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Dタイ大洪水の思わぬ影響
〜HDDが3倍に暴騰〜
青山貞一 Teiichi Aoyama
掲載月日:2011年11月7日
独立系メディア E−wave


 Core i5 2500Kを使った超高速、超大容量パソコンの自作の部品を検討している最中、とんでもないことが起きた。

 なんと、主要な部品である内臓ハードディスクが一気に3倍以上、値段が跳ね上がったのだ。以下は、価格コムに見る高騰のデータである。いずれもメーカーを問わずハードディスク3倍以上に高騰していることが分かる。

 下はWD20EARX [2TB SATA600] の価格推移グラフである。もともと、6000円台だった内臓3.5インチハードディスクがなんと16000円台まで高騰しているではないか!

http://kakaku.com/item/K0000256713/pricehistory/


 他の製品でもほぼ同様に3倍以上値上がりしている。

http://kakaku.com/item/K0000239107/pricehistory/
http://kakaku.com/item/K0000183490/pricehistory/

 何ともびっくりだが、下はタイにあるWestern Digital者が大洪水で浸水している写真である。



◆HDDが2〜3倍に急騰 パソコン不足も懸念
2011.11.7 21:13 産経新聞

 タイの洪水の影響で、パソコンなどに使われるハードディスク駆動装置(HDD)の価格が急騰している。タイは世界のHDD生産の6割を占める。HDDは汎用品なので中国や台湾などでも量産されているものの、品薄感で価格が跳ね上がっているという。

 「パソコンに内蔵するタイプのHDDで価格は洪水前の2〜3倍。異例中の異例だ」。東京・秋葉原のパソコンショップの店員はそう話す。

 周辺機器大手のバッファローは外付けタイプの55機種を11月に値上げし、記憶容量2テラ(1テラは1兆)バイトの売れ筋モデルを1万1500円から1万6800円に引き上げる。NECパーソナルコンピュータの担当者は「従来の調達先にこれまで通りのHDD供給をお願いしている」と話す。

 大生産地のタイでのHDD生産が減少したままでは年末のパソコン需要に対応しきれない恐れもあり、MM総研の中村成希アナリストは「一部製品が店頭から消える可能性もある」と語る。MM総研によると、競争激化や景気悪化でパソコンの平均価格は前年に比べ1万円も下がり、HDDの値上がり分を価格に転嫁する余地も少なく、大手メーカー関係者は「確保できても採算は悪化せざるを得ない」と悲鳴を上げる。

 調べると、ハードディスクだけでなく、パソコンのマザーボードに関連する部品もタイで製造しており、秋葉原などのBTOショップの部品在庫が切れはじめると、HDDの高騰にとどまらず、パソコン自身が出荷できなくなる可能性も出ている。
 
 これはBTOショップに限らず、エーサー、NEC、富士通など大手パソコンメーカでも同様にパソコンそのものの出荷制限になりかねない状況となっている。

 そんなこともあり、 Core i3 2500Kを使った超高速、超大容量パソコンの自作をあきらめていた。というのも、私がプランでは、当初、部品代だけで約46000円となっていたのだが、HDDが3倍にも値上がりしているので、単純に部品代だけで58000円になってしまい、当初の計画を断念せざるを得なくなった。

 そんななか、11月7日、慈恵医大病院で大手術1年後の検査を終え、ひさびさ秋葉に出かけたところ、BTOショップのFaithの以下の広告を見つけた!

Seed Micro i52500KX/DVR-1111S 49800円(税込)
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 Faithの店員に聞けば、広告に出している製品は、限定で部品の在庫をもっており、この価格で一週間程度で出荷可能とのこと。さっそく購入をきめた!

 それにしてもタイの大洪水がこんなところにまで大きな影響、被害を与えているとはつゆ知らなかった。考えてみれば、トヨタの自動車関連の電子部品もタイで製造していて現在大きな影響を受けている。

◆トヨタ、「ランクル」生産一時停止…タイ大洪水
読売オンライン

 トヨタ自動車は7日、タイの大洪水で部品が不足している影響で、日本国内で生産しているスポーツ用多目的車(SUV)「ランドクルーザー」などの生産を一時停止した。

 国内では、すでに一部ミニバンの生産が止まっており、今後も高級車「レクサス」の一部車種や商用車「ハイエース」など生産停止となる車種が拡大する見通しだ。

 トヨタは年内にタイ工場を再開する方針で、部品の代替生産を急いでいるが、足元では汎用品のIC(集積回路)チップなどの部品不足が続いている。

(2011年11月7日23時25分 読売新聞)

 労働コストの削減だけを求めアジアに直接投資で集中豪雨的に進出してきた日本、米国などの大企業だが、それが本当の大洪水で大打撃を受けているのは皮肉なことである。

 リスク管理的観点からは、極度な集中は避けなければならいことが改めて認識されるが、おそらく1ドル50円まで続く極度な円高、東日本大震災、TPP騒動。そんななかで起きたタイの大洪水だが、私のパソコン自作プランにまで大きな影響を与えたのには、驚いた!