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スコットランド独立の背景

(1)はじめに

青山貞一 Teiichi Aoyama

September 8 ,2014
Alternative Media E-wave Tokyo
無断転載禁
※独立系メディアの<スコットランド>スレッド

 独立系メディア E-wave Tokyoや青山のフェイスブックでは、何度となくお知らせしているが、この9月18日(2014年9月18日)、スコットランドで英国から独立するか否かの国民投票が行われる。

青山貞一:スコットランド独立の是非 住民投票で英と合意 
 

上の写真は2012年7月25日に青山、池田がスコットランドに
現地視察に行った最終日に撮影したもの
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2012-7-25 Scotland


スコットランドの「国歌」となっている Scotland the Brave
  歌詞と歌付き

 G7やG8の中核国である英国で、何で今独立のための国民投票? といぶかる人も多いだろうが、当然それには背景も訳もある。

 日本のメディアは、経済面から独立は無理だとか、通貨はどうするんだとか、外交防衛軍事はどうするんだと言った観点から、独立など出来るわけはないとする論調が多い。

 NHKがBS Waveで特集していたが、そこでは、スコットランドの西南部にあるトライデントという核弾頭基地問題ばかりに焦点を当てていた。イギリスの核基地がスコットランド人にとって困る存在であるとともに、地元の人々は基地があるから雇用があるなんていうレベルの特集だった。

 確かに、人口で500万人規模、北海道と同じ面積のスコットランドが米英の英(UK、イギリス)から独立など出来るのか? と思うのも無理はない。

 もちろん、スコットランドは面積や人口は小さいが、イングランドなどを遙かに凌駕する人材の宝庫であり、その戦略性、政策は多くの面でイングランドを 超えているといえる。またスコットランドは後述するように、民族、言語、宗教などあらゆる面でイングランドとは一線を画しており、歴史を知るひとにとっては、なんでスコットランドはイングランドなどといつまでも一緒にいるんだと思うに違いない。


スコットランド議会の議員達 2012年7月

 しかし、ここでは敢えてスコットランドが独立を希求する歴史的背景について現地調査をもとに述べてみたい。

 ※過去のスコットランド関連ブログ


◆スコットランドの独立精神を学ぶ旅

 私と池田こみちは、2012年7月、英国のヒースロー空港経由でスコットランドのエジンバラに行き、その後実に2200kmに及ぶスコットランドの現地視察を行った。


2012年7月 スコットランド+北イングランド現地調査図(総延長約2200km) 

 当然のこととしてスコットランドに行く前、行った後にスコットランドの歴史や文化、さらに政治、経済、エネルギー政策などについて綿密な勉強を行った。

 スコットランドが今、なぜ国民投票か、という問いに対し、おそらくまともに答えられる日本人は少ないと思える。

 スコットランドが英国から独立する背景、理由について一言で言うなら、それはスコットランドとイングランドとの歴史にある。
 
 もちろん、スコットランドのひとびとですら、現在、スコットランドの歴史をしっかりと学んでいるかどうか分からない。

 英国滞在が長い知人に聞いたところ、メアリー・スチュアート(女王)について知っていても、スコットランドの歴史を学んでいる人はそう多くはないのではないかと言っていた。


スコットランドといえばやはりこのキルトとバグパイプ
エジンバラ城にて 
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 


昔のスコットランドの首都、パースにて
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10

◆スコットランドとイングランドの関係は夫のDV(ドメスティックバイオレンス)に
  悩む妻の関係に例えることが出来る

 最初に、なぜ、スコットランドがイングランドから独立したいか、その歴史的な理由として、コットランドとイングランドの関係は夫のDV(ドメスティックバイオレンス)に悩む妻の関係に例えることが出来ると思う。

 もう一度言おう。スコットランドとイングランドとの関係は、夫のDV(ドメスティックバイオレンス)に悩む妻の関係に例えることが出来ると思う。しかも、何度となく離婚を覚悟し、妻が夫に離婚を提案しても、夫は一向に意に介さない関係だ。

 夫婦に子供はいるが、生まれた子供は早いうちから夫の母親が育て、妻は手が出せない。

 もちろん、妻にDVをし続けた夫は、妻の言い分をある程度認めた。しかし、肝心な事柄では妻の言い分は却下されることが多かった。

 永年DVに悩み抜いた妻が一大決心し、離婚しない夫に離婚訴訟を提起する、それが2014年9月18日の国民投票であると言えよう。


これはスコットランド議会。2012年7月、エジンバラにて撮影したもの。
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2012-7-25 Scotland

つづく