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最終講義の冒頭に流した独立系メディア E-wave Tokyoのタイトルバック。画面をクリックしてください! 出典:動画作成 青山貞一 You Tube ●大学卒業直後 1970年、大学を卒業した頃、環境問題、戦争問題に最初に関心を抱いたのは大学時代のベトナム戦争問題と後のダイオキシン汚染問題であった。 前列真ん中は写真ジャーナリスト、ベトナムに30回以上行っている中村悟郎さん。私の公共政策論のなかでベトナム戦争とダイオキシン汚染を講演していただいた後のスナップ写真。後列左から二人目は、環境総合研究所のパートナー、池田こみち。 映画、地獄の黙示録のエントランスにもなった米軍ヘリ軍団の写真 ホーチミン市の戦争証跡博物館に展示されていた胎児のホルマリン漬け 電気通信学部という工学系大学を卒業した後、アジア経済研究所の関連組織に就職した。さらに数年後、朝日新聞に掲載されていたローマクラブ日本事務局の求人広告を見て、試験を受ける。幸い、100倍近い倍率を突破しローマクラブ日本事務局に9年間在籍する! 私が9年在籍したローマクラブ。1973年に開催した東京大会のスナップ写真。左の写真は日立製作所の駒井会長夫妻と青山妻(淑子)。右はユーゴスラビアから参加したメサロビッチ教授と青山。 ローマクラブの「成長の限界」における標準モデルのシミュレーションを見ると、21世紀前半から半ば、すなわち現在から近未来にかけ地球規模の危機が来るとされている! ローマクラブの「成長の限界」では、仮にエネルギー資源が無尽蔵の場合でも、21世紀前半から半ばにかけて地球規模の危機が来ると予測している! ローマクラブの「成長の限界」報告は、システムダイナミクスを用いた将来シミュレーションのなかで、仮にエネルギー資源が無尽蔵にあった場合でも、世界は汚染で破滅する、ということを前提にしていた。ローマクラブ報告におけるこの人類の危機の到来時期は、21世紀の中頃だ。物質的欲望の限りを尽くしてきた先進国だが、ここで本気で悔い改めないと、持続可能な社会どころかとてつもない危機に陥ることになろう!。 先進諸国は、世界中の資源、食料、エネルギーを収奪、馬鹿の一つ覚えのように「成長戦略」ばかりを唱えてきた。先進各国の行く末は、今回の福島原発事故で見えてきたような気がする。 私は、「時すでに遅い」と思っているが、今後、私たちがいかにして物質的成長主義から脱却し、定常状態の経済、持続可能な社会を構築するかが問われる! 1970年代前半、しょっちゅう仕事で海外に出かけていた。あるとき野村かつ子(故人)の勧めもあり、海外に行くときは必ず現地のNPO/NGOを訪問するようにした。 欧米で見たものは、民主主義を機能させるためNPO/NGOの存在であり、そのためのアドボカシー活動であった! その後、青山は多くのNPO/NGOを設立し、また弁護士と一緒にそれらの活動を訴訟を含め徹底支援してきた。 すでに設立から20年経つ環境行政改革フォーラム。 設立からすでに10年以上経つゴミ弁連。 設立し、すでに15年以上経つ、政策学校一新塾。 日本でNPO活動をする上での大きな課題は財政基盤であった。青山は株式会社でNGOを設立(環境総合研究所)し、自前のさまざまな技術さらに海外機関との連携によって社会変革を実践するとともに、活動の財政基盤を構築していった! この写真は設立5周年記念パーティーでのもの。研究スタッフはご覧のように女性ばかり。 群れず孤高の「チーター」が環境総合研究所のマスコット? 途中から鷹取、斉藤も加わった! 鷹取敦は早稲大学大学院理工学研究科卒の傑出したコンピュータプログラミング技術者だ。斉藤真実は大学時代に物理学、大学院時代に環境倫理学、卒業後は国会議員の秘書の希有ですばらしい経歴をもっている。 設立当初はインターネットがない時代、すぐに自前のパソコン通信ネットワークを開設、「E−NET」と命名し、池田が管理を担当した。 