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基準千倍超ダイオキシン
発生原因についての推察
青山貞一 Teiichi Aoyama
東京都市大学名誉教授・環境総合研究所顧問(東京都目黒区)

掲載月日:2013年9月20日

 独立系メディア E−wave
無断転載禁


 さて、ひとつの大きな問題は、かくも高濃度のダイオキシン類がなぜ生じたかです。

 ダイオキシン類は大別して3種類あり、それぞれに同族体と異性体があり、分析結果からそれらをチェックしてゆくと、DNA鑑定同様、最終的に、発生したダイオキシン類が何によるものかが分かる可能性があります。

 これについて、私の論考をご覧いただいたこの道の世界的研究者でもあります宮田秀明摂南大学名誉教授は、以下のように述べています。

> 青山先生の速報のお知らせ有難うございました。
> ダイオキシン類の毒性当量のほぼ全てがPCDFsに起因していれば、
> 原因は食塩電解工程の陽極スラッジの埋め立てによるものと思います。
>
> 宮田

 
 今後、東京都に検出されたダイオキシン類のデータの情報公開を請求し、異性体、同属体の分析を行いたいと思います。

 以下は、ダイオキシン類及び同族体と異性体についての解説です。

 ダイオキシン類には、PCDD(ジベンゾダイオキシン)、PCDF(ジベンゾフラン)それにCo-PCB(コプラナーPCB)の3種から構成されています。これらはそれぞれ多くの異性体、同属体を持っています。


出典:東京都環境科学研究所


ダイオキシン類の構造図

 PCDDとPCDFには、結合している塩素の数と位置により、合わせて16個の同族体と210個の異性体が存在します。PCBには、10個の同族体と209個の異性体が存在します。

 環境中に存在するダイオキシン類には複数の異性体が混在していますが、異性体の種類によって毒性の強さが大きく異なるため、毒性を評価するときには、最も毒性が強い2,3,7,8‐四塩化ジベンゾ‐パラ‐ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)を基準(1)として各異性体ごとに定められた毒性等価係数(TEF:ToxicityEquivalency Factor)をかけ、それらを合計した値で表します。この値を毒性等量(TEQ:ToxicityEquivalency Quantity)と言い、濃度にTEQを付記しています。

 以下は上記の説明を図にしたものです。


出典:池田こみち(環境総合研究所)
 
 以下は、東京都の用地を保有しており、東京都に用地を売った株式会社アデカの概要です。


敷地の一角にあったアデカ本社ビル 図の左上の点線の外側
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013-9-19

 以下はWikipediaに見るアデカの概要です。
株式会社ADEKA
ADEKA CORPORATION


種類 株式会社
本社所在地 116-8554
東京都荒川区東尾久七丁目
2番35号
設立 1917年(大正6年)1月27日
(旭電化工業株式会社)
業種 化学
事業内容 化学品(約70%)、食品(約30%)
代表者 代表取締役社長
中嶋 宏元(CEO兼)
資本金 228億99百万円(2009年3月31日現在)
売上高 連結:1761億86百万円
単独:1250億23百万円
(2009年3月期)
総資産 連結:1925億17百万円
単独:1539億25百万円
(2009年3月31日現在)
従業員数 連結:2697名
単独:1541名
(2009年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 日本トラスティ・サービス信託銀行
(株)
(信託口4G) 7.22%
日本トラスティ・サービス信託銀行
(株)
(信託口) 7.11%
日本マスタートラスト信託銀行(株)
(信託口) 6.93%
朝日生命保険相互会社 3.73%
(2009年3月31日現在)

アデカの沿革

1916年 - 古河合名会社(現在の古河機械金属株式会社)、東京電気
      (現在の株式会社東芝)、桂川電力(現在の東京電力株式会社)
      が中心になって東京電化工業所を設立、電解法によるか性ソーダ
      を製造。
1917年 - 株式会社に改組し旭電化工業株式会社を設立。
1919年 - 硬化油の製造開始。
1928年 - 農業薬品製造部門を分離して日本農薬株式会社を設立。
1929年 - リス印マーガリン製造開始。
1949年 - 東京証券取引所一部に上場。
1969年 - ミツワ石鹸、第一工業製薬と合同で「日本サンホーム」(
      現・P&Gジャパン)を設立。
2006年 - 株式会社ADEKAに社名変更、本社を荒川区に移転。



汚染地域の施設配置図(出典:東京都下水道局)