小沢幹事長が普天間基地の辺野古移設を実質的に排除する発言をして以来、普天間基地の県外・海外移設問題がにわかに従来の既得権益やしがらみから解き放され、私が常々述べている「必要性」「妥当性」「正当性」の3つの観点から立地代替案の検討が出来るようになってきた。
※青山貞一、公共政策、公共事業を評価、判断する
3つの視点としての必要性、妥当性、正当性
仮に普天間飛行場の代替施設をつくる必要性がある場合には、まずは国内か海外(グアムなど)か、国内の場合でも県外か、沖縄県内かがある。
今回、小沢氏が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として下地島(同県宮古島市)に言及したのを受け、政府・与党で作る沖縄基地問題検討委員会の検討対象となる可能性が出てきた。
下地島案は、県外・海外移設ではないが、沖縄県内の宮古島の隣にある下地島への移設である。この下地島については、以前から日刊ゲンダイがいくつか提案する空港のひとつ(ワン・オブ・ゼム)として提案していたものでもある。
普天間移設:社民党首「下地島も考慮する」
小沢氏が提起
毎日新聞
民主党の小沢一郎幹事長が29日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として下地島(同県宮古島市)に言及したのを受け、政府・与党で作る沖縄基地問題検討委員会の検討対象となる可能性が出てきた。
社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相は30日、「それも含めて検討する。他党の提案は考慮する」と記者団に表明。「社民党としては県外・国外移設の中で候補地を探したい」とも語った。
北沢俊美防衛相も同日、記者団に「小沢氏の意見も協議の大きな課題にはなる」と述べる一方、「キャパシティーの問題がある」と否定的な姿勢も示した。鳩山由紀夫首相は記者団に「検討委の議論に委ねている」と述べるにとどめた。
【西田進一郎】
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小沢氏が下地島、伊江島に言及 普天間移設先で
2009年12月30日 19時52分
民主党の小沢一郎幹事長が与党幹部らとの会談の中で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐり、同県の下地島(宮古島市)、伊江島(伊江村)を移設候補地とする案に言及していたことが30日、分かった。両島とも過去に検討されながら見送られた経緯があり、小沢氏の発言を受けて再浮上するかは見通せない。
小沢氏は29日夜の社民、国民新両党幹事長らとの会食で、日米合意に基づくキャンプ・シュワブ沿岸部(沖縄県名護市)への移設に重ねて慎重な考えを示しながら「下地島に使っていない空港がある」と指摘。さらに社民党の重野安正幹事長に「社民党は沖縄県は全部駄目なのか」と県内移設の可能性を打診した。
これに先立ち、別の与党関係者に対しても、既に飛行場がある下地、伊江両島を挙げながら「沖縄で使っていない空港も検討対象になるのではないか」と述べた。
鳩山由紀夫首相は30日、小沢氏の一連の発言に関して、記者団に「私がいろいろ話すべき時ではない」とだけ述べた。
(共同) |
下地島移設案も検討対象=
普天間問題で福島社民党首
社民党の福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)は30日、首相官邸で記者団に対し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐり、与党内で下地島空港(同県宮古島市)を活用する案が浮上していることについて「それも含めて検討する。他党の提案は考慮する」と語った。
ただ、福島氏は「社民党としては県外・国外移設の中で候補地を探したいと考えている。しっかり社民党の提案もして、沖縄基地問題検討委員会の中でしっかり主張していきたい」と強調した。
