松沢成文神奈川県知事の次は、上田清司埼玉県知事である。
石原知事と西村慎吾司は盟友で有名だが、上田知事は埼玉県県教育委員に右翼の歴史学者「新しい歴史教科書をつくる会」の高橋史朗氏を任命して物議をかもしたことがある。
また上田氏は「従軍慰安婦はいなかった」、「南京大虐殺を埼玉県平和資料館の年表から隠蔽」したり。「国歌に起立しない教員は辞めさせるしかない」などと公言してはばからない。
これらは、上田知事に限らず、先に示した民主党国会議員から首長に転じたものにほぼ共通のことである。
下は上田知事に係わる記事などである。
・埼玉県知事上田清司、「従軍慰安婦いなかった」 資料館記述、検討の意向
上田清司知事は二十七日、県平和資料館(東松山市)の昭和史年表にある従軍慰安婦の記述について「古今東西、慰安婦はいても従軍慰安婦はなかった。こういう間違った記述は修正しなければならない」と述べた。県議会一般質問で小島信昭議員(自民、岩槻区)の質問に答えた。同館は学識経験者ら十四人で構成する平和資料館運営協議会などで対応を検討する意向という。
県によると、年表は同館通路に常設展示されている。「ヨーロッパ・アメリカ」「アジア・太平洋」「日本」「埼玉」の四地域に分け、太平洋戦争を中心とした昭和を主な対象に出来事を列記。記述は一九九一年の項で、「従軍慰安婦問題など日本の戦争責任論議多発」と紹介されている。
小島議員は「戦後復興から現代までの、特に世界の平和に貢献してきたはずの日本の紹介がない」とし、「生涯学習として学ぶ施設として広く利用されている施設が偏った内容でいいのか」などとただした。
上田知事は「自虐的な感情を抱かせず、真の真実、真の史実を学べるようにするのが大事」と答弁。同館の年表に触れ「兵のいるところに集まってきたり、兵を追っ掛けて民間の業者が連れていったりするのであり、軍そのものが連れていったりするわけは絶対にない」と述べた。
また「自虐史観になっていないか、きちっと検討しなければならない」とし、「協議会で見直しをしてもらい、県議会でもチェックしてほしい」と話した。
埼玉新聞 2006-06-28
・「南京大虐殺」隠す 埼玉県平和資料館の年表/東京新聞
埼玉県平和資料館(同県東松山市)で、掲示してある「昭和史年表」の「南京大虐殺」に関する表記と写真が、テープを張って隠されている事が25日、分かった。同資料館の原田美岐子館長は取材に対し、隠した理由について「南京大虐殺についてはその規模に諸説がある。写真も実際には虐殺の被害状況なのか真偽が明らかでなく、歴史的評価が分かれている(ため)」としている。
東京新聞 2006.7.26(水) 12版 27面 【社会】
「南京大虐殺」隠す 「従軍慰安婦」で物議
埼玉県平和資料館の年表 写真にもテープ張る
年表には「1937年12月13日日本軍、南京占領(南京大虐殺)」という表記と、揚子江の川岸に大量の死体がある大虐殺の惨状とされる写真が掲示されていた。ところが「南京大虐殺」の部分と写真が昨年3月末から白いテープで隠されていた。
この年表をめぐっては「従軍慰安婦」の表記について、同県の上田清司知事が「従軍慰安婦はいなかった。間違った記述で修正しなければならない」と県議会で答弁。それを受けて25日に開かれた同資料館の運営協議会の席上、南京大虐殺についても記述が隠されていたことが明らかにされた。
原田館長は「学芸員など内部の判断。 (知事からの指示は一切なかった」と説明。「南京大虐殺の表記については、調査・研究の後、あらためて記述内容を検討したい」としている。
・「南京大虐殺」史実の抹消は埼玉県上田知事の責任である/上田知事の歴史認識を問う県民連絡会
