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ひさびさの八ッ場ダム講演
in 群馬県高崎市(3)
青山貞一
東京都市大学、環境総合研究所
環境行政改革フォーラム
掲載月日:2012年10月14日
 独立系メディア E−wave Tokyo

無断転載禁


 その結果、日本国民の多くは不幸のどん底にあります。

 ミシガン大学による「幸福度調査」では、43位、やOECDの調査では19位(34カ国中)と、日本の幸福度は最悪です。


出典:青山貞一

 結局、土建に巨大国費、国債、税金を投入しても、日本国民は幸福になっていないのです。


出典:青山貞一

 八ッ場ダムは、下にあるように当初予算が2110億円、その後、4600億円となっています。しかし、4600億円はあくまで水資源特会の数字であり、現地を見れば分かるように、巨大な道路が谷の両側に何本も走り、巨大なトンネルが何本もでき、さらに道路、軌道で5本もの巨大な橋梁がすでに完成しています。

 これらの多くは水資源特会ではなく、道路特別会計、道路特会により作られています。その額は1000億円とも2000億円とも言われているのです。

 実際、現地長野原町に行って見ると、渓谷は土建公共事業のデパートと化しており、もともすばらしい景観を誇った吾妻渓谷は見る影もありません。地形、地質面から見ても崩落が起きやすい吾妻渓谷をこれでもか、これでもかと改変してしまったのです。
 

出典:青山貞一

 平成24年度の八ッ場ダム関連予算は107億円、生活関連整備に使うとされていますが、国土交通省はいわゆる有識者会議で急いで来年度の本体工事費予算請求を行うつもりでいるようです。

 この辺の予算の事情を詳細資料をもとに分析しました。




出典:青山貞一



 この8月下旬、今後つくられる川原湯温泉新駅前にある豊田牛乳の社長と青山との議論にある今後の見通しについても紹介しました。これが今後の戦略、戦術を考える上での最大のポイントなるはずです。

 豊田牛乳の社長や奥様とは、過去5,6回議論し来ましたが、本音で話してもらえるのこともあり、非常に有意義なものとなっています。


出典:青山貞一

 とはいえ、国土交通省の利根川水系に関する有識者会議が急ピッチで進められている。これは間違いなく、本体工事予算を獲得するためのものであることはまちがあいありません。下は、青山が現地で撮影した本体工事予定地です。


出典:青山貞一

 これに国土交通省の設計図面を重ねると以下のようになる。


出典:青山貞一

 さらに、鷹取さんと一緒にここ数年研究開発し、学会や環境行政改革フォーラムの論文集に出した八ッ場ダム基本高水推計シミュレーションシステムを使用して、たとえば1時間の降雨量が50mmの豪雨だった場合、長野原はじめ群馬西部の集水域における「みどりのダム」の効果を定量的にシミュレーションした結果を報告しました。


出典:青山貞一、鷹取敦 環境総合研究所

 まだ試行の段階ですが、実際に八ッ場ダムがある群馬県西部地域を100m×100mのメッシュで切り、国土地理院のデジタル標高データを使って最悪、1時間50mmの降雨量がある場合を想定し、全面的に地形を再現した上で100mメッシュ単位での推移をシミュレーションしていました。

 今回、持参したシステムは、時間がなく実演は割愛しました。

◆青山貞一(武蔵工業大学環境情報学部)、鷹取敦(環境総合研究所)
  計画高水シミュレーションシステムの研究開発(経過報告)〜八ッ場ダム計画地域を事例に〜


出典:青山貞一、鷹取敦 環境総合研究所


出典:青山貞一、鷹取敦 環境総合研究所


出典:青山貞一、鷹取敦 環境総合研究所


出典:青山貞一、鷹取敦 環境総合研究所

 極度な中央集権制度が悪いとはいえ、八ッ場ダムの現場、地方の現実をみると、いまだに利権、利権、利権の政官業や政官業学報が跋扈しており、どうしようもない現実があります。

 最後に国の審議会、委員会、検討会などがいかに官僚の手玉にとられているか、委員選定が官僚の裁量のもと、好き勝手とされているかについても触れました。

 下は何が有識者なのか分からない利根川・江戸川有識者会議の委員名簿です。





 亡くなられた日隅一雄弁護士と一緒に出した「審議会革命」をもとにその対案についても話します。数冊会場にもって行きました。講演の最後に、この著書を紹介したところ、すぐに完売いたしました。

 ※自宅にまだ残部がありますので、ご入り用な方には送料込みで
   1000円でおわけします。メールでご連絡下さい。
   aoyama@eritokyo.jp 青山貞一まで



出典:青山貞一

 2つめの渡辺さんによるスーパー堤防についての講演の後、フロアーとの質疑応答がおこなれました。


質疑応答 
撮影:鷹取敦 


主催者閉会の辞を述べる鈴木郁子会長
撮影:鷹取敦

 下は講演会終了後、スタッフの皆さんと懇親したときの一枚です。群馬県でこの種の活動をするのは、本当に大変、みなさん苦節10年、20年、30年とがんばってこられ方々です。青山の右隣の方は群馬オンブズマンです。

 みなさん、大変ご苦労さまでした! 今後も、八ッ場ダムを監視してゆきますので、よろしくお願いいたします。


スタッフのみなさんと一緒に

 独立系メディア E-wave Tokyoの鷹取敦さんが動画撮影をしましたが、ライブではなく収録しましたので後日、放映する予定です。

 以下は八ッ場ダム関連の参考動画です。


◆青山貞一:八ッ場ダム工事がとまらない理由@ You Tub


◆青山貞一:八ッ場ダム工事がとまらない理由A You Tub