ダイオキシン類似物質 たばこの煙に“たっぷり” 山梨大教授米誌に発表 コメント:青山貞一 2006年7月29日 |
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3年前に喫煙に伴い体内に摂取されるダイオキシン類について、世界で最初に本格的研究を行い国際学会で発表したのは、青山ら環境総合研究所グループだ。以下はその論文タイトルと論文の概要(英文)である。 Title: RISK ASSESSMENT OF DIOXINS IN CIGARETTE SMOKE Author: Teiichi Aoyama, Komichi Ikeda, Atsushi Takatori and Terry Obal http://eritokyo.jp/2003-dxn/Tobacco.pdf 以下は学会発表前に東京新聞に掲載された記事である。 環境総合研究所が国際会議発表へ、たばこ一箱一日、リスク上乗せ http://eritokyo.jp/law/cig-risk-assessment1.htm 発表した国際学会は通称、国際ダイオキシン学会、正式会議名は、International Symposium on Halogenated Environmental Organic Pollutants」 andPOPs です。学会では17カ国の研究者から質問、資料請求が出された。http://eritokyo.jp/eri-english/eri-dioxin-conference.html この研究は私たち環境総合研究所とカナダの化学分析機関、Maxxam社の共同研究で行った。 研究の概要は、次の通り。 日本、米国で販売されている5種類の主要銘柄を対象に主流煙、副流煙両方についてTDI(耐容一日摂取量)を算出した。対象化学物質は、PCDD,PCDFそれにCo-PCB(コプラナーPCB)である。 その結果、日本のTDI(4ピコ)は超えないものの、ケント1mgがWHOのダイオキシン摂取勧告値、1〜4pg-TEQの下限値、すなわち1ピコに近い0.9ピコとなった。 現在、日本のTDIは上限値の上限値4ピコとなっているが、EUなどでは下限値の厳しい1ピコを採用している国もある。いずれにしてもたばこを一日一箱吸うひとは、吸わないひとに比べ一日最大1ピコグラム多く摂取することになる。 ところで以下の新聞記事では山梨大学がダイオキシンに似た化学物質が何なのか分からいが、複数のベンゼン核をもち明確な発ガン性を有する物質ということであれば、PAH、すなわち多環芳香族炭化水素がある。 これは数10年前からたばこの煙に含まれることが確認されている。PAHには数100種類の異性体があるが、とくに毒性が強いPAHは、ベンゾ(a)ピレンである。たばこの煙にこのベンゾ(a)ピレンが含まれることも数10年前から確認されている。 たばこの煙に含まれるタールなどにも発ガン性が確認されているが、私たちが研究発表する以前の段階でのたばこの発ガン性の主因は、これらPAHだったはずである。 研究報告書を入手してみるが、もし、ダイオキシンに似た化学物質がPAH類であれば新しい研究ではないし、PAHの毒性係数とダイオキシン類類の毒性とはよってたつ根拠が異なるので、100〜200倍などと比較することはできないはずだ。 PAHのあるものは、主要な発ガン昨日であるinitiator 機能あるいはproducer機能の両方をもっていることが確認されている。 ということで、ダイオキシン類似の物質が何なのかが問題となる。 > |