「理研」=「利権」+「保身」 その犠牲となった小保方さん 青山貞一 Teiichi Aoyama April 10 ,2014 Alternative Media E-wave Tokyo 無断転載禁 |
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2014年4月9日、くだんのSTAP細胞騒動の渦中にいる小保方晴子さんの会見があり、IWJのライブで聞いた。全部聞いたわけではないが、70%ほど聞いた。 小保方さん自身、学術論文を執筆する上で必要な最低限の作法、ルールが守られていなかったことは間違いない。これについて彼女は会見で弁明もしたが謝罪も何度もした。 STAP細胞騒動に関連し、まず最初に言いたいことは、神様で無い限り、誰にでも間違いはあることだ。私と池田こみちが30年以上前に共訳した「ノーマンの技術文明論〜持続可能社会への展望」(学陽出版)の冒頭で、ノーマン氏は、数あるギリシャの神々の中で科学技術の神、ヒファースタスだけが不完全の神であったと述べている。 それを理研関係者やマスコミがいつまでも、寄ってたかってネチネチとバッシングするのは、まるでパワハラ(パワーハラスメント)であり、アカハラ(アカデミックハラスメント)である。さらに言えば、弱い立場にいる女性をよってたかって叩くさまは、セクハラではないのか? これから第一線の研究の世界に入ろうとしている若い研究者が、この激烈なバッシング劇を見ていたら、シュリンクせざるをえない。立場上弱いものをいじめる、叩くことをハラスメントと言うが、今やSTAP問題は、完全にそうなっている。 今回の一連の問題を将来に向け前向きに考えるなら、その核心は、言うまでもなくSTAP現象が事実として存在したかどうかである。小保方さんは体調最悪の中、3時間弱の長い会見のなかで、何度となく繰り返されるその質問に答えていた。「STAP細胞の存在を確信している」「200回つくった」と。 会見で記者らは、ではどうやってそれを第三者が確認できるのか、詳細なプロトコル(手順)やコツをなぜ公開しないのか、それを見た人は誰かと、まるで刑事や検察官の取り調べのような口調で何度も何度も質問していた。 次に言えることは、STAP細胞が世界的な発見であるとするなら、そのオリジナリティーを自分の発見として確実なものとするまで、安易にプロトコル(手順)やコツ、さらに言えばノウハウを公開することなどありえないことである。 さらに、この分野での発見は、世界中の関連企業が虎視眈々とその成果をもとにビジネスとすることを狙っている。官邸が理研を特定研究機関として指定する腹づもりでいたのも、京大山中教授ののiPS同様、「金のなる木」、錬金術の源と考えたからに他ならないのである。 9日の3時間弱の記者会見でまったく出なかった質問がある。それは、彼女がハーバード大学留学中の指導教官であるバカンティ教授らがSTAP細胞関連の特許出願をすでにしている、ということである。手元にある情報では、特許出願にはバカンティ教授だけでなく、小保方さんやネイチャーの論文の共同執筆者も含まれている。 これは推察だが、小保方さんが詳細なプロトコルやコツなどノウハウを説明しない大きな理由は、STAP細胞関連の特許出願にあると思える。虎視眈々とiPS細胞やSTAP細胞などの発見や成果を狙う世界中の研究者や企業がいる限り、ノウハウをあからさまに公開するわけはないのである。 2014年4月9日の会見中の小保方さんのライブ映像 出典:IWJライブ映像 今回の一件にあって、学術論文を執筆する上での作法、ルールを逸脱した未熟さの問題とSTAPの第一発見者が小保方さんであることとは、冷静に分けて考えるべきである、と思える。 無論、オリジナリティーを自分の発見として確実なものとするためには、レフリー付きの学術論文投稿が必須なものであり、彼女は国内の学会ではなく、英国のネイチャーを投稿先に選んでいる。 もっぱら理研とネイチャー編集部との間には以下が取りざたされているが。日本の多くの学会が、仲間内の共益ばかりを重視し、本来の意味での公益が考慮されていない現実も問題だ。これはレフリー付きの学術論文投稿についても妥当する。どんなにオリジナリティーある論文であっても、それが既得権益を打ち破るものであると、学会学術委員会にいる省庁や企業の匿名審査員が、あれこれと難癖を付けることで最終的に学術論文とならない現実を多々みている。 ◆小保方論文を生んだ「理研」「ネイチャー」に癒着の構図 http://gendai.net/articles/view/newsx/149318 日刊ゲンダイ 2014年4月8日 結果として、厳しい第三者の目と批判に曝され、「ねつ造」だ「改竄」だと指摘されることになったのである。 世紀の大発見、ノーベル賞物だとさんざん彼女を持ち上げていた日本のマスコミは、ろくに自分の頭で考えることなく、一転して論文の誤りとSTAP細胞の有無は「別次元の話」であるはずなのに、一緒に毀損しまくった。 第一発見者でありオリジナリティーをもつ可能性が高い小保方さんの実務的な業績、成果をろくに取材することなく、彼女を寄ってたかって袋だたきにしてしまったと言える。 繰り返すが、本来大切なことは、何万回かの実験を繰り返す中でSTAP細胞を「200回つくった」事実であり、その真実性である。 実は、49年前、私が大学に入ったとき、学部長から次のような話を聞いたことを思い出した。「学生が授業の一環として行っていた「学生実験」で、ある特異な常識を覆す現象を発見したしかし、その学生はその現象の理論づけ、すなわち理論的な説明はできず学術論文も書けなかった。その後、その学生実験で発見された現象は、江崎氏が理論づけを行いノーベル賞を取った。」ということだ。 もし、STAP細胞も、小保方さんが毎日の膨大な実験の中で発見し、あるいはつくり、それを指導教官的な研究者が論文にまとめれば、まさにノーベル賞並の発見となっただろう。しかし、小保方さんは、学部の学生ではなく、理化学研究所の研究者であったこと、また第一発見者が論文の筆頭となるならわしから、ネイチャー論文を執筆し、今回のようなことになったと思える。 ◆小保方さんらのネイチャー英論文全文 Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency Haruko Obokata, Teruhiko Wakayama, Yoshiki Sasai, Koji Kojima, Martin P. Vacanti, Hitoshi Niwa, Masayuki Yamato & Charles A. Vacanti http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/full/nature12968.html いずれにせよ、最終的に大切なことは、実験の中でSTAP細胞をつくりだしたことであり、それ以外、すなわち学術論文は知的所有権、特許登録に類する世界各国における当該分野の研究の先陣争いの証文にすぎないと思える。 もちろん、証文は大切であるが、本来それは共同執筆者や彼女に助言すべき立場にいる研究者や教授らが丁寧に事前相談に応じ、事前チェックすべきものである。 その観点から言うと、理研の先輩研究者、共同研究者らは何をしていたのであろうか? マスコミが「ねつ造」だ「改竄」だと、馬鹿騒ぎしはじめるや否や、研究所の上層部、そして共同執筆者まで彼女から距離を置き、さらには彼女の言い分をろくに聞かずして、偉そうに上から目線でこれでもか、これでもかと指弾している。世紀の発見であるなら、なおさら彼女が書いた英論文の草稿を共同執筆者らがしっかりチェックしなかったのかが大いに問われるだろう。 推測だが、小保方さんのネイチャー論文は、理研が特定研究機関の利権を得るために、相当執筆を急がされた可能性は否定できない。 聞けば、理研の上層部は、国の特定研究機関に指定され数100億円の研究費を得たいがために、小保方さんのSTAP細胞研究を利用するだけ利用し、マスコミが騒ぎ出すやまさにトカゲのしっぽ切りのたとえの通り、池に落ちたイヌを徹底的に叩いたのである。 実験はまだしも、国際学会レベルの本格的な論文執筆の経験が浅い彼女であることは、十二分に知っていたはずの理研の関係者の管理責任はどうなっているのだろうか? いったん、マスコミが騒ぎ叩きはじめたら、何と共同執筆者まで一緒になって彼女だけを悪者扱いとし、反対尋問のない裁判、魔女狩り裁判のように、ほとんど彼女の言い分を聞かずして、推定無罪の彼女に一方的に「有罪」を下したようなものである。 どんな場合も、不利益変更する場合には、不利益となるひとの言い分をしっかり聞くのが当たり前である(適正手続論)。まして、理研のような準国家公務員組織では、通常、分限退職以外、退職させる理由はないはずである。本来、世界的な研究をするひとは、何とかと紙一重であって、常人が常識でとやかく評価したり、言うべきではないだろう。 会見で小保方さんは、繰り返しSTAP細胞の存在を明言していたが、理研は今後一年かけ小保方さん抜きで検証実験、検証研究をするそうだ。