無煙ニュース抜粋 第827号 2008年3月16日 |
●学術会議、たばこ規制強化要望 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080305AT1G0402X05032008.html 日本学術会議は国に対してたばこへの規制を強化するよう求める要望をまとめ、厚生労働省に提出した。国が喫煙率を削減するための数値目標を設定することや、たばこ自動販売機の設置禁止、たばこ税率の大幅引き上げなど、7項目の提言を盛り込んだ。 まとめたのは「脱タバコ社会の実現に向けて」と題した要望書。 ●たばこ税2倍に、日本学術会議が国に規制を要望 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080304-OYT1T00361.htm 日本学術会議は4日、国に対し、たばこ税の大幅引き上げなどを柱とする、強力なたばこ規制策を求める要望書を提出した。 たばこは、がんや心臓病をはじめとする深刻な健康被害を及ぼすことから、世界保健機関(WHO)が、包括的なたばこ規制に取り組むための枠組み条約を2003年に採択。わが国も批准しているものの、男性の喫煙率は欧米先進国に比べ依然高く、対策は立ち遅れている。 「脱たばこ社会の実現に向けて」と題した要望では、欧米先進国に比べ半分から5分の1程度のたばこの税負担(1箱当たり約189円)の、約2倍程度の引き上げを検討すべきだとして、値上げの影響による需要の低下や税収の変化を試算した。それによると、年間のたばこ消費量は現在の2700億本が4分の1減少し、喫煙者数は最低でも200万人以上の減少が見込まれた。一方、税収は現在の2兆2000億円から約1兆2000億円の増収につながるとしている。 要望ではまた、たばこ自動販売機の設置禁止、たばこの箱に書かれる健康被害の警告を諸外国並みに写真入りなどでわかりやすくすることなどを求めている。 「脱たばこ社会の実現に向けて」と題した要望では、欧米先進国に比べ半分から5分の1程度のたばこの税負担(1箱当たり約189円)の、約2倍程度の引き上げを検討すべきだとして、値上げの影響による需要の低下や税収の変化を試算した。それによると、年間のたばこ消費量は現在の2700億本が4分の1減少し、喫煙者数は最低でも200万人以上の減少が見込まれた。一方、税収は現在の2兆2000億円から約1兆2000億円の増収につながるとしている。 ●タバコと健康に関する正しい知識を子ども達に 日本学術会議の提言 http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2008/03/post_1698.html 健康増進法や公共の場での全面禁煙など、タバコは健康に害があり、他人にそれを及ぼしてはいけない、という認識が定着しつつあります。このような中、子ども達はタバコについて、どれくらい知識があるのでしょうか?日本学術会議は要望「脱タバコ社会の実現に向けて」を発表すると共に、厚生労働省健康局長に提出しました。国民をタバコの害から守る、という目標の下に、7つの提言がされています。 1.タバコの直接的・間接的健康障害につき、なお一層の教育・啓発を行う 2.喫煙率削減の数値目標を設定する 3.職場・公共の場所での喫煙を禁止する 4.未成年者喫煙禁止法を遵守し、次世代の国民を守る 5.タバコ自動販売機の設置を禁止し、タバコ箱の警告文を簡潔かつ目立つようにする 6.タバコ税を大幅に引き上げて、税収を確保したまま、タバコ消費量の減 少をはかる7.タバコの直接的・間接的被害より国民を守る立場から、タバコに関する規制を行う この中で、未成年者喫煙禁止法には不備・不足があるとしています。現行法では「違反した未成年者が所持するタバコおよびその器具を没収する」とありますが、それ以上具体的なことは述べられていません。そこで、没収する手続きについて法令の整備をするべきと述べられています。また「未成年者の喫煙を知りながら制止しなかった親権者などは科料に処せられる」ことについて、監督者として学校の責任についても問うべきだとしています。学校での敷地内全面禁煙は、受動喫煙を避けられるとともに、未成年者の喫煙率を下げるという報告がありますが、2005年のデータで敷地内全面禁煙を実施している学校は、小学校44.4%、中学校39.1%、高等学校43.6%といずれも半数に達していません。