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◆気象庁、噴火警戒レベル基準公表 

御嶽山など3火山(信濃毎日)

March 26, 2016

Alternative Media E-wave Tokyo


◆気象庁、噴火警戒レベル基準公表 御嶽山など3火山(信濃毎日)
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160326/KT160325ATI090020000.php

 気象庁は25日、御嶽山(長野・岐阜県境)と浅間山(長野・群馬県境)、桜島(鹿児島県)の3火山について、噴火警戒レベルの引き上げ、引き下げの判定基準を初めて公表した。予知できずに最も低いレベル1(平常=当時)のまま噴火した2014年9月の御嶽山噴火災害を教訓に、曖昧な面があった引き上げ基準の内容を見直し、可能な限り明確化した。今後、警戒レベルを導入した他の火山(現在31)についても同様に明確化を図り、順次公表する。

 判定基準はこれまで同庁の内部資料だった。御嶽山噴火後、火山噴火予知連絡会が設けた火山情報の提供に関する検討会が昨年3月にまとめた報告で、公表と内容の精査を求めていた。御嶽山噴火前、同庁は前兆とも受け取れる火山性地震の多発を「解説情報」として発表するにとどまってレベルの引き上げに至らず、地元関係者に危機意識が伝わらなかった経緯がある。

 御嶽山で火口1キロ以内への立ち入りを制限するレベル2(火口周辺規制)への引き上げについて、従来基準は「次のいずれかが観測された場合」として地震や火山性微動の増加など5項目を挙げ、「総合的に判断する」との注釈を付けていた。

 新基準は5項目を維持し、注釈を削除。5項目に該当する現象が一つでも起きれば例外なく引き上げる。1年半前の御嶽山の状況を例に取ると、火山性地震の多発だけで2に引き上げられたことになる。他の火山でも「総合的判断」はなくす方針だ。

 一方、1への引き下げ基準では「(引き上げ項目の)現象が観測されなくなっておおむね1?2週間以上」を、「平穏時に戻る傾向が明瞭」などと改めた。地元関係者との相談も視野に、ここでは総合的判断の要素を残した。

 浅間山は研究の蓄積が全国的にも豊富で前兆の把握に成功した経験もあることから、新基準は従来の内容を基本的に踏襲し、地震や微動などの基準をより詳細に設定。噴火が頻発する桜島は、火砕流の到達距離などに応じて地元関係者が取り決めた警戒規定の内容も、新たな判定基準に反映させた。基準の見直しを担当した同庁気象研究所の山里平火山研究部長は「基準の共有化を進め、関係者にも心構えを持ってもらえるようにしたい」としている。

(2016年3月26日)