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はじめに 本論では、ヨーロッパの歴史のなかでも、特異な道を歩んだ「ドブロブニク」と「コトル」に、読者の皆さんが行く場合のガイド、題してリーズナブルな行き方について助言したいと思います。 もちろん、以下の助言はあくまで参考にすぎません。ご自身が検討する際の参考にしていただければ幸いです。 1.行き先について クロアチアのドブロブニク(Dubrovnik)に行くなら、ぜひモンテネグロのヘルセグ・ノビ(Herceg Novi)、パレスト(Perast)そしてコトル(Kotor)にも行って欲しいと思います。 世界史的に見ても、ドブロブニクとコトルはともに都市国家として、数々の敵の攻撃に耐え、今日まで中世の町並みを今に残している地域だからです。現在、両方とも世界文化遺産となっています。ドブロブニクは一時期、危機遺産にリストされていましたが、市民の献身的努力で現在、危機を脱しています。 歴史だけでなく、アドリア海の入り江、コトル湾に黒い山が急角度で落ちこむ、その絶壁に張り付く古都の絶景は絶品です。ぜひ、ご自身の目で見てください。 と言うことで、せっかくドブロブニクに行くなら、モンテネグロにも行かれることをおすすめします。 左上がドブロブニク旧市街、右下がヘルセグノビ・コトルなどモンテネグロ。 真ん中により少し上にドブロブニク国際空港がある! 南の海はアドリア海。 北から見た場合。ドブロブニク国際空港は、ドブロブニク旧市街と ヘルセグノビのちょうど中間にあることがわかる。右はアドリア海 コトルスカ・コトル湾 ドブロブニクに最も近いモンテネグロの都市、ヘルセグ・ノビは下の写真にあるように、EUを代表するアドリア海の国際リゾート地でもあります。ドブロブ二のような混雑はなく、のんびり長期滞在も可能です。 ドブロブニクから車なら40分で行けるモンテネグロの国際リゾート地。ヘルセグ・ノビ。 これはグーグルアースを使ったコトル湾の3次元景観シミュレーション 2.行き方(交通手段)の選択 クロアチア最南端、アドリア海の真珠、ドブロブニクの旧市街に行くには、いくつかの方法があります。いずれの場合も、日本からEU諸国への移動は航空機となります。 日本からドブロブニクにも空路が中心となりますが、EUの諸都市に到着した後、空路以外で行く方法もあります。 クロアチアの首都、ザグレブからドブロブニクには長距離バスがあります。またイタリアのバーリ(Bari)からドブロブニクまでフェリーで行く方法もあります。 しかし、これらのルートはいずれも非常に時間がかかります。たとえばクロアチアの首都、ザグレブからドブロブニクには高速バスでも11時間かかります。 イタリアのバリからドクロアチアのブロブニクやスプリットへ行くフェリーは便数が非常に少なくドブロブニクからイタリアのバリ行きのフェリーは週4便しかありません。 ■フェリー情報 http://www.jadrolinija.hr/default.aspx?lang=2 さらにスロベニア、ノスニア・ヘルツエゴビナ、モンテネグロなどクロアチアの隣国から航空機、長距離バスでドブロブニクに入る方法もないことはないのですが、航空機の場合、結果的に高額になることが多くなります。
3.格安航空券の選択方法 日本からドブロブニク国際空港まで行く(行ける)便は、実質的に@ルフトハンザ、Aアリタリア、Bオーストリアなどに限られます。 また日本からクロアチアの首都、ザグレブまで行ける航空会社は、@ルフトハンザ、Aアリタリア、Bオーストリア、Cアエロフロート、DJAL、EANAなど、限られます。 このうち、ロシアのアエロフロートのザグレブ行き航空チケットは一見、非常にリーズナブルですが、モスクワで一泊させられ、しかもその宿泊料が非常に高額となっており、おすすめできません。 以前、モスクワへの一泊は航空運賃に含まれており、航空チケットもきわめてリーズナブルであったが、現在、モスクワで一泊するとホテル代が何と39000円とられます(複数の代理店で確認)。 