喫煙防止教育を徹底させるためにも、教室の喫煙率の低減を含めた喫煙防止教育の必要性が述べられています。さらに学習指導要領に、小学校低学年から受動喫煙を含むタバコの健康障害とその予防に関する教育を行うように記載することなどが提案されています。子どもはタバコの害から守られるべきです。しかし成人のタバコは合法であり、愛煙家を悪者扱いすべきではありません。なぜタバコを吸う大人がいるのか、なぜ子どもはいけないのか、そして愛煙家と嫌煙家が共存するためのマナーやルールについて、家族で考えてみてはどうでしょう。 http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiifeb0802462/ 横浜市が人通りの多いJR横浜駅周辺など3地区を喫煙禁止地区に指定し、過料徴収を始めてから約1カ月。17日までに”指導”は666件に上り、9割が過料処分に応じていることが分かった。徴収開始当初は50件近くあった件数も最近では20件前後で推移。1割は指導を無視しているが、大きなトラブルは発生していないという。 ●緑茶は胃がんのリスク下げるが、喫煙者には逆効果も、 厚労省研究班がJPHC成果を論文発表 緑茶ポリフェノールの1つであるエピカテキン3ガレート(ECG)の血中濃度が高いと、胃がんのリスクは低くなるが、喫煙者では緑茶飲用は逆効果もありうる。緑茶の胃がん予防効果を享受するには、まず禁煙から──。厚生労働省研究班による多目的コホート研究(JPHC研究)の成果が、専門誌に論文発表された(Cancer Epidemiology, Biomarkers &Prevention 2008年2月号)。緑茶ポリフェノールやカテキンを強化したき機能性食品・飲料は、トクホ(特定保健用食品)も含め、数多く商品化されているが、この健康効果を享受するためには、個々人の体質に加え、喫煙を含めた生活習慣の配慮も必要といえるかもしれない。 ●路上喫煙禁止に/愛知 http://mytown.asahi.com/aichi/news.php?k_id=24000000802260003 条例案提出へ 罰金2000円以下 一宮市は、快適な地域環境と安全な歩行空間を確保するためとして、市議会3月定例会に、路上喫煙の禁止を定める条例案を提出する。同定例会で可決、4月からの施行を目指している。08年度当初予算案にも、ポスターやのぼり作製など啓発事業に100万円を盛り込んだ。 条例案では、違反者から2千円以下の罰金を徴収する。対象地域は、基本的に市全域としている。ただ、今年11月まで地域住民の声を聞きながら、罰金を徴収する重点区域を決めたうえで、12月から罰金の徴収に入るとしている。だれが違反者から罰金を徴収するのかといった具体的な運用についても、今後詰めていくという。 市によると、路上喫煙で罰則規定を盛り込んだ条例は、県内では名古屋市がすでに地域を限定して実施。小牧市は、昨年9月に「快適で清潔なまちづくり条例」を制定した。今年4月から実施するが、一宮市と同様に今後、禁止区域を定めていく予定。違反者に対しては指導、告発などの段階を経て、2万円以下の罰金を徴収するという。 ●福岡市が「禁煙の店」登録制度 http://www.kumanichi.com/iryou/kiji/kokyuuki/92.html 福岡市が、店内禁煙に協力する店舗などを支援する「禁煙協力店・施設登録制度」を創設、既に市内の800を超える店舗・施設が登録している。 喫煙者のタバコの副流煙による受動喫煙を防ぐのが狙い。登録店・施設は、マークを配布し、市のウェブサイトでも紹介する。 同市では3月1日、市タクシー協会加盟の約7000台の車内が全面禁煙化されるなど、受動喫煙対策が急速に進んでいる。 (熊本日日新聞2008年2月27日付夕刊メディカル) ●勤務中はどこでも禁煙 製薬大手のファイザー http://www.sakigake.jp/p/news/science.jsp?nid=2008022801000628 米系製薬大手のファイザー(東京)は28日、約4800人いる社員のすべてを対象に、勤務中はどこにいても禁煙にすると発表した。1月に製造販売承認を受けた禁煙補助薬「チャンピックス錠」を年内に発売するのに伴い実施する。 ファイザーは既に東京の本社内などは禁煙にしている。だが、社会で禁煙が広がっている上、喫煙する医薬情報担当者(MR)の出入りを禁止する医療機関もあり、場所を問わず禁煙とする。 