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ウインドウ型エアコン、

設置奮闘記


青山貞一
独立系メディア E−wave Tokyo

掲載月日:2013年7月17日
無断転載禁

 永年使っていた自宅の私の部屋のセパレート型のエアコンが昨年の秋に壊れた。

 その後、何社かのエアコン業者に来てもらい見積をしてもらったが、どの業者も既存のセパレート型エアコン(三菱重工のビーバーエアコン)をはずし、こちらが指示したセパレートエアコンの標準工事費以内で設置するのが難しいと言われた。

 セパレート型エアコンの本体価格は、価格コムで見ると3万円〜4万円、それに標準工事費も1万5000円以内などとなっている。

 にも関わらず、設置工事がちょっと面倒になると、工事費が鰻登りとなり私の場合、あれこれで7万円となり、その後来た者は最低でも10万円かかると言った。もちろんこれに古い設備のリサイクル料が1万円弱加わる。

 このような商売の方法は、あちこちに万円している。たとえば、スマホ。購入時は極端に本体価格を安くし、使用時に毎月単位で結構高い料金を取られる。またキャノンなどのインクジェットプリンターもそうだ。本体は2万円前後で、結構豪華なプリンターが購入できるが、 そのインクがバカ高い。あんなわずかな量でかくもこんなに高いのかムカツク。しかも、第三パーティーが類似のインクを販売したら、キャノンはその業者を訴えた。

 最近の海外航空運賃も同じだ。たとえばこの7月にイタリアに行ったときの英国航空の航空運賃は東京−イギリス(ロンドン)ーイタリア(ローマ)の航空運賃が往復で4万8000円なのに、燃料サーチャージが7万円もし、結局、12万円近くになってしまった。

 こんな商売の方法に怒りを感じ、自分でセパレートエアコンの設置を考え勉強した。しかし、本格的に設置しようとすると特殊な測定器や工具が必要になり滅多に使わない測定器や工具まで買うのはどうか、また費用もかかるので、最近まで何とかエアコンなしで我慢していた。

 ところで、私の自宅の書斎には、3次元流体シミュレーションやハイビジョン動画のレンダリングなどのために、高速のパソコンやデジタル機器がたくさんおいてある。

 エアコンが壊れたのが昨年秋から冬にかけてだったので、当時はパソコンを同時に何台動かし熱が出ても、逆に部屋の暖房になるくらいで気にならなかったが、今年の夏の暑さは半端じゃない。

 7月上旬、池田こみちさんが世田谷区で行った松葉ダイオキシン調査報告会の動画を編集し、夜中にレンダリングに入った。大規模な動画なのでレンダリングだけで6時間以上かかる。たまたま明け方起きパソコンの液晶画面をみたら、パソコンが止まり液晶画面も真っ暗になっていた。

 部屋の温度を見たら34℃を超えていた。熱中症が起きる温度である!

 寝る前にレンダリングを仕掛けたパソコンを触ったら、もの凄く熱くなっていてパソコンが壊れたかと思ったほどだ。

 というのも、パソコンは大規模な動画のレンダリングを行う時には、CPU使用率が90%以上となり、パソコンの近くに扇風機を置くなどして、空冷しないと相当熱くなる。秋から春の季節ならどってことない。しかし猛暑の夏だと、本体内にいくつもファンがはいっていても、筐体がさわれないほど熱くなる。

 池田さんの今回の動画は、720pのフルハイビジョン、CPUへの負荷が非常に高かったにもかかわらず扇風機などで空冷していなかった。どうも、最初にパソコンに入れてあるビデオカードが熱でダウン、次にメインのCPUもダウンしていたようだ。最初は、何度電源を入れ直してもWindow7のOSすら稼働しない。

 以前、別のパソコンで大きな動画ファイルのレンダリングを夜中にさせたら、やはり明け方に焦げた臭いで目が覚めた。パソコンの電源トランスが焼け焦げていた。しかたなく、アキバに行き電源トランスとケースを購入し、全部取り替えた。

 もちろん、パソコンの心臓部、CPUは一定の温度になると、自動停止するようになっているのでCPUの破壊は免れた。

....