一方、北沢俊美防衛相は首相官邸で記者団に、下地島空港について「普天間の代替(施設)にストレートになるかというと、地理的な問題とかキャパシティーの問題がある」と指摘。鳩山由紀夫首相は「(検討委の)議論に委ねているから、私自身から申し上げることはない」と語った。
国民新党の下地幹郎政調会長は都内で記者団に「(下地島空港は)対象になって当たり前だ。利用可能であることは確かだ」と述べた。
時事通信(2009/12/30-16:07)
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下地島空港)は、沖縄県宮古島市の下地島に位置する地方管理空港である。
1994年以来定期便の就航が無いため、実質民間パイロット専用の訓練空港として扱われる。日本では数少ない、滑走路両端にILSが設置されている空港である(東京国際空港等の大規模空港も含め国内の大多数の空港では、ILSは滑走路の片側にのみ設置されている)。3,000m×60mの滑走路が整備され、航空機の操縦訓練が行われる。年間利用客数は、国内329人(2007年度)。
空港の歴史
- 1973年(昭和48年)7月31日 - 非公共用飛行場として建設される。
- 1979年(昭和54年)7月5日 - 公共用飛行場(第三種空港)として設置、供用開始。航空会社によるパイロットの訓練が開始される。
- 1980年(昭和55年)11月1日 - 那覇空港との間に南西航空(現日本トランスオーシャン航空)の定期便(YS-11型機)が就航。
- 1994年(平成6年)7月22日 - 利用客が少ないことから定期便運休。以後、現在まで定期便運航は無し。
- 2001年(平成13年)
- 4月18日 - 伊良部町議会が空港への自衛隊訓練誘致を満場一致で決議。防衛庁は「前向きに検討」とした。
- 4月28日 - フィリピン合同軍事演習へ向かう途上の米軍ヘリコプターが飛来して給油。自治体には事前に通達。
- 5月15日 - この日発表されたアメリカ国防総省系シンクタンクのランド研究所の報告「アメリカとアジア」で、「下地島など沖縄の空港施設を軍事利用できるようにする」とある。
- 5月17日 - フィリピン合同演習から帰還するヘリが再び給油に訪れる。
- 5月22日 - 在沖縄アメリカ総領事が空港を視察。
- 2002年(平成14年)
- 6月26日 - 全日本空輸の767-200型機がタッチ・アンド・ゴー訓練中に失敗し大破した。機体は修理可能であったが、諸般の事情で解体されたため全損事故となった。
- 2005年(平成17年)
- 3月16日 - 伊良部町議会で空港への自衛隊誘致を賛成9反対8で決議。住民説明会で反対意見が続出。
- 3月25日 - 伊良部町臨時議会で16日の自衛隊誘致決議と平成13年の自衛隊訓練誘致決議の白紙撤回を賛成16反対1で決議。
- 10月1日 - 伊良部町が周辺町村と合併して宮古島市となる。
- 2006年(平成18年)
- 2月 - 航空自衛隊那覇基地司令が「日本の防衛上、下地島を自衛隊が利用できればいい」と発言したことが、地元紙で問題発言として扱われる。
- 2007年(平成19年)
- 4月1日 - 北海道に本社を置くエアトランセが、エアードルフィンとの提携で那覇空港への不定期便を開設。
- 6月25日 - 那覇空港便が3ヶ月足らずで休止となり、再度航空路線がない状態となる。
グーグルマップで見た限りでは、すでに300m級滑走路がすでにあると言う点、上記歴にあるように、米国側、自衛隊もこの空港についてその存在だけでなく、演習、タッチアンドゴーなどの訓練も想定していることなど、フィージビリティーは非常に高いと思える。
ただ、もこの下地空港は、沖縄県所管の第3種空港なので、仲井真知事がこのときとばかり、簡単には認めない可能性がある。下はそれに関連した地元の方が書いたブロブである。
今日の新聞に民主党の小沢幹事長が米軍普天間基地の移設問題に関して、下地島空港を利用すると言ったようなことが書かれておりました。
昨日の与党幹事長・国対委員長の夕食会で話されていたことでありますが、真実は、小沢幹事長は下地島空港がいいと言ったわけではありません。