「世界禁煙デー」の5月31日から実施。社員が禁煙を守っているかのチェックや、違反時の罰則導入などは予定していない。 勤務時間外の規定は設けないが、家族らへの影響を考慮し、社員に就業時間外も含めた禁煙を勧める。禁煙に成功した社員への報奨金支給も検討している。 ●都内タクシー全面禁煙 客とのトラブル実は少なかった http://news.ameba.jp/domestic/2008/03/11598.html 禁煙補助剤「ニコレット」を発売するジョンソン・エンド・ジョンソンは、都内タクシー運転手1001名に対する「東京都タクシー全面禁煙化に関するアンケート調査」(1/21〜25)の結果を発表した。 この調査は都内タクシーの全面禁煙化が施行される前にも663名を対象に昨年12月13日から17日に行われていた。その時は「全面禁煙化」を「良いと思う」とした人が29.9%だったが、実際に施行された後に行われた今回の調査では38.2%に増加。また、「良いと思わない」人は46.9%から32.2%に減少した。 また、デメリットとして、施行前は「客とのトラブル」を予測した人が39.8%いたが、施工後、実際には5.1%にとどまった。だが、「自分も吸えない」ことをデメリットとして考えていた人は施行前は8.3%だったが、施工後、実際には21.7%がデメリットと感じており、実際に禁煙を強いられると辛く感じる人が多かったようだ。 ●「子どものそばでの喫煙は虐待」 県内の医師らでつくる「佐賀禁煙の会」の講演会が1日、佐賀市のメートプラザ佐賀であった。東京都町田保健所の齋藤麗子所長がたばこが子どもに与える影響に触れ、「子どものそばで喫煙するのも虐待ではないか」と述べた。 小児科医の齋藤所長は、子どものぜんそくや気管支炎は親の喫煙が発作の原因になるとして「教育のためにも、親に喫煙者かどうかを聞くことが必要」と問診時の対応を提案。分煙で設置した喫煙室に幼子が連れ込まれている写真を示し、喫煙室の子ども入室禁止を提言した。 海外のたばこのパッケージも紹介。脳出血でなくなった人の脳の標本や喫煙者だった妊婦から生まれた未熟児の写真が掲載され、「購入にブレーキをかけている」と語った。 さらに、100円ショップなどで手に入る禁煙マークを持ち歩き、禁煙エリアを自らつくる「マイ禁煙マーク」も提唱した。 ●横浜市の喫煙罰則 違反者は734人 81人が“逃走” http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080225-00000058-san-soci 横浜市の「ポイ捨て・喫煙禁止条例」に基づき、先月21日から横浜市内の喫煙禁止地区内での喫煙者などに科料2000円が適用されてから1カ月間で、違反者は734人にのぼり、うち指導を無視しての“逃走”が81人だったことが市のまとめで分かった。 市のまとめによると、禁止地区3区の中で、横浜駅周辺地区での違反者がもっとも多かった。罰則適用前よりも、喫煙者やポイ捨てされた吸い殻の本数は大幅に減少しているという。 ●タクシー全面禁煙 始まる/福岡 http://news.rkb.ne.jp/rkb_news/archives/008821.html 福岡都市圏で営業するほとんどのタクシーでは、きょうから全面禁煙となっています。このうち福岡市西区にある西タクグループの車庫では、午前7時前、車内の灰皿をボンドで閉じて固定しました。きょうから全面禁煙となるのは、福岡市とその近郊で営業するタクシー、およそ7000台です。これは、タクシー利用者のアンケートなどで、車内禁煙を求める声があがっていたことから、福岡市タクシー協会が中心となって、全面禁煙に踏み切ったものです。九州では大分県が、去年6月から県内全域でタクシーを禁煙にしています。福岡市タクシー協会は、「タバコの煙や臭いは、お年寄りや子どもの利用者に影響があるので、喫煙者にも理解して欲しい」と協力を求めています。 ●下関市も路上喫煙禁止へ http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200803030277.html 下関市は4月から、環境美化条例を改正し、市中心部の路上での喫煙を禁止する。周知期間後の7月から、違反者には過料として2000円程度を徴収する。山口県内では初の試みで、市議会定例会に条例改正案を提案する。