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◆御嶽山の山小屋「覚明堂」廃業へ 

噴火後初の撤退 
信濃毎日新聞

March 26, 2016

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◆御嶽山の山小屋「覚明堂」廃業へ 噴火後初の撤退 信濃毎日新聞

 営業を再開しない方針が明らかになった覚明堂=2015年10月、御嶽山黒沢口登山道

 御嶽山の木曽郡木曽町三岳からの黒沢口登山道9合目上にある民間の山小屋「覚明(かくめい)堂」が今後の営業を取りやめる方針であることが25日、分かった。一帯の登山道沿いにある10カ所の山小屋のうち、2014年9月27日の噴火後に撤退を明らかにした山小屋は初めて。同町は「防災面での影響はない」(原久仁男町長)とするが、噴火時に登山者を誘導するなどした拠点の一つがなくなる。

 覚明堂は、所有者だった同郡王滝村の男性が12年に亡くなる少し前に、営業をいったんやめた。その後、NPO法人の代表者が宿泊を受け入れない避難小屋として運営。所有者の娘に当たる王滝村の団体職員、山田みすずさんは25日の取材に営業を取りやめる意向を示した。山田さんは「解体に費用もかかるので、建物をどうするかは決めていない」と話した。

 覚明堂は14年噴火時、周辺にいた多くの登山者が避難。小屋スタッフが、山頂方面から下山したけが人の応急手当てなども担った。

 10カ所の山小屋のうち、昨年の夏山シーズンに営業を再開したのは、黒沢口登山道7合目の行場山荘、8合目の女人堂、岐阜県下呂市の五の池小屋の3カ所。今夏は黒沢口登山道9合目の石室山荘が営業を再開する予定だ。

 ほかに、二ノ池の木曽町側にある二ノ池本館は同町が所有者から譲り受けた上で、今後3年間で解体し、山小屋として建て直す方針。岐阜県側の二の池新館も再開を目指している。王滝口登山道にある王滝頂上山荘も屋根などを補強し、山小屋や避難小屋として使う意向。

 山頂の剣ケ峰直下の二つの山小屋は大きな被害を受けた。御嶽頂上山荘は、木曽町が山頂まで登れるようになったら解体し、避難小屋やシェルターを建て直す方針。御嶽剣ケ峰山荘について、運営する木曽御嶽観光の胡桃沢寛司社長(77)は「どうするか判断できない」としている。

(2016年3月26日)