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「東京五輪は新型ウイルスで中止になるのか?」
(BBC日本語記事)にコメントする


青山貞一 Teiichi Aoyama
東京都市大学名誉教授・環境総合研究所顧問

掲載月日:2020年3月7日
 
 独立系メディア E-wave 無断転載禁


  BBCスポーツ編集長が解説  BBC日本語との関連で
,  https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-51763747


世界各国における新型コロナウイルス(COVID-19)の感染状況
2020年2月6日 12時01分
出典:NHK

◆ことの初めから疑惑だらけの東京五輪開催

 最初に申し上げたいのは、そもそも東京五輪は、その船出において安部首相が「福島原発事故はアンダー・コントロール」という大嘘をついたところから既に疑問だらけだったということだ。。この時点で、多くの日本人は東京開催に大きな疑義を感じていた。

 またフランス司法当局が五輪の東京誘致に関連し多額のワイロが流れた可能性を指摘し、捜査を進めるなど、疑惑が広がったままとなっている。まだ最終結論が出ていない。

 さらにはトライすらイアスロン実施場所のお台場には 未処理の下水が流入するため、大腸菌汚染が基準値を大幅に上回っており実際品川駅界隈では、港南口だけでなくプリンスホテルがある高輪口でも臭い。(以下を参照のこと)
                       
 注)私達の研究所はある時期、品川駅前の高輪プリンスホテルへの入り口に
   あったこともあり、よく品川駅前を歩いたが、何と、気温、風向、風速などに
   より異なるが、この辺りは強い汚わいの臭いがしていた。これは東京都清掃
   局、下水道局などの設備、施設問題に加え維持管理上の問題があると思え
   る。

◆ありえない熱波・猛暑下での五輪開催

 さらには東京五輪の開催時期が熱波、猛暑の真っ最中であることからさらに疑念が深まった。もとより開催時期は米国のプロスポーツの開催時期やTVの放映時間に会わせるため猛暑時期になっているという疑念すらある。。以下を参照のこと。

 注)予想される深刻・甚大な高温・熱波の影響 東京オリンピック
    青山貞一 Teiichi Aoyama
    東京都市大学名誉教授・環境総合研究所顧問(東京都目黒区)

 私はたまたまであるが、北京五輪開催時、当時東京都市大学と環境政策で共同研究していた中国の武漢大学で研究発表などがあり、武漢からの帰り北京に滞在している、また英国五輪の時は、スコットランドに行く途中、少し滞在した。いずれも熱波、猛暑問題はまったくなかったことを現地で実感している。何でこんな時期に東京五輪の開催を設定したのかについては、米国での放映時期、時間にあわせているという疑念すらある。

◆スポンサーとなり押し黙る日本のマスコミの堕落

 加えて日本の大マスコミがこぞって五輪開催のスポンサーとなっているため、新型コロナウイルス問題のみならず、開催利権問題、熱波問題などに、マスコミがまともな批判、論評を出していないことがある。これは開催地ということからか、東京新聞も「おなじ穴のむじな」である。実に嘆かわしい。今の日本には「社会の木鐸」のマスコミ(新聞、テレビ)はないと断言できる。

 もとより五輪開催は利権にみちていることは従前から指摘されているが、マスコミがスポンサーとなること、まため開催国政府が政治的威信に関わるため、、上記のような課題に加え、経済的問題を含め、一度決まると何があっても強行に走ることがとが多い。

◆日本でFIFAの大会が開催とダイオキシン汚染問題

 ちなみに、2002年、日本でFIFAの大会が開催されたとき、横浜スタジアムのすぐそばにある鶴見川の河川敷で前代未聞、基準を大幅に超過するダイオキシン類汚染が発覚した。私達は当時参議院議員だった中村敦夫氏と連携し、この問題に専門家として正面から向き合った。その一環としてNewsWeekからの取材依頼に対応した。

 具艇的には、日本で国際サッカー連盟(FIFA)主催のワールドカップが開催される時、横浜市が巨額をはたいて開発したヨコハマサッカースタジアムのそばに鶴見川があり、その河川敷から非常に高濃度のダイオキシン類、PCB、重金属類が発見されたのだ。国内最高値だが、環境庁(当時)は、土壌ではなく廃棄物に由来するものだとして、まったく対応しなかった。

 私達は事情を独立系メディア E-wave Tokyoに日本語で掲載した。すると米国のNewsWeekがすぐさま対応し、英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語などで記事をリリースした。これにFIFA事務局、イタリア、オーストラリアなどの関係者がすぐさま対応し、環境総合研究所に多くの問い合わせが寄せられた。多くは国際電話で届いたので池田こみちが英語で正確に対応した。FIFAは健康管理担当からの電話であり、本当に選手を送り出してよいものか悩んでいたのだ。


横浜スタジアムと鶴見川の位置関係  出典:グーグルマップ 

 ところがどうだろう。

 日本のマスコミや新聞、テレビともに私達が詳細な情報を送っても何の反応も問い合わせもなかったのだ。さらに現地で公開取材を受けるとしたが、来ると言ってきたのは東京新聞一社のみ、それも当日、現場に記者はこなかった。

◆新型ウイルスの世界的感染拡大との関連

 ここで肝心な新型ウイルスの世界的感染拡大との関連を指摘する。すでに実質60ヵ国以上にCOVID-19感染がミック状態になっているが、日本政府はことのはじめから甘くみていた。だけでなく、情報操作、マスコミ操作により、事実を隠蔽し、この問題を過小評価するような事態を招いていたといっても過言ではない。、

 前提として、今の日本政府は、ガバナンス、リスク管理、情報公開・トランスペアレンシーで、歴代最悪の政権によって運営されていると思う。国民が直接選んでいない安部晋三首相が、自分の保身から政権の延命を一義とし、また世界有数の経済格差をもとのもせず、巨大企業、富裕階層の利益拡大を直接、間接的に支援している。きわめて異常で不見識極まりない政府となっている。

 安倍首相は東京五輪強行のため、新型コロナが中国で蔓延しだしても、日本国内の患者数が多くなると五輪開催に影響がでるとして、検査体制、監視体制、保菌者の管理体制で失敗するだけでなく、新型コロナ関連予算で、周辺アジア諸国が一桁から二桁近く多く国家予算を取る中、約150億円で十分と公言していた。 

 ダイヤモンド・プリンセス号では、神戸大学の教授がyoutubeeで指摘されたように、政府の失敗により700名以上の感染者が出ており、それによる死亡者もいる。

 そもそも非常におかしいのは、毎日単位でのダイヤモンド・プリンセス号関連感染者を含めた日本国内の感染者数を分かりやすく公表していないことだ。してきたのは、日経新聞と朝日新聞だが、日経は合計数が非常に分かり難く、毎日単位でいちいち計算しないとわからない。

 諸外国のメディア合計数を毎日単位で公表しているなか、当事国の日本政府や全国メディアが公表しないのは、何とも異常であり、異様である。

結言

 いずれにしても、重要なことは言うまでもなく、参加する選手、また国民への実質的、精神的な影響であろう。いうまでもIOCは五輪開催地決定、世界各国への放映権などの中心となっておりいわば利権の巣窟であるとあると言ってもよいだろう。

 バッハ会長が第三者的立場で判断することを期待してはいけないと思う。もし、IOCがまともなら、安部首相の「福島原発事故はアンダーコントロール」に大いに疑義をじるはずであり、開催候補から除外しただろう。