禁止区域は、唐戸市場や観光商業施設が集まる唐戸地区とJR下関駅周辺。具体的な区域や過料の額を定める。周知を図るため、他市の事例も参考にして案内看板やパンフレットを作製する。 ●個人タクシーが禁煙拡大 金沢 4月以降、半数導入が目標 http://www.hokkoku.co.jp/_keizai/K20080304303.htm 金沢個人タクシー協同組合(金沢市)は三日までに、禁煙車を拡大する方針を 固めた。現在の禁煙車の数は、組合員三百十台のうち、十二台にとどまっており、四月以降は、半数以上に増やしたい考えだ。金沢交通圏では、四月にも法人タクシーが全面禁煙とする予定で、個人も禁煙化の流れに対応することにした。 役員会や理事会を開き、組合の方針として禁煙化を提案する。ただ、個人タクシーの場合、組合員がそれぞれ固定客を持っているという側面が強く、「禁煙にすると、なじみの客が離れる懸念もある」という。 このため、禁煙化は強制しないが、近くアンケートを実施し、導入の希望などを調査する。 同組合は、「特に客からの要望があるわけでないが、禁煙化は世の中の流れ。なるべく多くの組合員の協力を得たい」としている。 ●和歌山県白浜町 「白良浜」を禁煙に http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080303/trd0803031900007-n1.htm 和歌山県白浜町は、町の観光シンボル「白良浜」を保全するため、喫煙とごみ のポイ捨てなどを禁止する条例案を4日開会の町議会に提案する。 施行は7月1日。町は「海水浴客が60万人を超えるような海水浴場の禁煙条例は全国でも少ないと思う」としている。 違反者にはごみの回収や現場付近の清掃を命令。浜からの退去を命じることもできるが罰金は科さない。 条例制定に伴い、浜の周囲に喫煙場所を数カ所設置。ボランティアグループを募り、監視や指導・啓発を依頼する。町観光課は「安全で安心、快適な浜づくりをしたい」と話している。 白良浜は町文化財で、ハワイのワイキキビーチと姉妹浜関係にある。 ●全面禁煙の阿寒高校敷地内で教職員2人喫煙/北海道 http://www.news-kushiro.jp/news/20080305/200803055.html 全面禁煙のはずの道立高校の敷地で教職員が休み時間に喫煙しているのはおかしい−最近、道教委へ北海道阿寒高校(福田主典校長)へ子供を通わせている母親と称する人物から匿名のメールが寄せられた。意外に知られていないが、道立校は教育長指針が示されて2004年10月から敷地内は全面禁煙だ。駐車場など屋外でも、先生方も来校した保護者や業者も一切たばこはご法度。釧路教育局によると、釧路管内の道立高校で全面禁煙について外部から指摘があったのは初めてという。 ●いきいき湯原21会議 禁煙や分煙 推進呼び掛け 啓発グッズと趣意書 各種団体に配る 住民の健康づくり活動に取り組んでいる「いきいき湯原21会議」(高橋正延委員長)は、真庭市湯原地区の各種団体へ禁煙・分煙の意識向上を促す啓発グッズを配布し、マナーアップを呼び掛けている。 受動喫煙防止を盛り込んだ健康増進法(2003年施行)を受け、多くの人が利用する施設や公共の場での喫煙制限が進んでいるが、「地域の寄り合いなどでは10分徹底されていないのが実情」と同会議。そこで、「ここは禁煙よろしくおねがいします」「灰皿いらない運動展開中」などと書かれた三角柱(高さ22センチ、幅12センチ)タイプの啓発グッズを製作。会議の場などに置いてもらい禁煙・分煙の“第一歩”を促すことにした。 2月末から高橋委員長らが湯原観光協会や商工会、消防団、小中学校PTAなど約70団体を巡回。「煙を吸いたくない人への気遣いをお願いします」などと声を掛け、責任者らに啓発グッズと趣意書を手渡した。 ●受動喫煙:基準超える状態、小学生の12.7%−−熊谷市医師会など調査 /埼玉 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080306-00000088-mailo-l11 熊谷市教委と同市医師会は、小学生がどれだけたばこの煙にさらされてい るかの受動喫煙状態を調査した結果をまとめた。同医師会が設定した基準を 超える受動喫煙状態にあったのは全体の12・7%で、家庭内を中心に子ど もたちがたばこの煙にさらされている実態が浮かんだ。 