ここ数年、毎年のように沖縄本島にでかけている。調査や研究などの仕事ででかけているのだが、それとは別に沖縄に残された希有な自然を自分の目に焼き付け、そして記憶と写真に記録にとどめようとしている。
沖縄の自然環境やそれをとりまく海洋生態系は、世界的に見ても稀有なものであったはずだが、常軌を逸した米軍基地の存在、それに今や「常習化」している公共事業への依存症によって、次々に破壊され、見る影もない。
現在の沖縄、とくに本島で紺碧そしてマリンブルーの海や珊瑚の浜辺を見つけるのはそう容易でなくなっている。
私の「沖縄の記憶 Memory of Okinawa」シリーズでは、沖縄本当に残され同時に絶滅の危機に瀕している自然生態系や歴史文化遺産を写真を中心に紹介する。
その第2回目は、「珊瑚を壊して人工海浜」である。
2009年2月13日〜15日の沖縄現地視察で訪問した場所・機関
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■珊瑚の海を壊して作られる人工海浜
沖縄本島では南西部の海浜を中心にあちこちで海浜が見る影もなくなっている。
下の写真では敢えて近くを写さず、紺碧の珊瑚の海を行く漁船を写してみた。
陸側はどうなっているのか? 近くに何があるか?
水産庁の補助金による茶番の人工海浜があった。
いわゆる「ためにする」公共工事である。人工海浜工事によって、せっかくの沖縄の海浜は瀕死の重傷となっている。 地元で聞いたら、だれも人工海浜などにも泳ぎに行かないと。
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沖縄本島南東の珊瑚の海
撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10
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しかしその手前は不要な公共事業で人工海浜が作られ
ご覧の通り、地先は立ち入り禁止、遊泳禁止となっている
撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10
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珊瑚の海にわざわざ人工海岸を造成。水産庁所管と
南条市にあるあざまサンサンビーチ。
出典:グーグルマップ
つづく
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