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テレビ朝日サンプロ、
田原氏の侮蔑的言動(2)

青山貞一

2006年11月19日



●独立系メディアへの情報提供・通報・投稿

 2004年5月30日、私は当時のテレビ朝日の報道情報局長の中井氏にお送りした私信をもとに以下のブログを書いた。(ブログは以下の黒い部分
 
 テレビ朝日のサンデープロジェクトでは、その後も田原総一朗氏はゲスト、とくに野党系国会議員への暴言、侮蔑的発言を繰り返していた。これについては、読者もご覧になられご存じの通りであると思う。

 今日(2006年11月19日)のサンデープロジェクトでは、教育基本法の改正に関連し、与野党の国会対策委員長を呼んでの議論となった。以下にテレビ朝日のホームページにある番組内容の告知を示す。

■テレ朝、サンデープロジェクト
2006年11月19日放映告知内容


教育基本法改正案、衆院を通過、野党は国会審議を全面拒否
これからどうなる国会?教育基本法の行方と「やらせ質問」問題の解明は?相次ぐ「いじめ自殺」をどう防ぐ?国会でダメなら、サンデープロジェクトで与野党大激論

安倍政権がこの臨時国会の「最重要法案」と位置づけた教育基本法改正案が、衆院本会議で、与党単独で可決された。民主、共産、社民、国民新の野党4党は「審議が尽くされていない」として採決を欠席、国会の全ての審議を拒否する方針だ。改正案は参院に送られたが、野党4党の強い抵抗が続く中、12月15日の会期末までに成立させるにはぎりぎりの日程で、与野党の攻防は激化する一方だ。

そんな中、政府主催のタウンミーティングでの「やらせ質問」問題は、ついに謝礼金までが支払われていたことまで判明した。全容の解明はまだまだで、相次ぐ「いじめによる自殺」を防止するための有効な手立ても何ら打たれていない。これらをどうする?
 
こんな大切な時に、国会がこんなことでいいのか?国会で与野党の審議がストップするのなら、このサンデープロジェクトでやってもらいましょう!与野党の国会対策の責任者が集結し、国会では出来ない大バトルを展開します!乞うご期待!

≪出演≫
二階 俊博 (自民党国対委員長)
漆原 良夫 (公明党国対委員長)
木 義明 (民主党国対委員長)
穀田 恵二 (共産党国対委員長)
重野 安正 (社民党国対委員長)

 ここでも田原氏は野党、とくに民主党の国会対策委員長に対して聞くに耐えない、見るに堪えない侮蔑的な言動を繰り返していた。

 そもそもこのサンプロは、田原氏の言いたい放題、やりたい放題の番組となっており、およそまともな議論や討議となっていない。田原氏の醜さだけが残る後味の悪い番組となっている。

 そもそも議論や討議の中身がどうのこうのと言うこと以前に、「あんた...」という失礼極まりない横柄な態度にはじまり、議員に発言を促しておきながら数秒もたたないうちに、発言を遮る。封じる。

 しかも、自分の価値判断を与野党の国会議員に一方的に押しつける。

 それを議員が肯定しないと、YESと言うまで執拗に議員に対し誘導尋問を繰り返す。

 さらに、自分の都合が悪くなると、時間がないのでまたの機会になどと言って議論を終えてしまう。

 これほど傲慢で独善的な司会者も珍しい。

 今日のサンプロでは、失礼極まりない物言いに、聞いていてうんざりした。

 周知のように、このサンデープロジェクトという番組は、報道各社が田原氏が幹部議員から何らかの言質をとり、それをその後のテレビのニュースや翌日の新聞に掲載することとなっている。

 そんなこともあってか、田原氏が強引に何らかの結論を引き出すことが通例となっているのだが、それにしても酷い内容だ。

 エキセントリックと言うよりはパラノイア的かつヒステリックに出演する国会議員をバカ呼ばわりしたり怒鳴る。あるいは恫喝する。挙げ句の果てに侮蔑的な発言を繰り返す。それで強引に田原氏の考える結論に誘導する、と言ったことが多い。

 田原氏は一体何様か知らない。

 しかし、単なるテレビ番組で、今回のような教育基本法のような一国を左右する重要なことが決められては国民はたまらない。

 小泉政権以来のテレビ朝日、とくにサンプロの変節は、今や誰でも知るところであるが、とくにこのサンプロにおける田原氏の言動は、許容の範囲を超えていると思うのは私一人ではあるまい。

 最後に、議論の内容にも少し言及しておきたい。

 具体的に言えば、与野党の議論を促すという司会者の役割をそっちのけで、自分の手柄を作ることに終始し、野党を国会の議論に引き出すことがさも自分の役割かのように田原氏は勘違いしているのではないか、と思える。

 見ていて腹が立つというのを通り越し、この人は確信犯的な●●ではないかと思った。

 そもそも、田原氏がまともなジャーナリストなら、なぜ野党が審議拒否に至ったかの本質、責任こそ問うべきであり、野党が欠席していることが問題のようなステレオタイプの指摘を司会者がしても意味がないだろう。

 田原氏は「民主主義は多数決」と言い切っていたが、これなど民主主義のはき違えも甚だしいのではないか!

