第2頸椎骨折大手術から 2年半、末梢神経も回復 青山貞一 掲載月日:2013年6月2日 独立系メディア E−wave Tokyo 無断転載禁 |
2010年11月、階段から落下し第2頸椎を骨折した。慈恵医科大学病院に入院し、大手術は成功、一命を取りとめた。退院後、1ヶ月、3ヶ月、半年、1年目(2011年11月)、1年半目、2年目(2012年11月)と定期診断を行ってきた。 下は第2頸椎の位置。頭の左右回転をつかさどる。 第2頸椎の位置。頭の左右回転をつかさどる。 出典:http://video.about.com/backandneck/Cervical-Spine-Anatomy.htm 下は第1頸椎。頭の上下の回転をつかさどる。第1頸椎、第2頸椎ともにごく近くを脊髄や多数のさまざまな神経が上下に走っている。 第1頸椎の位置。頭の上下の回転をつかさどる。 出典:http://video.about.com/backandneck/Cervical-Spine-Anatomy.htm 2010年11月階段から落下直後に撮影したMRI写真を見ると、はっきりと第2頸椎が斜めに折れていることが分かる。 MRI画像に見る青山貞一の第二頸骨骨折(2010年11月11日撮影)。 出典:慈恵医大付属病院脳神経外科 下の図は主治医が説明のために書かれた骨折側面と、チタン合金を使い櫓を組む手術のイメージ図である。 主治医がInformed Consentで示した青山貞一手術の概念図(1) 慈恵医科大付属病院脳神経外科 2010.11.18 腰の骨の採取し、それを第1頸椎と第2頸椎の間に鋏み、それをチタン合金の櫓でサンドウィッチ上に押さえ込む。下図は腸骨部から骨を移植するイメージである。実際、手術では腹部を切開し骨を取り、首の裏を縦に12cmほど切開し、患部に移植し、その上でチタン合金で櫓を組んでいる。チタン合金は上図にあるように健全な骨にスクリューでねじ込んでいる。 この手術は、動脈、静脈はもちろん、脊椎などが多数上下に走る首筋を対象に行った。ひとつ間違ってメスで脊椎や神経を破断すれば、下半身のどこかが麻痺して動かなくなる。 主治医ががInformed Consentで示した青山貞一手術の概要図(2) 慈恵医科大付属病院脳神経外科 2010.11.18 以下は、第2頸椎の骨折を直すために第1頸椎と第2頸椎を金属(チタン)で櫓を組み、腰から持ってきた骨を挟んだあとのレントゲン写真である。。 手術後の頸椎レントゲン写真(2010/12/13) 出典:東京慈恵会医科大学付属病院脳神経外科 さらに以下は、1年半後の検査でレントゲン撮影した頸椎部分の写真である。 手術1年後の頸椎レントゲン写真(2011/11/07) 出典:東京慈恵会医科大学付属病院脳神経外科 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 主治医(右)とツーショットで 慈恵医科大学病院脳神経外科にて 撮影:青山淑子 Nikon CoolPix S8 2011.11.07 すでに1年目に、完全に第2頸椎と第1頸椎は接合していたが、昨年11月、2年目の定期診断を受けた。主治医からは腰の骨が第1頸椎と第2頸椎に旨く癒着したと言われた。自覚症状からも、頸椎骨折の直接的な影響、たとえば痛いなどはなかった。しかし、骨を取った腰はときどき痛み、またガーンとフローリングの床にぶつかった後頭部の末梢神経は完全に麻痺していた。 ところで、私が2010年11月に階段から落下した後、後頭部の末梢神経がほぼすべて麻痺した。慈恵医科大学病院で手術を受けた後も、ずっとこの後頭部の末梢神経の麻痺は続いていたが、2013年5月になって、後頭部の末梢神経の麻痺が無くなった。 これにはびっくりだ。というのも、主治医からは、末梢神経の自然治癒はまずないと聞いていたからである。もちろん、手術によって末梢神経を再生や蘇生させることは別の部位ならいざ知らず、後頭部は現代の技術を持ってしても不可能であると言われていた。 それが手術後、約2年半で後頭部の末梢神経の機能が戻ってきたのである。事実、今まで毛を引っ張ってもまったく痛くも痒くもなかったのだが、引っ張ると痛いし、感覚的にも後頭部を触ると、階段落下以前のような感覚になったのである。 これを友人(奥様は医者)に話したところ、えらく驚き、ぜひ青山さんのブログで紹介した方が良いと言われた。そんなこともあり、本ブログを書くことになった。 もとより、第2頸椎を完全に破断した場合、100のうち99のケースは、死亡か完全な下半身不随となると手術を担当した主治医に言われた。しかし、幸いにも、最後の1%として死にもせず、下半身不随にもならず、生活し研究生活も問題なくできている。 そして、さらに唯一不具合があった後頭部の末梢神経の機能が回復したのである。私自身、ここ2年半、後頭部は完全に麻痺していたので、それが当たり前となっていたが、感触、痛さなど、健康な人間に近い感触と機能が戻ってきたのには、驚いた。逆に、長らく痛みを感じていた腰骨を採取したあとは、現在、まったく痛みを感ずることがなくなった。 これも「もう少し生きて社会のためにがんばれ」というお告げと考え、今まで同様がんばりたいと思う。 |