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イタリア、
国民投票で投票者の
94%超が脱原発選択!

青山貞一 Teiichi Aoyama
掲載月日:2011年6月14日
独立系メディア E−wave


 世界的に注目された福島原発事故後のイタリアにおける原発再開の是非を問う国民投票は、6月12日、13日の2日間行われ最終的に投票率が約57%で、50%の成立条件をクリアーした。

 そして、投票した有権者の94%超が原発再開反対に投票したことから、イタリアの脱原発路線が法的にも明確になった。

 フランスと協定し、今後、原発再開を目指していたベルルスコーニ首相は13日の記者会見で「原発よ、さようなら。これからは持続可能な自然エネルギーの時代だ。」と認めたという。

 ここ数年間、幾度となく淫行スキャンダルにまみれているベルルスコーニ首相は、脱原発だけでなく、自身の首相としての立場もバイバイとなる可能性が大である。

 福島第一原発以降、EUではドイツ、スイスに次いで3国目の「脱原発」国家の誕生となり、今後、他のEU諸国にもこの流れが波及するものと推測される。

 また、州単位でのイニシアティブ、レファレンダムなどの直接民主制度をもち、すでに多くの州で実質的に脱原発(既存原発が償却年限が来たら廃止で新規立地なし)となりつつある米国でも、さらに「脱原発の動き」が加速化すると思われる。

 もっぱら、米国では全国的な動向とは別に、カリフォルニア州のサンホセ周辺のアルタモント丘には数1000規模の風力発電ファームが立地開発されている。今後、米国の環境志向州では、脱原発の動きに弾みがだろう。


カリフォルニア州アルタモントの丘に設置された5000基を超える風力発電装置
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in Wind Farms near Livemore in California

 下の写真をご覧頂きたい。よくもまぁこんなに沢山の風車を同じ場所に設置できるものだ、と思えるほど多数の風車が立地されている。背景にある丘の上にも多くの風車が立地されている。


カリフォルニア州アルタモントの丘に設置された5000基を超える風力発電装置
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in Wind Farms near Livemore in California


 米国、ロシア、カナダなどの大国で今後、脱原発が進む大きな理由のひとつは、いわゆるシェールオイルの巨大な確認埋蔵が確認されたことが理由である。

  
米国内のシェールオイルの埋蔵予想地

 米国、ロシアでは、このシェールオイルを今後数10年間、石油、天然ガスの代替エネルギーとして援用して行ける見通しがつきつつあり、福島原発事故以降、脱原発の流れが進むと推測される。

イタリアも脱原発 国民投票成立、再開反対9割超す
 2011年6月14日 02時07分

 【ローマ=清水俊郎、佐藤康夫】1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故を契機に全廃した原子力発電の再開の是非を問うイタリアの国民投票は13日、2日間の投票が締め切られ、即日開票が始まった。内務省によると、在外投票を除いた投票率は56・99%となり、国民投票の成立条件である50%を満たした。再開反対が94%超と圧勝し、イタリアの脱原発が決まった。

 同国では、低投票率による国民投票の不成立が95年から続いており、成立は16年ぶり。

 福島第1原発事故を受けた反原発の世論の盛り上がりを浮き彫りにし、欧州では既にドイツとスイスが将来的に国内の全原発の停止を決めている。これに続いてイタリアでも反原発派が勝利したことで、世界の脱原発の動きが加速する可能性がある。

 国営ラジオによると、原発再開を目指していたベルルスコーニ首相は13日の記者会見で「原発よ、さようなら。これからは持続可能な自然エネルギーの時代だ。」と認めた。

 福島の事故後に自国の現段階の原発再開計画を無期限で凍結し、国民投票の回避を図ったが、将来の原発再開も難しくなる。
(中日新聞)