市内の小学4年生の希望者1347人を対象に尿を採取し、たばこに含ま れるニコチン代謝物の尿中コチニン値を測定した。1ミリリットル中10ナ ノグラム以上あったのは170人で、高度の受動喫煙となる40ナノグラム 以上は9人いた。また、両親のいずれかが喫煙している家庭は65・6%に 達し、母親が喫煙している家庭の児童はコチニン値が高くなるという傾向が 出た。 市教委はコチニン値が特に高い児童の家庭には、気管支や肺などへの悪影 響も考えられるため、小児科の受診を促す文書を送った。 市教委は「たばこを吸う家族との接触が多ければ、児童のコチニン値も高 くなっている。学校保健だよりなどを通じて、家庭内での分煙化を促進して もらう」と話している。【金沢衛】 ●喫煙:阿寒高教職員、禁煙の敷地内駐車場で−−釧路 /北海道 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080306-00000099-mailo-hok 道立阿寒高校(釧路市、福田主典校長)の男性教職員2人が、禁煙とされ ている同校敷地内で喫煙していたことが分かった。道教委は04年10月か ら、道立学校敷地内での禁煙を定めているが、昨年12月にも札幌市内の道 立高校で校長らが喫煙していた事実が判明したばかり。 同校によると、先月28日、「教職員が高校の敷地内で喫煙しているのは おかしい」との匿名メールが寄せられ、調査したところ、教諭と事務職員の 2人が、校舎裏駐車場の車内で喫煙していたことを認めた。2人は昨春にも 同様の喫煙行為で注意を受けていたが、その後も喫煙を続けていた。福田校 長は今後敷地内で喫煙しないとの確約を取り、厳重注意した。【山田泰雄】 ●タバコマネー、医師にも http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080306-00000002-cbn-soci 今年2月、大阪府などが主催した禁煙治療の講習会で講師を務めた医師が 日本たばこ産業株式会社(JT)の関係団体から助成金を受けていた問題などを 受けて、NPO法人日本禁煙学会(作田学理事長)は「禁煙をテーマとする講演 会で、タバコマネー(タバコ産業や関係団体からの資金)を受けている人を講 師にしないでほしい」と求めている。 問題となった講習会は、2月28日に大阪府内で開催された「医療機関にお ける禁煙治療従事者講習会」で、産婦人科の女性医師が「妊婦に対する禁煙 治療」をテーマに講演した。 日本禁煙学会によると、女性医師はJTの関係団体である財団法人「喫煙科 学研究財団」(理事長=菅野晴夫・財団法人癌研究会顧問)から2000年から06 年ごろにかけて年間数百万円の助成金を受けていたという。 講習会の約2週間前、同学会の担当者が主催者側に抗議の電話を入れたが、 「既に広報しているので今回はプログラムどおりやらせてほしい」と回答。 2月20日、同学会は「喫煙科学研究財団などから助成を受けている講師は 今後採用しないようお願いします」との要望書を送ったが、講習会はプログ ラムどおり行われた。 講習会の当日、司会者と女性医師が「助成は2006年までで2007年はなかっ た。当初は喫煙科学研究財団とJTとの関係を知らなかった。今後はこのよう なことがないようにしたい」と釈明したという。 このような「タバコマネー」をめぐる利益相反をなくすため、日本禁煙学 会は3月3日に「タバコ産業体から資金を受けている人を講師としない要請」 を各都道府県の医師会などに送付した。 同学会の作田学理事長は「製薬会社と厚生労働省の審議会メンバーとの利 益相反も大きな問題だが、タバコマネーの利益相反も深刻だ。医師は患者の 生命や健康を守る立場にあるので、『タバコマネーを受け取らない』という 道徳的・倫理的な義務があると思う。医師がタバコマネーとの関係を断ち切 り、国民の健康を守る方向に転換していただきたい」と話している。 喫煙科学研究財団は1986年にJTなどが出資して設立された財務省所管の公 益法人。同財団の役員名簿(07年6月1日現在)には、東京大学の名誉教授や元 厚生省事務次官など、医療界で著名な人物の名前が並んでいる。 ●唐津市:「喫煙室」設置中止、共産党が申し入れ /佐賀 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080307-00000237-mailo-l41 唐津市の共産党・まつら市議団(3人)は6日、市役所1階市民課待合所 一角に計画されている「喫煙室」の設置中止を同市に申し入れた。 