 今夏は東京で35度を超える日が続いた。そんなこともあり、再度、私の部屋のエアコンのリプレースを考えた。工事費に10万円かかっても背に腹は替えられないかなど。

 そんなとき、窓に直接設置可能な「ウインド型エアコン」があることが分かった。

 グーグルでとことん調べたらコンクリート構造の部屋なら7畳まで使えるウインド型エアコンが実売3万6千円〜4万円で売られていることが分かった。

 しかも、自分で簡単に設置工事できるとある。

 ただ、いくつか問題を感じていた。

 ひとつめは騒音・振動でる。ウインド型は騒音がうるさくて使えないという先入観があった。

 次に、私の部屋にはたくさんのデジタル機器を置いてある。

 窓側には鉄製の棚を3つ連結しておいてあるが、その端と設置するエアコンの位置関係がどうも問題なのだ。

 グーグルで、メーカーのウインド型エアコンの工事説明書を見ると、どうてみても窓とのエアコンの間は最低、30cm以上、できれば40cmないとうまく設置できない。

 3つの鉄製の棚を動かせばよいが、これが至難の業だ。たくさんのデジタル機器や部品、書籍、資料が3つの鉄製の棚に乗っていて、20cm程度ではあるが、動かすためには3つの棚に乗っているものを一旦すべて降ろさなければならない。

 とはいえ、今回はそんなこと言っていられない。

 すぐに、コロナ社のウインド型エアコンを秋葉原の業者に注文した。何と翌日の午前に到着とのことだ。

 その日の夜に窓と棚の間を40cm広げる3つの鉄製棚の移動作業に入った。案の定この作業は大変だったが、何とか深夜に完了。ついでに棚やその上下に積もった埃も掃除した。なかなかこういうときでもないと、本格的な掃除はしないものだ。

 おかげで、埃がなくなり、棚の使用可能スペースも広くなった。


図  3つの鉄製棚の移動イメージ  Windは風のながれ

 そして翌日の7月17日午前11時、秋葉原からウインドエアコンが到着した。何と前日の夕方に発注し、翌日の午前中に到着した。重量が本体と付属品など全部で25kgもあるウインドエアコンが簡単に自宅に配達された。

 まず、これを3階にある青山の書斎兼寝室に運び上げるのが一苦労。妻に手伝ってもらってもち上げた。

 以下が梱包されていた本体と部品。その他に保証書、マニュアル、リモコンなどである。


梱包されていた本体と部品  出典:メーカーカタログ

 メーカーのカタログには、工事は30分で終わると書いてあったが、それは標準の窓の場合である。

 私の家の窓は、特殊なタイプではないが、ウインドエアコンを設置しようとすると、そのままでは無理だった。そこで梱包に含まれていたL型取り付け金具(アタッチメント)を窓際に3つのネジでとめた。下の写真がそのL字型のアタッチメントである、


L字型の取り付け金具(アタッチメント)。
あらかじめ2個、本体の梱包に含まれている
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


出典:コロナ社工事マニュアル

 もうひとつの面倒は、メーカーから送られてくる梱包に入っている、窓への取り付け枠は、窓の左側に寄せて取り付けるのが標準となっていた。私の場合は右側に取り付けざるを得ない。そこで、右側に寄せて取り付けるために窓ストッパーと窓パッキンを取り替えた。

 前日に、メーカーのWebサイトにあったPDFの取り付け工事マニュアルをじっくり読んでいたこともあり、このあとは、スイスイと設置工事が進み、午後1時前に試運転を開始した。この間、かかった時間は正味で1時間である。

 メーカーにエアコンを注文してから半日もたたずして、20数kgあるウインドウ型エアコンが設置完了した!


