール中程にある気の利いた書店がある。その片隅に今をときめく「Starbuck's」があった。ここで2日目のブランチをとった。本場のスターバックスのコーヒーはサンフランシスコ空港でも相当の量で50セント(100円以下)だが、ここでも美味しいコーヒーとターキーのサンドウィッチを頂いた。10分ほど焼いてくれたこのターキーのサンドウィッチは格別だった。

 ところでニコレットモールの北端はミシシッピー川に接している。世界一長いミシシッピ川は何と,カナダに接するこのミネソタ州まで伸びているのだ。ミシシッピ川を渡って少し行くとミネソタ州の州都,セントポール(St.Paul)に行き着く。ここには州議会議事堂はじめ官庁街、古い町並みが残っている。



モール北端のミシシッピ川



モールにあるCITYと言うビルの内部


<ミネソタ州都セントポール>

 たまたまわたくしたちは米国独立記念日の7月4日にセントポールにいた。

 ミネアポリスは静まり返っていたが、一方、州都のセントポールは州議会議事堂を中心に市民が盛り上がっていた。州議会議事堂周辺には沢山の出店がでて、生バンドの演奏がでて市民が楽しんでいる。他方、州議会議事堂は市民に全面開放されていた。



セントポールの州議会議事堂


セントポール大聖堂

 わたくしたちは説明付きの州議会議事堂と州最高裁の見学コースに参加した。これが結構楽しかった。上院本会議傍聴席に居た説明委員に伺ったところ、ミネソタ州議会議員の報酬は何と年収で400万円ちょっとだった。日本の国会議員や県、市議会議員報酬はその4倍から6倍もある。

 このツアーは何かと、今後の日本の立法府改革を考えさせられた。



米国独立記念日のミネソタ州議会議事堂前での池田さんと福井秀夫さん



<カールトン大学訪問雑感>

 ミネソタ州ノースフィールドにはセント・オラフ大学ともうひとつカールトン大学がある。国道を挟んで両大学はそれぞれ丘の上から静かに町を見下ろしている。

 カールトン大学の方が少し規模がちいさく、学部の教育に力を入れている。キャンパスは大きく育った椎や樫の木と芝生の緑に覆われ、レンガ作りの古い佇まいの建物とともに、近代的な図書館などがゆったりと配置されている。ちょうど夏休みでもあり、学生の姿はほとんど見られなかったが、9月からの新学期に供えて大学見学に訪れる親子連れなども姿もちらほら見られた。学生課では、上級生と事務局員が1時間ごとにキャンパスツアーとして訪問者を案内するサービスも行われていた。

 静かなキャンパスにはかわいらしいリスが遊んでいる。人の気配に気づいても逃げようとしないおっとりした性格のリスで、この大学の学生や教職員たちがキャンパスの自然を大切にしていることを感じさせる。

 事務室を尋ねて特徴を聞いてみると、この大学では寮も完備しており、多くの学生たちは大変勉強熱心とのこと。日本と違って大学のまわりは静かな住宅地で繁華街や歓楽街もなく、勉強するしかない環境だからだろうか。環境に関する教育内容は、やはり自然環境の保全や自然との共生などをテーマとしたものが多いとのこと。

 日本の大学では、どことなく薄汚れたけだるさ、退廃的な雰囲気、世捨て人的な緊張感のなさが感じられるところが多いが、カールトン大学のキャンパスを歩いていると、教育・学問のための環境が整えられていて、さわやかな緊張感がみなぎっているのが心地よい。こんなところでゆっくりと学生たちと議論してみたいものだ、と思ったのは私だけではないと思う。



ノースフィールドの中心市街地


カールトン大学校舎


現在のミネソタ大学セント・オロフ校の一部

 ミネソタではリスやウッドチャックをあちこちで見ることができます!


カールトン大学キャンパスのリス

 下はミシシッピー河畔でよく見ることができるウッドチャック