今までは捜査中ということも考慮し、ものを言わず静かにしてきたが、現職の国会議員が逮捕される事態に至ったので、この機会に国民の皆様に経緯と私の考え方、決意を申し上げたい。
私の政治団体の問題は、昨年の春、衆院選の前に起こった。秘書の大久保(隆規公設第1秘書)がある日突然、呼び出しを受け、その場で逮捕、強制捜査になった。それ以来、今日までずっとその捜査が続いていたようだが、昨日と今日、石川(知裕衆院)議員と私の事務所の秘書が逮捕された。
私どもの事務所も計算や記載の間違いはあったかと思う。しかし、このような形式的なミスは今までほとんど報告の修正や訂正で許されてきた。今回の場合はなぜか最初から逮捕、強制捜査という経過で今日に至り、納得できない気持ちだ。
さらに最近の報道では土地の購入にあたり、私たちが不正な資金を入手して購入に充てたという話が流れていると聞いている。この資金はなんら不正なお金を使っていない。
今月の初めごろだろうか、検察当局から弁護士を通して「このお金はどういうものか」と問い合わせがあった。別に隠し立てするお金ではなかったので、私たちが積み立てた個人資金であることと、金融機関の名前、支店名をはっきり申し上げ、検察当局で調べてくださいと返答した。
その翌日か翌々日に検察当局から弁護士を通して「その預金口座の書類は入手した」との連絡があったので、私は「資金についての疑いは晴れた。よかったなあ」と安心していたところだった。
それが突然、現職議員を含む3人の逮捕ということになり、本当に驚いている。しかも意図してかは分からないが、わが党の党大会の日に合わせたかのように行われた。このようなやり方は到底容認できないし、これがまかり通るなら日本の民主主義は将来、本当に暗たんたるものになる。
そのことを非常に憂慮している。断固としてこのようなやり方について、毅然(きぜん)として、自らの信念を通し、戦っていく決意だ。
昼前に首相とも話をした。ただいまも、首相から大変力強い言葉をいただいた。私は首相の気持ちを自らの支えにして、今後とも与えられた職責を全力で果たしていく。同時に、当面、こういう権力の行使について、全面的にきちんと対決してまいりたい。
当面はそのことに力を入れ、時間を割かなければならないことが多くなると思うので、表向きの仕事は輿石東幹事長職務代行にお願いする機会が多くなる。了解賜りたい。
国民の皆さんの力でようやく日本に議会制民主主義が定着しようとしている矢先だ。私は本当に40年の政治生命で、日本に議会制民主主義や政権交代可能な本当の民主主義が定着することのみを願って、今日まで頑張ってきた。
今年は参院選も予定されている。これに勝利することが、わが党の、鳩山政権の基盤を盤石にすると同時に、日本の議会制民主主義を定着させることになると信じている。国民生活が第一の政治、議会制民主主義の確立のためにみんな力を合わせて頑張ろうではないか。