出典:コロナ社工事マニュアル

 20数kgもあるので、下の写真のように女性が簡単に持ち上げ設置するわけには行かない。

 この最終取り付けは妻の援軍を得た。

 棚とエアコンの間を40cm以上離したこともあり、一発で取り付け枠にエアコンを設置できた。もし、これが20−25cmだと、下の写真用に斜めにしてエアコン本体を入れられないので、2人がかりでも難しい。


本体を取り付け枠に付けることだけが面倒、2人なら簡単
 出典:メーカーカタログ

 下の写真が書斎兼寝室の窓に取り付けたウインド型エアコンである。右側にある黒い色をした鉄製棚の移動が大変だったが、ウインド型エアコンの取り付け工事は簡単だった。


窓に綺麗かつ堅牢に設置できたウインドウ型エアコン
 普通の窓ならどこでも設置可能
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 下は設置を終わり、運転中のウインドエアコン。

 エアコン業者がセパレート型エアコンを再設置するのをいやがるのも分かるというもの(笑い)。左側の薄グレーの棚に8台の高速パソコンがセットされている。右側の黒い棚(3つある)を移動させるのが一苦労だった。


病院のICUあるいは飛行機のコックピットのような青山の書斎
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


図  3つの鉄製棚の移動イメージ  Windは風のながれ

 下はベッドとの位置関係。下の写真は撮影時期は2010年10月。書斎兼寝室と言っても、やはりICUに近いか(笑い。


青山自宅3階にある書斎兼寝室   撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8


青山自宅3階にある書斎兼寝室  撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 このウインド型エアコンの場合は、家や窓などに穴を開ける必要は一切ない。簡単工事の割には、雨対策も十分。さらに通常問題となるドレイン水は内部で蒸発させ排気させているので排水の必要がない。これは運転後確かめたが、ウインド空調からのドレイン水はなかった。

 今回購入したウインド型エアコンはコロナ社製のものだった。

 音や振動は少なく、冷房能力も高く、面倒なドレイン水の処理も不要、工事費は自分で設置したのでゼロと大変ラッキーでした。

 このタイプのエアコンはその昔たくさんあったが、窓までガタガタゆれ、スゴイ音がする割りには、あまり冷えないという強い先入観と印象があった。しかし、今回、はからずも購入した空調は、比較的静かで効率も良く、電気使用量も少ない(従来比で半分強)、ドレイン水はないなど、昔の空調とは大違いのものだった。

 窓さえあれば、簡単に誰でもすぐに取り付け可能、工事費ゼロというのがすばらしい。特殊事情でセパレート型エアコンが設置できない方、工事費を含め4万円程度で6畳用のエアコンを設置したい方にはうってつけである。

 中国製(ハイアール、世界最大の家電メーカー)で類似のウインドウ型エアコンが2/3程度の価格(27000〜28000円)で売られていた。製品の外観と仕様はコロナ社の製品と酷似しているので、コロナ社製品が中国製品のOEMの可能性もある。下は両製品の外観写真。コロナ社の製品は吹き出し口を閉めた状態での写真である。

 その他、ウインド型エアコンはゼピール、コイズミ、トヨトミ、森田工業などのメーカーからも製造され量販店やインターネット通販で販売されている。

  
コロナ社製            ハイアール社製

 またコロナ製の同じ製品が価格コムで36000円台とあったが、実際に注文してみると、在庫なし、あるいは発送が5日から1週間となっていた。急いでいなければ、これらの製品を注文することも可能である。

 なお、今回購入したエアコンは、冷房、除湿、送風、換気用だが、冷暖房用のものもある。またより大きな部屋で使えるシステムもある。

 以下に今回のウインド型ウエアコンの主な特徴を掲げる。

1)運転中の音が静かであり、振動もない
2)冷房、送風、排気モード、自動モードだけでなく、
   除湿あるいは除湿+冷房モードもある
3)ドレイン水がないので、排水ホースが不要。
4)防水処理がしっかりしている。
5)標準タイプなら設置は30分でOK、私の場合、窓枠が木製で
   標準でなかったが1時間以内ですべての設置工事が終わった
6)15年以上前に設置した三菱重工のビーバーエアコンに比べ、
   ほぼ同じ冷房能力で電気代が2/3となっている。
   セパレートのインバータータイプには劣るが省エネである。
7)マイナス・イオンモード(高原モード、滝モード)がある
8)本体価格がリーズナブル、しかも設置工事費はゼロである
   私の場合、セパレート型エアコン+工事費の半額となった
9)部屋の外部に出っ張らない。バルコニー側にはまったく出っ張らずに
   設置できる。室内(前面)の出っ張りは20cmである


図   セパレート型と一体型のイメージ