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自然エネ財団 REvision2016

寸評

青山貞一 Teiichi Aoyama

March 12, 2016
独立系メディア E-wave Tokyo
Independent Media E-wave Tokyo
無断転載禁

 全体を通じて2013年同様に強く感じたのは、電力会社に気を使い原発の再稼働ばかりに目が向いている日本政府のおそまつさが、多くの報告者から強く指摘されている点です。
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 自然エネルギー財団は、再生エネを強力に推し進めている団体なので、誇張があるにしても、欧米、中国、インドなどの再生エネの状況は、官民さらにドイツや欧州では地域一体となって再生エネを推進していることがわかります。
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 それはマクロ(経済)的にも地域(経済)的にもです。中小規模の分散型の再生エネの開発利用についても、報告者から多くの指摘があり、またICTやスマートグリッドはじめコンピュータプログラムにより需要と供給をマッチングさせる方法さらには蓄電システムの研究開発と中小規模の分散型システムへの適用など、日本でこそ使うべきと思えるシステム開発や地域への適用がかなり進んでいるように見えました。
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 わたくしが2年半前、日本のドイツ大使館に呼ばれて参加したドイツのラインラント=プファルツ州における再生エネの試みにおいて残されていた課題の多くが、その後、かなり解決に向かっているように感じました。
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 以下にラインラント=プファルツ州の経済・気候保護・エネルギー・国土計画大臣にお会いした時の女性大臣の話および青山らとの議論をまとめています。ドイツについてはいろいろな話を聞きますが、ドイツ国内でも環境、景観、土地利用に留意しながら風力発電を推進してきた大臣との議論には、変興味深いものでした。
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 ◆参考:青山貞一:日独・脱原発自治体首長交流会 参加記-補遺
         (在日ドイツ大使館)ドイツ原発の現状況
    http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col4188..html
    7本あります
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 欧米では市場原理を使ったマクロ経済的な再生エネの推進もあり投資家は経済原理に合わない原発だけでなく火力から次第に燃料費が無料の再生エネへの投資を活発化させ、いまやそれに適合しない企業やビジネスが倒産に追い込まれている、という報告は興味深いです。
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 米国では相当前からイニシアティブという州単位の州民投票で古くなった原発の更新を認めないプロポジション(提案)が可決されており、今後、どんどん原発はフェードアウトしてゆくはずです。そのひとつの大きな理由は、安全税や環境問題とは別に、原発は経済的に合わないと投資家からみはなされていることがあります。
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 青山はたまたまですが、確か42年前、米国のカリフォルニア州で全米初の脱原発のためのイニシアティブのプロポジションが行われた際、現地にいました。これについても当時、論文を書いています。
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 ◆参考:青山貞一:米国における市民運動の動向〜原発開発
         へのかかわりを事例として〜
  技術と経済 No.117, 1976
  http://eritokyo.jp/indepen…/TAoyama_NPPandCItizen1976-12.pdf
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 今回のシンポでは、環境政策との関連はあまり報告、議論されていないようですが、2013年のシンポのときは、風力発電計画への環境影響評価のリードタイムが日本ではすごく長いことが指摘されていました。
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 肝心な環境省が安部政権の原発推進政策にあるせいか、また経済産業省の陰謀かあまり再生エネ推進に前向きとは思えません。
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 日本は3.11以降、膨大な量の化石燃料発電を行っており、当然のこととして大気汚染排出と二酸化炭素排出は激増しています。人体への健康影響もさることながら、森林など自然環境への影響も看過できないはずです。
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 その意味で環境省はトレードオフを考慮した環境政策がエネルギー政策に求められているはずですが、風力発電がアセスのリードタイムが長いことに加え、日本型談合価格によりデンマーク製の風力発電システムが日本に来ると3倍近くになると、2013年のシンポでは、自然エネ財団の理事長(もとスウェーデンの環境省)が言っていました。
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 その結果、また当初のFITでかなり優遇されたこともあり、過去4年、猫も杓子も太陽光発電に傾斜し、わたくしたちの別荘近くの山林でも膨大な規模の太陽光発電システムがあっという間に林立しており、それが自然破壊問題を起こすまでになっているようです。
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 それもこれも、国(とくに環境省、また経済産業省)の理念なき政策の影響のように思えます。