一覧表に記載しているデータは、環境省の資料に明記されていたものはその数字を、資料に明記されていないものは両県への聞き取りで分かった数字を記載しているが、もし数字の誤り等に気づいた方がいれば、ぜひソースと合わせてご指摘頂きたい。
一覧表を見ればすぐに気づくと思うが、今回の見直しは瓦礫の総量マイナスに合わせて「広域処理希望量」を減らすのではなく、減っているのはどちらかといえば「県内処理計画量」の方であり、いかにして「広域処理希望量」を死守するか涙ぐましい努力の跡が見えるようだ。
岩手県は、瓦礫の総量が476万トンから525万トンへと49万トン増えているにもかかわらず、「県内処理計画量」を見直し前の419万トンから405万トンへと14万トン減らしたため、見直し後の「広域処理希望量」は見直し前の57万トンから120万トンへと63万トンも増えている。
特に「不燃物」が見直し前より83万トンも増えているが、これは瓦礫に付着する土砂や海水をかぶった農地の土などを「不燃物」として水増しカウントしたためであり、「今後の県内処理や復興資材としての活用」(環境省)により、「広域処理希望量」を大幅に減らすことが可能である。
宮城県は、瓦礫の総量が1569万トンから1154万トンへと415万トンも減っているが、こちらも「県内処理計画量」を見直し前の1225万トンから1027万トンへと約198万トンも減らしたため、見直し後の「広域処理希望量」は見直し前の344万トンから127万トンへと217万トン減にとどまっている。
特に、「不燃物」の「県内処理計画量」を見直し前の581万トンから298万トンへと283万トンも大幅に減らしているが、こちらも「再生資材としての利用促進方策を整理し、早急に示すこと等により、県内再生利用の拡充を図る」(環境省)ことにより、「広域処理希望量」を大幅に減らして「県内処理計画量」に戻すことが可能である。
環境省は、これまで「どうしても現地で処理できないものを広域処理としてお願いしている」と説明しており、単純に「両県から広域処理の希望があった」という説明で済ませるのではなく、どうして「県内処理計画量」をこれだけ多く減らす必要があるのか、誰もが納得できる合理的な説明をしなければ、広域処理への理解など得られるはずがない。
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