2008年5月24日のCNNは、米国産標準油種(WTI)のニューヨーク取引所における原油価格が急騰し、1バレル=135ドルを突破したと報じている。
もう、どうにもとまらない投機だ。そして対米追随諸国は危機的な経済状態に追い込まれることは必至の情勢となってきた。
NY原油が急騰、最高値更新 1バレル=135ドル突破
CNN
ニューヨーク(AP) ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は22日、指標となる米国産標準油種(WTI)の7月引き渡し分が時間外取引で一時、1バレル=135.09ドルをつけ、新たに最高値を更新した。
135ドル台は初めて。21日の時間外取り引きで、初めて130ドル台を突破し、高値での取り引きが続いて、終値は133.17ドルと、史上最高値をつけていた。
130ドル台になったのは、需要逼迫感の強まりとドル安のためと見られる。石油輸出国機構(OPEC)が増産に否定的な姿勢を示すなか、中国の輸入が活発なことも一因となっている。
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原油が1バレル=120ドルの場合、1リットルで75円、1バレル=135ドルの場合、1リットルで85円となる。ただし、1ドル=100円の場合。
これはあくまでもWTI価格であり、これはもっぱら対米追随する欧日諸国への引き渡しする価格の最高値である。今後、1バレル=200ドルまで高騰するという予測もある。
では産油国レベルでの原油の採掘価格はどうなのか?
調査の結果、産油国内では1バレル当たりの採掘原価はやはり10ドル以下であることが分かった。もちろん、国によって異なるが、おしなべて1バレル=10ドル以下である。
これを1リットル当たりの原価で示すと、10/159=0.063ドル、すなわち日本円で6円程度となる。推定するに、これは最高価格であるから、実際には1リットル当たり3円、4円、5円程度となる。
対米追随諸国ではヘッジファンドなどの投機的な価格操作によって、1リットル当たり85円と高騰している米国産標準油種(WTI)だが、産油国では、それと無関係に1バレル=10ドル以下、1リットル=3〜6円で取引されている。
米英主導のグローバル経済がいかに恣意的なものであるか、また容易に世界経済を壊滅的な状況に追い込むものであるかがよく分かる!