現在、市庁舎内は全面禁煙。来訪者らは出入口の外で喫煙している。だが 市民からは「みっともない」などと不評だった。 市はこうした声や要望を受け、広さ10平方メートル弱の喫煙室を月内に も造る計画を立てた。 これに対して市議団は「禁煙は世界的傾向で設置は健康増進法に逆行する。 市民の要望があったとしても喫煙促進事業になる」として計画の見直しを求 めている。 吉本金寿副市長は「設置は他人に迷惑をかけないよう分煙するため計画さ れた」と説明。申し入れについては検討すると答えた。【田中操】 ●大阪府立学校、来月1日から全面禁煙 http://osaka.yomiuri.co.jp/edu_news/20080307kk04.htm 大阪府教委は6日、4月1日から全府立学校の敷地内を全面禁煙にする、と発表した。児童・生徒の受動喫煙を防止するのが狙い。近畿で府立・県立学校の敷地内禁煙を実施していないのは大阪府だけだった。 高校144校、盲・聾(ろう)、養護学校計26校、高等専門学校1校が対象で、喫煙室など指定場所を設けることも禁止する。 府教委は2003年度から全府立学校で分煙を実施していたが、昨年1月の中央教育審議会の答申で、受動喫煙防止推進の必要性が指摘され、敷地内禁煙を検討していた。 ●岩手大が4月から構内全面禁煙へ http://mytown.asahi.com/iwate/news.php?k_id=03000000803070004 岩手大は4月から、構内を全面禁煙にする。地元町内会とも連携し、大学周辺での喫煙マナーにも目を光らせるという。 岩手大保健管理センター長の立身政信教授によると、岩手大では受動喫煙による健康被害防止のため、97年から構内での「分煙」を始めた。現在は校舎内外に22カ所の喫煙所を設けてある。 だが実際には歩きたばこの学生もいるなど、喫煙マナーが完全には守られていない。研究室での喫煙がボヤにつながったこともあったという。 毎年4月の健康診断にあわせて行うアンケートでは、07年度の学生の喫煙率は8・3%。年々減ってはいるが、職員も含め学内にまだ約500人の喫煙者がいると、立身教授は見る。 4月からはすべての喫煙所が撤去される。吸いたければキャンパス外に出るしかない。立身教授は「これを機に禁煙してほしい」。 しかし、全面禁煙に反対する声は吸わない人の間でも少なくない。アンケートでは全学生と職員の20%以上が反対している。「全面禁煙にすると逆にポイ捨てが増える」「たばこはファッション」といった理由だ。 罰則は設けない。大学は非喫煙者に携帯灰皿を配り、「喫煙者に注意を促してほしい」としているが、実効性には疑問も残る。 先行して構内を全面禁煙にした大学では、学校周辺での歩きたばこやポイ捨てが増え、住民から苦情が相次いだ例もあるという。 岩手大は全面禁煙を機に、大学職員と付近の町内会とが連携して、大学周辺の道路を見回り、吸い殻を片付ける取り組みを始めるという。 県立大も4月から構内を全面禁煙にする。 ●福島県もタクシー全面禁煙に 福島県タクシー協会は7日、加盟社の全車両禁煙化を4月1日から実施すると発表した。全県レベルのタクシー車内禁煙は、東北では秋田県(平成19年12月から実施)に続いて2番目という。今年2月末現在、同協会には法人158事業者・2847台と、個人70事業者・70台が加盟。このうち法人44事業者・300台など一部で禁煙を実施していたが、新年度からは県内の計約3000台すべてが対象となる。協会では「禁煙車両」を示すステッカーや接客マニュアルを配布するとともに、事前周知にも力を入れる。 ●県内タクシー 来月から禁煙/福島 http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000803080003 県タクシー協会は7日、所属する158事業者2847台のタクシーすべ てを4月1日から禁煙にする、と発表した。禁煙車を示すステッカーを車の 両側面に張りつけ、灰皿に「福島県のタクシーは禁煙となります」などと書 いたシールを張るという。乗務員も車内では禁煙とする。 協会は、加盟事業者を通じて全乗務員に携帯用灰皿を渡し、喫煙を希望す る客には車外で吸ってもらうよう勧める。安斎文夫会長は「公共輸送機関で タクシーだけ全面禁煙から取り残されていた。