環境総合研究所は、高度なニッチを戦略目標とし、ひとがしないひとが出来ないことをやってきた。環境政策、立法支援、環境計画などの政策立案に加えて、環境関連のソフトウェア、それも25年前からパソコン上で稼働する各種の環境シミュレーションシステムを開発してきた。 とりあわけ力を入れたのは、パソコンでスーパーコンピュータしかできないとされたシミュレーションを高速で計算し、グラフィック表示するシステム開発である。この分野は、青山、鷹取に加え、環境総合研究所大阪代表の大西行雄が参加した。大西は、京都大学大学院時代、乱流拡散をテーマに理学博士号を取得し、その後、京大防災研究所、琵琶湖研究所を経由し、青山・池田と連携し環境総合研究所大阪を設立した。 圏央道裏高尾ジャンクション大気環境シミュレーションの一部。従来の予測はきわめて現実離れした非科学的なものである。この事例は裁判に発展した。 東京都日の出町の最終処分場から飛散するダイオキシン類のシミュレーションの一部。この事例も行政、民事を問わず多くの裁判に発展していった! 湾岸戦争時のペルシャ湾潮流シミュレーション。このシミュレーションは、東京、大阪の環境総合研究所で同時に行われた。このとき使った250万円したワークステーションの速度は、現在、本体価格5万円以下で売られているパソコンより遅い。 湾岸戦争の環境への影響調査では、シミュレーションとともに現地調査も次々に行い、テレビ局が順次報道した! ビデオ映像 ビデオ映像 パソコン技術の進歩はめざましい。それらの成果をすぐにシミュレーションに投入! パソコンのハードウェア開発にも全力を投入してきた! 上の写真は現在使っている最新CPU、Intel Core i5 2500K、CPU本体価格は1万7千円のものだ。 このシミュレーション技術は福島原発事故後の放射性物質のシミュレーションでも使われた! 1990年代後半、日本はゴミ焼却に伴うダイオキシンはじめ有害化学物質問題が大きな社会問題となった。しかし、日本の民間分析会社は、行政の仕事が中心であり、NPO/NGOなどから依頼にほとんと対応していなかった。 ダイオキシン分析や有害物質分析は、カナダ大使館の仲介もあり、カナダ・トロント郊外にあるマクサム社にアウトソーシングすることにした。マクサム社は現在、カナダ随一の規模をもつ分析会社だ。世界でも有数の民間分析機関である。私たちのためにトロント郊外に高分解能のGC/MSを一台設置してくれた。 これにより、自前のシミュレーション技術とマクサム社の分析技術の有機的連携によって、新たな環境問題解決のための糸口ができた。1999年秋のことである。 その1999年頃、所沢市には数10の産廃焼却場が林立、その煙突から出るダイオキシン排ガスにより農地の葉菜が著しく汚染されていることが農民がもってきた野菜と煎茶を分析し分かった。いずれもEUの出荷停止基準を超えていた!! 野菜やお茶がダイオキシン類で汚染されている事実がニュースステーションで報道され日本中を揺るがす大きな社会問題となった! このころ青山は衆議院、参議院の環境委員会さらに予算委員会に招聘され、大気汚染、ダイオキシンなどに関連する環境法制定について意見を求められるようになる。上の写真は1999年3月の参議院通常国会の予算委員会で政策提言しているところである。 所沢ダイオキシン汚染問題では、一部農民が「ほうれん草やお茶が売れなくなった」として、テレビ朝日と環境総合研究所に民事訴訟を提起した。 もとより、国、県が調査し、データを公表し、対策すべきなのに、何もせず、汚染を危惧する農民が研究所に分析を依頼してきた。分析したところ葉菜から高濃度のダイオキシンが検出され、それをテレビ朝日が報道したのが事実であり、テレビ局や研究所を訴えるのは、本末転倒であると思える。 研究所は、一審(さいたま地裁)、二審(東京高裁)、三審(最高裁)ともに、勝訴した! 上のパワーポイントは最高裁から送致された最終勝訴を知らせる判決正本の一部である。 講義2につづく |