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ところで、先に山形県上山市で一部事務組合が歴史的に由緒ある里山の古戦場(最上と上杉陣営が戦った)にガス化溶融炉を計画していることに関連し、現地視察し講演した際、何で自分たちにとって最も大切であるべき、史跡近くにこともあろうかガス化溶融炉を建設するのかとお伝えしました。 今回の筑紫野市の場合は、かの太宰府天満宮のすぐ隣に位置し、ており、しかも江戸時代から長崎街道と言って、長崎から北九州まで223kmほどの歴史文化ある街道の宿場町が筑紫野の山家(やまえ)宿と原田(はるだ)宿とふたつもあった場所です。
とくに筑紫野市の山家地区は、宿場があった場所です。しかも、山家地区の側には、大又という場所があり、そこは長崎街道と鹿児島や熊本から登ってくる街道の一大交差点であったそうです。 この長崎街道は、西郷隆盛(鹿児島)や加藤清正(熊本)が京都に行き来する際に使った街道であり、参勤交代はじめ、かのシーボルトも山家の宿場に泊まったことがあるとのことです。 ◆筑紫野の山家宿の景観 ◆筑紫野の山家宿の町並み 事実、山家地区などには、今なお当時の宿場町の面影を残す建物が点在しています。 筑紫野市は、福岡県の中部に位置し、市域の南西部で佐賀県に接しており、佐賀県との県境付近は脊振山系山地にあたり、基山・権現山などの山があります。 筑紫野市は、北東部から東部にかけての飯塚市との境界付近は 三郡山系山地にあたり、宝満山・三郡山など標高800-900m級の 山がそびえている。 出典:Wikipedia 下の地図は、筑紫野市における山家地区を示したものです。計画地はこのなかにあります。すぐ西側には菅原道真公で有名な太宰府天満宮があります。 筑紫野市における山家地区 出典:グーグルマップ
よりによってそのような郷土の歴史、文化の中心地に、産業廃棄物の焼却炉を計画すること自体、一体何を考えているのかと呆れます。 なお、筑紫野市にはすばらしい温泉があり、10年以上まえのときも温泉ホテルに宿泊しましたが、今回も主催者が筑紫野市随一の温泉ホテルを予約していただき、温泉を堪能しました。 西日本新聞 2013-5-12朝刊 |