あらゆる選択肢の中で、下地島空港も新たに検討することも考えられるとおっしゃっておりました。
その中で、私は、下地島空港は県営なので、県は簡単には認めないでしょうということも申し上げました。
マスコミ各社は、これからの政治番組には必ず普天間移設問題を取り上げてくるでしょう。
それだけに、小沢幹事長がこの問題について発言されると言うことは、影響力のある政治家だけに、解決へ向け進んでいくのではないかと思います。
来月には平野官房長官も沖縄に来られるそうです。
もっともっと沖縄全体を見ていただきたいと思います。
また、先日から始まった沖縄基地検討委員会の動きにも注目していただきたいと思います。
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下地島空港概要
IATA:SHI−ICAO:RORS |
概要 |
国・地域 |
日本 |
設置場所 |
沖縄県宮古島市伊良部 字佐和田1739 |
空港種別 |
商業 |
運営者 |
沖縄県 |
標高 |
7.58m・24ft |
位置 |
北緯24度49分36秒
東経125度8分41秒 / 北緯24.82667度 東経125.14472度 / 24.82667;
125.14472 |
滑走路 |
方向 |
ILS |
全長×全幅(m) |
表面 |
17/35 |
YES |
3,000×60 |
舗装 |
空港の諸元
項 目 |
概 要 |
種別 |
地方管理空港(旧第3種空港) |
設置管理者 |
沖縄県 |
所 在 地 |
宮古島市 |
標点位置 |
北緯24°49′36″ 東経125°08′41″ |
標高 |
7.58m |
空港面積 |
3,615,000平方m |
着陸帯 |
3,120m×300m A級 |
滑走路 |
3,000m×60m LA-1 N14°30′02″W:真方位 |
誘導路 |
3,880m×30m |
エプロン |
129,200平方m 大型ジェット機用 5バース、中型ジェット機用 1バース |
照明施設 |
飛行場灯台、進入灯、進入角指示灯、滑走路灯、 滑走路中心線灯、接地帯灯、誘導路灯、風向灯等 |
航行援助施設 |
VOR/DME、ILS、ASR、SSR |
運用時間 |
07:30〜20:30(13時間) |
出典:沖縄県
出典:沖縄県
沿革
S48. 7.31 |
下地島訓練飛行場設置許可(非公共用)(R/W3,000m、設置者:沖縄県) |
S54. 5.31 |
下地島空港設置許可(R/W3,000m、設置者:沖縄県) |
S54. 7. 5 |
供用開始(R/W3,000m) |
S54. 7.24 |
第三種空港に政令指定 |
S55.11. 1 |
那覇間に南西航空(株)の定期便就航 |
H 5. 8.19 |
施設変更(エプロン拡張)許可 |
H 6. 7.22 |
定期便運航休止 |
H 7. 6.22 |
施設変更(エプロン拡張)供用開始 |
H13. 9.19 |
航空灯火変更許可 |
H20. 6.18 |
地方管理空港に政令指定(法改正に伴う) |
出典:沖縄県
宮古島、伊良部島と下地島
出典:グーグルマップ
下地島と伊良部島
出典:グーグルマップ
下地島空港、滑走路は3000m×60m
出典:グーグルマップ
以下はWikipedia より。
下地島空港の軍民共用化の課題
先島諸島の状況
先島諸島は、宮古島にある航空自衛隊レーダーサイト以外は自衛隊がまったく駐留していない「軍事空白域」となっている(海上保安庁の巡視艇は配置されている)。しかも、中華人民共和国や台湾に接しており、尖閣諸島などの領土問題も抱えている。
日中間では排他的経済水域の問題でも対立があり、先島諸島近海では、中華人民共和国の科学調査船による無許可海洋調査が頻発しており、調査船の護衛名目で中華人民共和国の艦隊の威力航海が何度も行われている。また、台湾有事の可能性もあるなど軍事情勢は平穏とは言い難い。
国防の観点からみた下地島空港の価値