このなかには、小保方論文の共同執筆者もいる。 結局、理化学研究所、「理研」は多額の研究費という「利権」を獲得するため、小保方さんを利用し、マスコミが彼女を叩きはじめたら、一緒になって組織保身的そしてアリバイ的に設置した委員会で「ねつ造」「改竄」と居丈高になっているだけではないのか。到底、こんな研究所に将来はなく、こんな環境で若い研究者が育つわけがないだろう。 今回の一件を見て、有能、優秀な研究者は海外脱出を考えるのではないだろうか? それにしても9日の会見には驚いた。マスコミやフリーランスら500名近くが集まったそうだが、事前に何ら学習していない記者らの質問にはほとほとあきれるばかりだ。重要な質問は乏しく、彼女のプライバシーや人権、人格を侵害するような質問も目立った。まさに弱い者イジメの構図である! さらに、今回の一件を見るにつけ日本におけるジェンダーギャップをつくづく感じる。男がよってたかって若い女性を叩いている構図である。 さすが男女差別で世界105位の国、日本である。 おそらく小保方さんハラスメントの一件だけで、2014年世界経済フォーラム(WEF)のジェンダーギャップ・ランキングで日本は順位をさらに下げるだろう。 もっぱら現在105位なので、これ以上下がりようがないのだが(以下のランキング参照)。 結局、「理研」は「利権」と「保身」の巣窟であり、小保方さんはその犠牲者であるということだ。小保方さんは若いので、ぜひ狭く息苦しく、妬みとそしみ、ゲスの勘繰りが渦巻く日本から世界に飛び立って欲しい! 論考了 以下、用語解説、参照 <用語解説>STAP細胞 刺激惹起性多能性獲得細胞( Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency cells)とは、動物の体細胞に外的刺激(ストレス)を与え分化多能性を獲得させた細胞。小保方晴子(理化学研究所)らが、チャールズ・バカンティ(ハーバード大学)や若山照彦(山梨大学)と共同で発見したとして現象を刺激惹起性多能性獲得( STAP)、得られた細胞をSTAP細胞と名付けた。STAP細胞に増殖能を持たせたものをSTAP幹細胞と呼び、医療への応用が期待されるのは、このSTAP幹細胞である。従来、動物の体細胞が外的刺激で万能細胞になることはありえないとされており、生命科学の常識を覆す発見とされたが、複数の疑義や問題点が指摘され、その事実が疑われている。出典:Wikipedia <用語解説>ハラスメント(Harassment) いろいろな場面での『嫌がらせ、いじめ』を言う。その種類は様々だが、他者に対する発言・行動等が本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えることを指す。 アカデミック・ハラスメント:研究教育の場における権力を利用した嫌がらせ。嫌がらせを意図した場合はもちろん、上位にある者が意図せずに行った発言・行動も含まれる。 パワー・ハラスメント:同じ職場で働く者に対し職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。 ジェンダー・ハラスメント:性に関する固定観念や差別意識に基づく嫌がらせなどを指す。女性又は男性という理由のみで性格や能力の評価や決め付けを行うこと。ジェンダー・ハラスメントは広義のセクシュアル・ハラスメントとされる。 <参照>小保方さんらのネイチャー英論文全文 Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency Haruko Obokata, Teruhiko Wakayama, Yoshiki Sasai, Koji Kojima, Martin P. Vacanti, Hitoshi Niwa, Masayuki Yamato & Charles A. Vacanti http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/full/nature12968.html <参考>理化学研究所の調査尾報告書・ppt 研究論文の疑義に関する調査報告書 全文 (理化学研究所) 研究論文の疑義に関する調査報告書 パワーポイント(理化学研究所)) <参考>世界経済フォーラム(WEF) 世界各国のジェンダー・ギャップ・ランキング
出典:青山貞一:世界の中の日本ランキング http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col5756b.htm |