以下は、2007年5月中旬を例にした、成田発、ドブロブニク、ザグレブ行きの往復航空チケット料金です。ただし、現地空港税、航空保険料、燃油サーチャージ等の諸費用は別途加算となります。通常成田からローマ、パリなどEU諸都市に行く場合に比べ、かなり高額であることが分かります。 ●成田・ドブロブニク往復の約安チケット(2007年5月中旬,,e-tour調べ) オーストリア 129600円 アリタリア 135000円 ●成田・ザグレブ往復の約安チケット(2007年5月中旬,,e-tour調べ) アエロフロート 65400円 オーストリア 124200円 ANA 129000円 アリタリア 125300円 ルフトハンザ 128000円 JAL 130000円 ただし、上記はいずれも現地空港税、航空保険料、燃油サーチャージ等の諸費用は別途加算。 アリタリアかオーストリアのドブロブニク行きチケットがとれればよいが、便が限られているので、とれない可能性もあります。 その場合には、成田からクロアチアのザグレブまで行き、そこからクロアチア航空の国内便を使いドブロブニク国際空港まで行く方法があります。 日本でこのチケットを簡単に予約し、購入できます。たとえば成田→ウィーン→ザグレブまでオーストリア航空を使い、ザグレブ→ドブロブニクはクロアチア空港の国内便のチケットを買うのです。 このクロアチア航空の航空券は、日本からカードで予約、購入することが可能です。これだと往復が6000〜8000円となり非常に格安です。価格に幅があるのは、時間帯などにより価格が異なるからです。この3月行ったときは、空港利用税、燃料チャージなどを含めひとり往復で約6000円でした。 e-tourのEU各都市行き予約 クロアチア航空チケット予約Web(英語) その他の方法として、上記以外の航空会社の格安チケットで、ローマ、パリ、ウィーン、プラハなどの主要空港まで行き、その後、クロアチア航空の国際便でローマ→ザグレブ→ドブロブニク国際空港などで現地入りする手があります。 ただし、この場合には、クロアチア航空のチケットは超廉価な国内便と異なり、往復チケットを日本で購入しても3〜4万円と高額となり、結果としてオーストリア、アリタリアで行く場合と同じか高くなる可能性があります。 ●成田国際空港
●ウィーン国際空港
●ザグレブ国際空港
●ドブロブニク国際空港
4.格安航空券の選択方法(奥の手) 時間があるひとには奥の手があります。 たとえば大韓航空で成田→韓国のインチョン空港経由でローマに行き、ローマでからクロアチア航空の国際便でドブロブニク国際空港に乗り込む方法です。 5月中旬だと大韓航空のチケットが67000円(2007年5月中旬,,e-tour調べ)、クロアチア航空のローマ、ドブロブニク往復国際運賃チケットが3万円程度です。いずれも、現地空港税、航空保険料、燃油サーチャージ等の諸費用は別途加算です。 ただし、この方法だとローマからドブロブニクへの便がその日のうちにうまくつながらない可能性があります。その場合は、ローマ観光に一泊か二泊すればよいでしょう。 これだと総額で季節によりますが、現地空港税、航空保険料、燃油サーチャージ等の諸費用で10万円程度となり、オーストリア、アリタリアなどに比べると3万円程度安く、ドブロブニク国際空港に行けるはずです。さらに安いアジアのチケットもありますが、それらの多くは南回りとなり、自国の空港に泊まるので相当時間がかかります。 ■e-tourのEU各都市行き予約 ■クロアチア航空チケット予約Web(英語) 5.現地での交通手段 ドブログニクの旧市街に行くだけなら、ドブロブニク国際空港からドブロブニク旧市街行きのバスがあります。チケットは片道で30クーナ(650円ほど)です。 ■ドブロブニク行きのバスLibertas Bus) コトルに行くためには、ドブロブニク空港(クロアチア)かチヴァット空港(モンテネグロ)からバスで行くしかありませんが、国境を越えるバスは何本もなく、時間もかかり、さらにピンポイント的に行くしかありません。 もし、ドブロブニクとモンテネグロのヘルセグノビ、パレスト、コトルの両方に行くなら、国際免許を日本でとり、ドブロブニク国際空港でレンタカーを借りると良いと思います。