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千葉市、横須賀市に
続き静岡県でも
旧自治官僚首長にノー!

青山貞一 Teiichi Aoyama

7 July 2009 無断転載禁
初出:独立系メディア「今日のコラム」


 この7月5日、静岡県を永年にわたり牛耳り、大規模公共事業、はこものづくりを推進してきた旧自治省(現総務省)出身、静岡県知事を4期16年務めた石川嘉延前知事(68)が満期満了前に、静岡空港問題の責任をとる形で辞任し、それをうけて静岡県知事選が行われた。

 静岡県知事選で、元静岡文化芸術大学学長の川勝平太氏(60)が労働官僚で元静岡県副知事で前自民党参院議員の坂本由紀子候補(60)や民主党系の海野候補らを破り当選した。

 静岡県は日本を代表する保守県だが、これにより、千葉市、横須賀市同様、永年、旧自治省(現総務省)出身の官僚知事や市長が市民の手によって落選したことになる。

 坂本由紀子候補は隠し、大マスメディアは報道しなかったが、坂本候補は、東大を出た後、官僚をしていた元厚生官僚で、500億円以上かけ作り、ほとんど使わないうちに廃館となった労働省の「私の仕事館」を在任中に手がけた人物だ。

 その坂本氏は、選挙中、自分は自民党ではないとか、労働省時代、役人時代、参議院議員時代、副知事時代のすべてを隠蔽し、県民党などと森田健作並みにウソをついた。

 しかし、日本有数の保守県で第二東名、浜岡原発、静岡空港はじめ不要な公共事業を積極推進し、累積債務を激増させてきた石川前知事への県民の反感も限というか臨界に達していた。

 民主党候補が川勝氏と海野氏に分裂し、自民の圧倒的有利であったにもかかわらず、川勝平太氏が1万5千票の差で当選した。ただ、僅差と言われているが、民主党系の2名を合わせると、自民公明系の候補者に30万票以上の差をつけており、静岡県民の怒りが分かるというものだ。

 これで直近の重要地方選挙、名古屋市、千葉市、横須賀市、静岡県の4選挙すべてで自民党は負けたことになります。しかもその大部分は旧自治省(現総務省)系の官僚出身が負けたことは重要である。

 朝日新聞やテレビ朝日は、二階経済産業大臣、与謝野財務大臣の違法献金疑惑、事件に目をつむり、なぜか民主党の歴代代表の献金問題に血道をあげている。実質、半世紀以上政権交代がない、非民主主義国家、ニッポンの政権交代をそこまで嫌なのか、摩訶不思議だ。

 ※奥秋昌夫: 鳩山「虚偽」献金は、自分の金を右から左に移しただけ

 しかし、東京地検、大阪地検の「国策捜査」紛いの動きと政権交代を体を張って阻止しようとする一部大メディアの動きにもかかわらず、国民は間違いなく、賞味期限が過ぎ、腐りきった断末魔の自民・公明政権に見切りを付けている。

 今後、東京都議会議員選挙がある。

 豊洲移転問題、通称、石原銀行問題を封印し、オリンピック開催ばかりをPRする石原知事だが、民主を中心とした野党は、総選挙前に横暴で傲慢な現与党にトドメを指さねばならないだろう。


◆静岡県知事選 16年ぶりの変革 変化望む声うねりに
2009.7.7 02:04 産経新聞

 「劇的勝利に値する。接戦が予想されたとはいえ、冷や冷やだった」−。5日に行われた静岡県知事選で、元静岡文化芸術大学学長の川勝平太氏(60)が、前自民党参院議員の坂本由紀子氏(60)ら3人を破って、新しい県政のかじ取り役に選ばれた。これを受け、川勝氏を支援した民主党県連の岡本護幹事長は6日、晴々とした表情で薄氷の勝利をこう振り返った。

 まれに見る激しい選挙戦。当選した川勝氏と次点の坂本氏は、ともに70万票を超す支持を獲得し、その差はわずか1万5052票。惜敗率で97・9%という小差で県のリーダーとなったのは、官僚でも政治家でもなく、初めての民間出身となる「学者」だった。

 4期16年務めた石川嘉延前知事(68)の任期満了目前の辞任を受けた知事選は、「次期衆院選の前哨戦」として、全国的な注目を集めた。

 自民党を表看板とせず、「県民党」を掲げて極力党派色を薄めて戦った坂本氏に対し、川勝氏陣営には民主党本部から連日のように党幹部が応援入り。「静岡から政権交代を」と知事選を国政と連動させる戦術をとった。雰囲気重視の熱っぽい演説を繰り返し、若者や無党派層の取り込みを図った川勝氏陣営と、議員や副知事時代の実績を押し出して組織票をまとめることを主軸とする坂本氏の陣営とでは、集票の手法も対照的だった。

 「組織は機能してくれた。(川勝氏には)われわれの力以上の大きな力が働いた。そう思うしかない」。一夜明けた6日、自民党県連の小楠和男幹事長は沈痛な表情で、中央政界に吹き荒れる逆風が地方選挙にまで及んだとの見方を示した。その上で、「自民党だから『ノー』という声も聞いた。衆院選にとらわれず県民の代表にふさわしい人をと訴えたが、有権者に伝わらなかった」と述べた。坂本氏の得票は「56万〜60万票は取れる」(陣営幹部)との当初の読みを大幅に上回りながらも、勝利に結び付かなかった。

 景気は長く低迷し、失業者はあふれ、医師不足は深刻化、開港した静岡空港にも運営上の課題は多く、解決すべき問題が山積する。16年にわたる石川県政への評価いかんにかかわらず、「変化」を望む県民の声はうねりとなって渦巻いていたようだ。猫の目のように状況が変わる国政を横目に、県民は「何かが変わる」ことを期待した。その証左が61・06%という高い投票率だった。「今回こそ自分の一票で政治が動く」と直感した有権者が、投票所に足を運んだ。

 公明党を含む組織票中心の戦いで臨んだ坂本氏にとって、投票率アップは不利となった。加えて、有権者が「自民党」「前知事の後継」とのイメージが付きまとう坂本氏に「変化」の兆候を読み取るのは難しかったのだろう。「静岡から日本を変えよう。静岡に理想郷をつくろう」と、“政治の素人”ならではの夢あふれる言葉を操って県民の期待を取り込んだ川勝氏が、保守王国の地盤を武器に組織戦を展開して追いすがる坂本氏を振り切った。