 さらに、タウンミーティングにおける文部科学省や自民党がテレビ各局顔負けの「やらせ」「さくら」「買収」をしていたことは、まさに官製談合そのものである。

 100数十時間の議論を行ったことや、参考人などの意見を聞いたこと、といった手続論とはまったく別の次元で、きびしく問いただされなければならない問題だ。まさに手続民主主義に日本全体が蹂躙され、すべて本質がそっちのけとなっている縮図がこの番組にあるような気がする。

 なお、テレビ朝日には以下のように本ブログをご覧くださいと伝えた。



サンプロ(テレ朝)田原総一朗氏の侮辱的言動について 

テレビ朝日報道情報局長
 中井靖治様


 青山貞一です。

 たいへん、おひさりぶりです。

 今回のメールは、サンデープロジェクト司会者の田原総一朗氏の言動に関するものです。

 田原氏は、ご承知のように先週のサンデープロジェクトの小泉再訪朝の番組で、早稲田大学教授の重村知計氏の発言を封じ、重村氏の発言を制する。さらに突然、怒鳴るなど、ゲストに侮辱的言動を繰り返していました。
  
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 ●裏切られたブルーバッジ/小泉擁護で逆上した
   田原総一朗の醜態
    
田原総一朗、麻生千晶、重村智計・早大教授週刊新潮(6/3)

   リード文
   短気な老人が、激昂してステッキを振り回しているような
   後継だった。5月23日の朝、テレビ朝日「サンデープロジ
   ェクト」に出演した田原総一朗氏(70)のことである。自分
   の感情をコントロールできない年老いたキャスター。その
   醜さに、おもわず目をそむけた視聴者も多かったはず。

   相手の言葉を遮り、意見を封じる。その上で、持論を滔々
   と展開するのが、田原氏の常套手段だが、........

 ●田原総一朗「私が重村智計・早稲田大教授にキレた理由」
     
田原総一朗、重村智計・早稲田大学教授週刊現代(6/12)


 田原氏は重村知計教授に限らず、私が知るだけでも過去、かなりのゲストに、通常では考えられない侮辱的な言動を繰り返してきましたが、今回の言動は、誰が見ても醜態そのものであり、看過できないものでした。

 私は田原氏の発言を単なる社会通念、礼儀上の問題としてではなく、以下に示す刑法上の観点、とくに第231条(侮辱)との関連において大いに危惧します。

 それくらい田原氏の発言は常軌を逸したものと言えます。当人にほとんど自覚がない可能性もありますが、中井様におかれましては、番組の制作責任者として過去にさかのぼり、ひとつひとつ番組を検証して欲しいと思います。

 視聴者からすると、田原氏のあのような対談者に対する侮辱的な発言は生理的嫌悪感を与えることはあっても、けっしてプラスにはならないと考えます。

第34章 名誉に対する罪

(名誉毀損)
第230条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

(侮辱)
第231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

 上記の刑法第34条にある名誉毀損、侮辱は言うまでもなく親告罪です。したがって、被害をうけた当人が相手を刑事告訴し、警察あるいは検察が受理しなければそれまでとも言えます。

 今まで刑事告訴や損害賠償(民法)が提起されていないのは、田原氏の侮辱的発言の相手の多くが国会議員であったからだと思います。

 相手が国会議員であることをよいことに、罵倒、罵声、名誉毀損、信用毀損的な言動を繰り返しているとすれば、それを許している報道情報局、さらにテレビ朝日自身が人権意識に乏しい放送局であり、その見識が視聴者に問われることになります。さらに今回の侮辱の相手は私学の教授です。国会議員とは異なり、反論の機会は限られています。

 5月30日のサンデープロジェクトで田原氏が重村知計氏を侮辱したことに反省の弁を冒頭に述べると期待しておりましたが、それどころか重村氏ら再訪朝を批判する論客、コメンテーターをひとりも呼ばず、他方岸井氏や安倍幹事長にをスタジオに呼び、、はじめから小泉再訪朝は評価に値する、と言う氏の言い訳がましい発言を繰り返していました。

 議論はどんなに熾烈を極めても構いませんが、最低限あのような常軌を逸した侮辱的、暴言的あるいは名誉毀損的な発言を司会者が行うことはあってはならないと考えます。

 田原氏がいかなる考え、論評をしようと、それはまさに憲法で保障された表現の自由でよいでしょう。しかし、自分と考えの違う相手、それもテレビ局がゲストとしてお呼びしている相手に、いきなり罵倒、侮辱することが許容されてよいはずがありません。