ただし、自動車は右側通行です。 レンタカー代は、小型車であれば一日単位で7000円〜10000円(ガソリン代は別)です。 空港に10社以上のカウンターがあります。1リットル当たりのガソリン代は日本より高目です。 ドブロブニク国際空港のレンタカーカウンター なお、ドブロブニク旧市街直近の駐車場は、入場券を渡されるタイプと無人タイプがあります。無人の場合でも、駐車場に戻ると自動車に書類がおいてあり、銀行か郵便局で一定額(一日単位で2000〜3000円)を支払うようになっています。ゆめゆめ無断駐車はしないように。 またモンテネグロからドブロブニク国際空港に来る途中に、時として警察官が検問をしており、制限時速60kmのところを70kmで走っていても日本円で6000円程度の罰金をその場でクーナで支払わされますので、十分注意のこと。 ドブロブニク旧市街。ドブロブニク国際空港から自動車で30分ほど。 ドブロブニク空港からヘルセグノビへは自動車で30分。 ヘルセグノビからコトル(左下)までは自動車で約1時間 4.現地でのホテル、アパート、B&B、宿 私たちは今回、ドブロブニク国際空港近くのツァブタット(Cavtat)のアパートに宿泊しました。 理由は、クロアチア最南端のドブロブニクとコトルなどモンテネグロの両方に行くうえで、この地域がちょうど両者の真ん中だったからです。 シーズンオフだったこともあり一泊、一部屋4000円程度で、きわめてリーズナブルな価格でした。 ツァブタット(Cavtat)には、日本で言うペンションが多数ありますが、残念ながらドブロブニク国際空港からツァブタット(Cavtat)に行くバスはありません。したがって、この地域に宿はする場合には、あらかじめペンションの主人にメールで空港に迎えに来てもらうよう伝える必要があります。 ドブロブニクは世界的な観光地になっているので、旧市街の外に多数の高級ホテルがあります。またバックパッカー用の一泊3000円から5000円の安宿もあります。 一方、いわゆるホテルは日本円で1泊最低で6000円程度から高級なものは数万円まで多様です。旧市街に近いほどホテルは高級で高額となります。また当然ながら夏場の観光シーズンのレートは高くなります。 ■ドブロブニクのホテル・アパート・ペンション・B&B 以下は日本人の観光客がよく泊まるホテルの例。 Hotel Excelsior Hotel Kompas Hotel Neptun Dubrovnik Hotel Dubrovnik President Hotel Perla Valamar Club Dubrovnik Hotel 私たちが3月に泊まったツァブタットアパートも夏のシーズンには2倍くらいの料金になります。 ドブロブニク新市街の安宿の宿泊料は交渉次第ですが、1泊3千円〜5千円であるようですが、道路沿いだったり、設備が不備だったりすることがあるので、要注意です。 城壁に囲われている部分が旧市街。その周辺の多くのホテル、アパート、B&Bなどが散在している。 いすれにしても、安宿は旧市街から離れていたり、沿道が多いのですが、そこから旧市街までは徒歩で10分から20分ですので、距離的にはさして問題はありません。 一方、モンテネグロ側では、ヘルセグノビが国際的な保養地、リゾート地となっているので、1泊、二人で数1000円から高級ホテルまで揃っています。また当然ながら夏場の観光シーズンのレートは高くなります。 ■モンテネグロ、ヘルセグ・ノビのホテル コトルにもホテルはありますが、できれば宿泊はヘルセグノビとした方がよいでしょう。 Source:City of Herceg Novi なお、航空機搭乗時間の関係でザグレブ空港近くに一泊する場合、空港近くにトランジットホテルがあります。値段は7000円程度ですが、14000円と高額なものもあるので注意してください。 5.現地の通貨 ドブロブニクはクーナ(1クーナが21〜22円)、モンテネグロはユーロです。 クーナは、ドブロブニク国際空港はもとより、ザグレブ空港、ドブロブニク旧市街などでも日本円からの交換が可能です。