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予算にむだ 大学の60%認識

NHK
27 Dec. 2009

事業仕分け・予算アンケート

 ・対象  全ての国立大学及び主な私立大学 計 126校

 ・方法  記述式

 ・回答  108校(86%)

 事業仕分けで注目された科学技術関連の予算は、25日に決定した政府の来年度予算案で、およそ四半世紀ぶりに前年度割れとなりました。これまで聖域といわれていた分野にもメスが入った形ですが、全国の60%の大学が予算の付け方や使い方などにむだがあるとみずから認識していることが、NHKが行ったアンケートでわかりました。

 政府の来年度予算案で、科学技術関連の予算は今年度に比べ3%削減され1兆3321億円となり、昭和58年以降、一貫して伸び続けてきた予算が初めて前年度割れし、聖域と言われた分野にもメスが入りました。

 科学技術予算をめぐっては、事業仕分けで厳しい判定が相次いだことにノーベル賞受賞者をはじめ大学や科学界が反発し、最終的に政治判断もあって、次世代スーパーコンピューターが大幅に復活するなど、一部、仕分けの判定結果が見直されることになりました。

 こうしたなか、NHKでは、今月、全国のすべての国立大学と主な私立大学のあわせて126校を対象に、事業仕分けや予算に関するアンケートを行いました。回答はすべて記述式で、8割を超える108校から回答がありました。

 まず、事業仕分けについては、全体の62%が「予算編成の過程が国民に公開された」などと評価しましたが、「現場の実態を見ていない」「短時間で議論され乱暴」など仕分け作業の進め方に問題があったとする意見が81%に上りました。

 その一方で、全体の60%にあたる65校が、科学技術の予算にむだがあることを認識しており、複数の省庁で同じような研究費があったり、特定の研究に予算が集中しすぎたりする問題を指摘しました。

 また、国民に対する説明が不足していたと感じている研究者も多く、「説明しなくても、当然、理解しているものと考えていた」とか、「脇目もふらず研究のみに励むことが美徳とされ、説明責任を果たすことがいかに大事か気づかされた」などと答えました。

 このように、今回のアンケートでは、48%の大学が、これまでの姿勢を改める必要性を感じていると答えており、事業仕分けの議論をきっかけに、科学技術の進め方などをみずから見直そうという機運も出始めています。