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年々遅れる桜の開花
群馬県北軽井沢
青山貞一・池田こみち・鷹取敦
掲載月日:2013年5月6日
 独立系メディア E−wave Tokyo

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 例年、ゴールデンウィークは、環境総合研究所の北軽井沢保養所を拠点に、周辺地域の自然・景観や歴史・文化を探索している。

 昨年(2012年)のゴールデンウィークは、会津地方を対象とした福島原発事故後の放射線の現地測定で北軽井沢に行けなかった。

 今年は4月26日から5月6日の10日間の予定で、群馬県西部を中心に山梨県北部(野辺山、八ヶ岳山麓、清里、北杜市)、長野県南東部(佐久市、小海町、南相木村)、北部(小布施町)などに足を伸ばしてみた。


群馬県嬬恋村鎌原観音のソメイヨシノ
撮影:青山貞一、Nikon Cool Pix S10 2013年4月27日


群馬県嬬恋村三原のソメイヨシノ
撮影:青山貞一、Nikon Cool Pix S10 2013年4月27日


長野県長野市松代恵明禅寺の八重桜
撮影:青山貞一、Nikon Cool Pix S10 2013年5月2日

 ゴールデンウィークに北軽井沢保養所に行く別の目的は、桜などを生物指標として温暖化など気候変動を調査することにある。

 具体的には、現地、群馬県の長野原西学校前にある「枝垂れ桜」(しだれさくら)の開花時期を毎年調査している。

 だが、ここ数年、なぜかどんどん開花時期が遅れていることが分かる。最初にこの枝垂れの満開に出会ったのは、2010年5月5日である。下のブログはそのときに書いた物である。

◆青山貞一・池田こみち・鷹取敦:2010GW 群馬西部の春花


長野原西学校前にある「枝垂れ桜」 
撮影:青山貞一、Nikon Cool Pix S10 2010年5月5日

 
 2010年5月5日に満開となった長野原西学校前にある「枝垂れ桜」は、その後、5月5日に満開となることはなく、今年に至っては3〜4分咲きだった。

 実際、この4月26日夜、北軽井沢に車で向かった際、軽井沢辺りの気温は摂氏3度程度、軽井沢よりさらに200〜300m標高が高い浅間高原の中心にある北軽井沢では、何と気温は摂氏0度、雪が降っていた。4月下旬の雪はこの10年はじめてのことだ。

 下の写真は国道145線の沿道にある半出来温泉で撮影した写真である。桃は咲いていたが、ソメイヨシノの桜はまったく咲いていなかった。


半出来温泉にて。桃は咲いていたが、ソメイヨシノの桜はまったく
咲いていなかった。
撮影:池田こみちNikon Cool Pix S10 2010年4月27日 

 北軽井沢にGW滞在中、天気は良かったが気温は朝、昼ともにひくく、朝7時台の保養所1階のデジタル温度計で測定した気温は、摂氏4〜6度であった。

 本来、連休最終日の5月6日に北軽井沢から東京へ帰る予定だったが、上信越、関越高速道でもの凄い渋滞が予想されたこともあり、5日の早朝に現地を発ち、わずか2時間30分で帰京した。もし、5日の午後か、6日の午前に現地をたっていたら、最低でも東京まで5時間はかかったはずだ。

 それにしても地球規模の温暖化は進んでいるようだが、同一地点、同一月日に生物指標を使って測定している枝垂れ桜の開花は、間違いなく年々遅れている。