ドル、ユーロからの交換も可能です。ドブロブニクでは、おみやげやでもクーナしか使えないところが多いので要注意です。 モンテネグロは、ユーロかドルしか使えないと思っていた方がよいです。日本円からユーロは成田空港でも簡単に可能ですし、ドブロブニク国際空港でも円からユーロに両替は可能です。 カードですが、何とドブロブニク旧市街の高級レストランでもVISAなどのカードが使えないところがありましたので、ある程度現金を持参した方がよいでしょう。また旧市街の城壁巡り、博物館入場、駐車料などにどうしてもクーナが必要となります。 6.食事・飲み水 ドブロブニク、ヘルセグノビ、コトルいずれも、アドリア海沿いの町であり、沿岸のイタリア料理の影響を強く受けています。どのレストランでも、魚介のスープ、パスタ、リゾット、サラダなど、イタリア料理はOKです。 ドブロブニクには旧市街の中、そして新市街に多数のシーフードレストランがあります。高級なものからリーズナブルなものまで多数あります。高額でおいしいのは当然ですが、高額でもおいしくなかったり、塩気が強く食べれないこともあります。 ■ドブロブニクのレストラン 5.のピザレストラン、Pizzeria Tabasco に私たちも行きました。駐車場のすぐ後ろのあるピザハウスです。おいしくてボリュームたっぷり、そして廉価ですが、注意しないと到底食べきれない大きさのピザがでてきます。 コンビニ的な店もあり、パン、バター、チーズ、牛乳、野菜、缶詰、ペットボトル入り水、飲料水、ビール、ワインなどを安く売っていますので、それらをまとめ買いして食べるのもよいでしょう。朝市で新鮮なオレンジなどの果物を安く売っています。 ただし、ドブロブニクからドブロブニク国際空港、国際空港からヘルセグノビまでの道路の沿道には、ほとんどレストランがないので要注意です。 なにしろ、川、海ともにこれほど綺麗な水はみたことがない、というほどの地域で水道水が飲めるはずですが、私たちはペットボトルで水を買って飲んでいました。 7.入国審査・安全 3ヶ月以内の観光であれば、クロアチア、モンテネグロともにビザは不要です。日本人であれば入国審査もまったく問題ないはずです。私たちはドブロブニク空港とヘルセグノビの間を連日行き来しましたが、まったく問題ありませんでした。 旅行中、両国とも一度も安全を脅かされることはありませんでした。 8.みどころ ■ドブロブニク 観光的な見所については、多くのガイドブックがありますが、ドブロブニクでは、歩いて城壁のうえを一周(約2km)するのが最高。まさに天国が見れます。入場券は50クーナ(約1000円)です。 ドブロブニク旧市街城壁の入場券、50クーナ 旧市街の中の見所、とくに歴史、宗教などとの関連でのみどころについては、シリーズ「都市国家」ドブロブニクの(5)、(6)に詳述する予定です。 またもし、レンタカーを借りた場合には、ドブロブニク旧市街の背後にある山の山頂まで行ってみてください。すばらしい景観が味わえます。時刻により光線と陰影の関係でさまざまなドブロブニク旧市街が見れます。 さらに時間に余裕があれば、ドブロブニクからスプリット側(北西)に行くと、アドリア海の希有なリアス式海岸、島嶼、黒い山々が堪能できます。スラノまで行けば十分です。またボスニア・ヘルツェゴビナ側に入るのもよいでしょう。 ■コトル コトルでは城壁のすぐ外にあるすばらしいわき水がみものです。 また是非、入場料を払い裏山に上ることをおすすめします。これは自動車ではあがれません。歩いて上ります。ここから見たコトルのまちなみはまさに絶景です。 入場料を払うと裏山に登れます。 背後の急峻な山と旧市街との関係 出典:コトルのパンフより 衛星画像から見たコトール旧市街。三角形の部分。出典:グーグル これはグーグルアースを使ったコトル湾の3次元景観シミュレーション ■パラスト ヘルセグノビ側からコトルにゆくなら、必ず古都、パラストに寄ってください。道路の標識にパラストが表示されますので、本道からはずれ海沿いに行きます。コトルに向け本道に合流することが可能です。 |