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グリーンピース・ジャパン
20周年記念イベント参加記

FEEL THE CHANGE

Teiichi Aoyama 青山貞一
掲載月日:2009年11月1日


 2009年10月28日、グリーンピース・ジャパン(GPJ)(インターナショナル本部、オランダ・アムステルダム)の創立20周年記念イベントがあり参加した。

 この「FEEL THE CHANGE ―― グリーンピース・ジャパン設立20周年記念イベント」は10月28日をかわきりに11月4日まで原宿のスタースペース(東京都渋谷区神宮前6-3-10スタービル表参道4F)で開催されている。

変化を感じよう!がイベントのテーマ

 このGPJ20周年記念イベントでは、過去40年間、世界の環境保護活動に使われたグリーンピースのTシャツの展示やグリーンピースの環境保護活動が紹介されるほか、国際的な電子機器メーカー18社の環境問題に対する取り組みを評価する「環境にやさしい電機メーカー・ランキング」の記者会見など、現在、国際的に展開しているキャンペーンの最新情報も発信される。

 当日はグリーンピースのデンマークのコペンハーゲン、イギリスのロンドン、米国のロサンゼルスさらに中東のレバノンまで世界各地にあるグリーンピースからスタッフがかけつけ、またGPJの会員、サポータ、さらに私たち(環境総合研究所)のように、GPJを技術面、調査面で支援してきた関係者なども参加した。 


談笑する参加者


壁に張られたGPの全世界における活動を紹介する写真

 私たち(株式会社環境総合研究所)とグリーンピース・ジャパンとの関係は、かなり古くからある。とくに廃棄物政策、ダイオキシン汚染規制、ゼロウエイスト政策、日本の原子力政策などで連携してきた。とりわけ一般ゴミの80%以上を焼却している日本の焼却主義については焼却炉・溶融炉建設への国の補助金・交付金の実態調査、同じく原発関連の補助金・交付金の実態調査では、GPJから環境総合研究所に委託調査が依頼されている。

 またゼロウエイスト政策では、GPJと環境総研が共同で国際シンポジウムを開催した。このシンポには、米国からポールコネット教授を招聘し、日本の廃棄物政策がいかに間違っているかについて、多面的に議論し、その延長でGPJの佐藤潤一さんがポールコネット教授を徳島県上勝町に連れて行き、上勝町の笠松町長に紹介、その結果、町長が日本で最初のゼロウエイスト宣言を行った。

 一方、現在のGPJ事務局長である星川淳さんとは、星川氏が屋久島在住時からの知り合いで、屋久島のゴミ問題など環境政策を支援してきた。2001年のニューヨーク市のWTC倒壊以降は、星川氏の友人、坂本龍一氏が私達の環境行政改革フォーラムに参加した。

 その後、非戦活動、自然エネルギー活動分野でもGPJと環境総合研究所との連携が続いている。その星川氏がGPJの事務局長になって早4年が経過している。


GPJ事務局長の星川淳氏

 レセプションには、イギリス(UK)のロンドンで人権派弁護活動をしているラナ・レファヒ氏(Leagal Consultant)、現在ロサンゼルスに住んでいるが、もともとイギリスのGPで活躍していたマイク・ハロルド氏(現在はThink Idea)など海外から多くのGP関係者も参加されていた。

 私は彼らと時間をかけ今後の世界そして日本の環境政策、とりわけ原発に依存しないCO2削減について議論した。英国には日本同様50基近い原子力発電装置があり、最近閉鎖し3兆円もの債務のもととなっているセラ・フィールド核廃棄物処理施設もある。

 なお、下は日隅弁護士とほんの少しだけ会場に来られた佐藤潤一氏。佐藤氏は元気なご様子だった。


左から青山貞一、GPJ佐藤潤一氏、
英国の人権弁護士、ラナ・レファヒ氏
撮影:日隅弁護士(東京共同補律事務所)

 10月28日のスタービル表参道におけるイベントでは、午後7時過ぎからGPJを支援してきた「著名人」の祝辞があった。その中には、何と永年GPJのサポーターとなっているという丸山和也議員(弁護士)もいた。これには少々びっくり。また芸能分野から中野サンプラザ氏も駆けつけられた。

 オープニングレセプションの挨拶においてグリーンピース・ジャパンの20周年を振り返った星川淳氏は、「この20年間皆さんのおかげで活動できた。これからも多くの方と一緒に、グリーンピースらしくしなやかに、したたかに活動を続けていきたい」と結んだ。


挨拶する星川淳事務局長

 レセプションで挨拶した丸山和也参議院議員は、「地球規模で失われていく環境破壊を何とかしなければと思うなか、地球規模で活動しているグリーンピースには親近感を感じる。あたりまえの事を、あたりまえとアピールする事がいま、求められているのではないか」と語り、今後のグリーンピースの活躍に期待を寄せた。


挨拶する丸山和他参議院議員


挨拶するサンプラザ中野くん


グリーンピース・デンマークも駆けつけた!


レバノンから駆けつけたGPスタッフ

 次に、グリーン&ピース賞の表彰が行われた。これはGPJが創立20周年に関連し環境・平和・人権をテーマにした「グリーン&ピース賞」の募集を行っており、その受賞者をこの場で表彰するものである。

 選考委員は『世界がもし100人の村だったら』の再話作者として知られる作家の池田香代子氏、俳人の松田ひろむ氏、そして、グリーンピース・ジャパン事務局長星川淳が務めた。授賞式では副賞として、特別仕様折りたたみ自転車が大賞受賞者に、そして環境グッズが優秀賞3名に贈られ、代表して賞を贈呈した池田氏は次のように評した。

 「寄せられた作品は量の多さだけでなく、質も非常に高いものがありました。自分の実体験にもとづく作品はどれも光を放ち、なかには切実なものもあって、涙なしには目を通せないものもありました。そうした中で賞の対象としたのは、ご自分の身近なところで何かをする中から、構造的な問題を掘り下げることで、その解決を見出そうとしている内容を選びました。また、中学生の方からの作品が多かったことは、将来への大きな希望を感じさせてくれました」


受賞理由を説明する池田香代子氏

 以下は受賞者に賞状、副賞を渡す池田香代子氏。





 このあと、午後8時30分から場所を同じ表参道で近くにある『アニベルセル』に移し、夕食をとりながら各国のGPスタッフ、GPJスタッフそれにGPJを支援してきた人々による会合が開かれ、午後10時過ぎまでGPJの今後の活動、展開などについて議論した。

追記

 環境総合研究所は、以下の「ERIとは」にあるように、学術分野でグリーンピース顔負けのことをすべて自前でしている!

■言い得て妙、闘うシンクタンク 
 米国にいる友人は、ERIを「闘うシンクタンク」と呼んでいる。 言い得て妙である。ERIは多くの環境弁護士と連携してきた。大きなものでは川崎公害裁判。この裁判では東京高裁の控訴審において、自動車排ガス解析や高度なシミュレーションをもとに東京高裁の証言に立った。東京大気汚染裁判や東京都日の出町広域最終処分場操業差し止め裁判でも東京地裁の証言に立っている。所長の青山は反対尋問にめっぽう強く、ひっきりなしに証人依頼がくる。もちろん勝訴もあれば敗訴もあるが、法定で第三者としてめいっぱい証言することが重要である。現在はゴミ弁連(約100名の環境弁護士)と連携し、日夜がんばっている。
 
 このように規模は超ミニだが、ERIは高度情報化社会における「第三者的研究機関」をめざし、グリーンピース顔負けの活動をすべて自前で展開している。その行動力と実績は、現在、国際的にも高く評価されている。

 
「ERIとは」より