下地島空港は沖縄本島と中国大陸の中間にあり、尖閣諸島にも近い。先島諸島で唯一、かつ日本でも数少ない、ILSが両端に設置された3,000m×60mの滑走路を持ち、戦闘機や輸送機の運用にも支障のない規模がある。
那覇基地からでは八重山地方は中国(大陸)よりも遠く有事対応が現実的でなく、自衛隊の下地島空港使用については国政でも議論されている。
自衛隊による下地島空港の使用が可能になれば、東シナ海での行動範囲が広がり、航空自衛隊の戦闘機部隊、海上自衛隊のP-3C対潜哨戒機部隊の基地、または補給中継施設として非常に重要な拠点となりえる。在沖米軍も台湾及びフィリピンへ向かう航空路近くにある下地島空港に関心を示しているとされ、これまでにも緊急の給油を理由として何度も当空港への着陸を行っている。
現用の那覇空港は、軍民共用でかつ発着便数の多さがすでに過密といえる状態であり、有事の際、軍用空港としての機能は果たせない可能性が高い。ただし、那覇空港の拡張案も具体的に検討されており、那覇空港の利用実態においての下地島空港の優位性は将来には低下するものとみられる。
屋良覚書
しかし、下地島空港の利用方法については、飛行場設置に当たって1971年(昭和46年)に日本政府と当時の屋良朝苗琉球政府行政主席との間に交わされた「屋良覚書」が存在しており、これによって下地島空港の軍民共用空港化は為されないものとされている。
その内容は
- 下地島飛行場は、琉球政府が所有及び管理を行い、使用方法は管理者である琉球政府(復帰後は沖縄県)が決定する。
- 日本国運輸省(現・国土交通省)は航空訓練と民間航空以外に使用する目的はなく、これ以外の目的に使用することを琉球政府に命令するいかなる法令上の根拠も持たない。
- ただし、緊急時や万が一の事態のときはその限りではない。
というものである。
この「屋良覚書」に関連する質問趣意書への回答で、平成16年に日本政府は「下地島空港は、公共の用に供する飛行場として適切に使用する必要があり」、そのため「パイロット訓練及び民間航空以外の利用が当然に許されないということではない」としている。
旧伊良部町の請願
それに対して、下地島空港の地元である旧伊良部町では、2005年(平成17年)3月16日に開催された町議会で、下地島空港への自衛隊誘致の請願を賛成9反対8で可決し、沖縄県全体に衝撃が走った。
この請願は、2004年(平成16年)11月10日に、宮古島及び石垣島沖合で発生した漢級原子力潜水艦領海侵犯事件において、稲嶺惠一沖縄県知事(当時)をはじめ、沖縄県内の首長が誰一人として中国潜水艦による領海侵犯に抗議の声明を出さず沈黙したことに、事件の地元である伊良部町の一部の住民が憤慨し、政府の責任で自衛隊を駐屯させ、日本の国土である先島諸島を守って欲しいと意思表示を行い、請願したものであった。もっとも、当請願には自衛隊駐屯による経済振興を期待する意味もあり、純粋に国防上の問題を憂えた上でのものではないとも言われる。
結局、この請願は、住民集会で異論が噴出し、3月25日に白紙撤回をせざるを得なかったが、沖縄本島と先島諸島との間の国防に関する温度差が如実に表れた出来事だった。
現状
伊良部町は合併により宮古島市になり、軍民共用化反対の立場を取る左派の伊志嶺亮氏が初代市長になった。軍事利用を排して下地島空港を「国際物流拠点」とする構想を表明しているが、現時点で具体策はない。稲嶺前沖縄県知事も明確に反対の姿勢を示していたこと、また住民感情の面からも下地島空港の軍民共用化の道は現状では流動的であると言える。
アクセス
- 平良港(宮古島)から佐良浜港(伊良部島)まで高速船(15分)またはフェリー(25分)、佐良浜港から下地島空港までタクシーで約20分。
- ※伊良部島と下地島は隣接しており道路橋で繋がっている。平良港から佐良浜港までは宮古フェリー・はやて海運利用。
- ※2013年度に、宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋が完成する予定。
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