利用者に理解を得ながら運用 したい」と話した。県内では2月末現在、44事業者300台が禁煙車両と なっている。 ●禁煙運動30年 弱腰の健康政策転換せよ サッカー東アジア選手権で観客禁煙 中国開催のトップレベル国際大会では初 http://sankei.jp.msn.com/sports/soccer/080216/scr0802161800002-n1.htm 【重慶(中国)=川越一】きょう17日に開幕するサッカーの東アジア選手権で、中国で開催されるトップレベルの国際大会としては初めて観客席の全面禁煙が実施される。全人口約13億人の35%以上が喫煙者といわれる“喫煙大国”の中国。同様の措置が予定されている8月の北京五輪を前に、競技場での禁煙措置の実効性が試されることになる。 もともと禁煙措置が遅れているサッカー界。2002年の日韓W杯では観客席の禁煙措置が取られたが、その効果は薄かった。06年W杯ドイツ大会では、禁煙措置が取られなかったことに対して批判も起きた。そんな流れの中で、今大会は指定区域以外での喫煙が禁止される。喫煙者を見つけた場合は警備員が速やかに制止し、従わない場合は観客席から立ち去らせることもあるという。 重慶は、たばこを製造、販売している業者から売り上げの0・1%を徴収し、喫煙が人体に与える影響に関する教育の費用に充てるなど、中国の中でも禁煙に対する関心が高い都市だ。しかし、サッカーの観客が指示に素直に従うかどうかはわからない。 2004年のサッカー・アジア杯では、反日感情むき出しの応援が問題になった重慶。今回は横断幕を掲げるなど『友好』をアピールしているが、こちらも本番での様子が注目される。 ●【英国】「禁煙法」導入で禁煙成功者が28%増加 http://www.yakuji.co.jp/entry5876.html 「禁煙法」の導入が世界的に広がっている。英国では2004年のアイルランド、06年のスコットランドをはじめ、昨年7月1日からはイングランドでもバーやレストラン、オフィスを含めた屋内の公共的な場所での喫煙を禁止する禁煙法が施行された。その効果について、英国の国民保険サービス(NHS)のストップ・スモーキング・サービスが調査した結果、施行前年に比べ、禁煙成功者が約28%増加していたことが分かった。 調査は、07年4月〜9月の6カ月間に、NHSストップ・スモーキング・サービスを利用した32万7800人を対象に行われた。その結果、利用者の約半数に当たる16万5000人が禁煙に成功した。「禁煙法」施行前の06年の同期間と比べて、禁煙成功者は28%上回る成績だった。 既に「禁煙法」が施行されているスコットランドでの調査でも、禁煙成功率が高まっている結果が報告されており、「禁煙法」とそれを支える禁煙プログラムが、禁煙成功という成果に結びついたといえそうだ。 この結果に対して、英国の保健相であるドーン・プリマロロ氏は、「これほど多くの国民が禁煙に成功したのは素晴らしい成果だ。現在の英国人成人の喫煙率は24%から22%に減少した。このままいくと、英国の喫煙率を2010年までに21%へ減少させるという目標も達成できるだろう」とのコメントを出している。 英国ではこれまで、いくつかの禁煙対策を打ち出してきた。中でも、00年には禁煙への教育とアドバイスを提供する「ストップ・スモーキング・サービス」を設立。01年からは、いわゆる地域医療を担う医師による、カウンセリングをはじめとした禁煙治療を手軽に受けられるようなシステムをつくり、ニコチン代替療法が必要な患者に対しては、ニコチンパッチやニコチンガムを地域医療機関で処方する禁煙プログラムを普及させている。 そうした英国での実情を踏まえて、大和浩氏(産業医科大学産業生態科学研究所健康開発科学教授)は、「英国では喫煙の有害性を啓発するドラマ仕立てのテレビCMが流れ、地下鉄のホームにも禁煙を促す大きなポスターが貼ってあるなど、反タバコの啓発活動は日本よりも数段進んでいる。また、タバコ1箱が1200円もする上に、禁煙治療は医療保険でカバーされているため無料である。このように禁煙しやすい社会環境が整っている英国の喫煙者は、ニコチン依存性が強くタバコをやめにくい人たちが残る傾向にある。 今回の英国の禁煙法はそのような喫煙者を大量に禁煙させたわけである」と指摘。「わが国でも、あらゆる屋内を全面禁煙とすることを義務とした上で、違反者にも管理者にも罰金を科すような厳格な制度が必要」だとコメントしている。 |