既にご承知の通り、埼玉県上田清司知事は今年6月27日の県議会で埼玉県平和資料館の歴史年表に触れ、「従軍慰安婦はいなかった」と発言した。そのことについて全国から上田知事に対し、撤回と謝罪を求める声が殺到した。しかし、知事は「従軍慰安婦がいたという証拠はない」と述べ、「従軍慰安婦に関する私の考え」という弁明文書を7月付で発行した。
更に知事は韓国の元慰安婦被害者李容洙(イヨンス)さんが訪日され10月3日に直接議会の入口で面会を求めたところ「じゃまするな」と無視したのである。10月31日には台湾の元慰安婦被害者2名が知事を訪ねたが、知事は直接面会を拒否した。
市民で構成している私たち平和資料館を考える会は平和資料館を再度訪れ、確認したところ「従軍慰安婦」の件とは別にこれまで歴史年表に掲載されていた「南京大虐殺」という文字と当時の「写真」(南京占領から10日ほど後の揚子江岸・撮影村瀬守保氏)が白紙で覆われているのを発見した。
この問題を重要視した私たちは7月25日に開かれた平和資料館の運営協議会でこのことを取り上げ原田美岐子館長に問い質したところ「いろいろな諸説があるので2005年の3月に白紙で覆った」と回答した。
この回答に対し考える会は「諸説があることは既にわかっていたことであり、館はこれまで土屋知事の在任中12年間掲示してきたことである。諸説に対して再調査するなら館としての結論が出るまで、原状にもどした上調査に入るべきではないか、そうしなければそれは歴史の抹消ではないか」という意見を述べた。
館長は「検討しておきます」と答えこの結論は次回の運営協議会まで保留となった。その後館は、一方的に7月未明「諸説がありますので南京大虐殺を一旦南京占領としました」という説明文を白紙で覆った年表の下に貼りだした。
11月16日に行われた今年度第2回目の運営協議会でこの件は正式な議題として上がっておらず、再度取り上げ館長に問い質したところ「まだ調査中であります。いつ調査が完了するのかは言えません。原状に戻すことはまだ考えていません」と回答した。
「世界の史実として位置づけられていることを館の独自の判断で抹消するのはおかしい、他の平和資料館(ピース・おおさか、立命館の平和ミュージアム)でも史実として同じ内容が展示されている。県のいかなる条文に基づいて行ったのか」と質問をしたところ「知事の権限の下に館の権限で行使しました」と答えた。このことから今回の歴史抹消行為の責任は上田知事にあることが判明した。
この歴史の抹消は土屋前知事から上田知事に替わった後に起きた問題であり、上田知事は7月25日の運営協議会での報告を受けているにも関わらず、それを放置していたのである。
上田知事の発言と行動、館の史実抹消、これは村山元首相、河野元内閣官房長官の談話を継承する、と述べた安倍首相の発言をも否定することである。館は過去平成9年に「従軍慰安婦問題については政府見解に示されている通りである」という文書を生活部県民生活課長名(二瓶孝雄氏)で発表している。
上田知事の行為は土屋前知事時代の行動をも否定している。知事の行為は中国、韓国・朝鮮人被害者を歴史の上で抹殺したことになる。「歴史に目を閉ざす者は現在をも見ることはできない」このワイツゼッカーの言葉を理解できない知事は自らその地位を辞退すべきである。
みなさん、上田清司知事と原田美岐子館長に歴史の抹消に対する、ご意見と抗議の声を送って下さい。
・埼玉県上田清司知事元日本軍慰安婦被害者を前に謝罪せず
埼玉県の上田知事と元日本軍「慰安婦」被害者李容洙(イ・ヨンス)さんの面談が3月1日午後2時10分より、15分間知事室で行われた。
面談は知事と知事側通訳、日本軍「慰安婦」被害者と被害者側の通訳、計4名で応接室にて非公開で行われた。この面談は上記市民団体と知事側との間で設定されたものである。
市民団体側は「知事と本人の2人だけの面談では本人の発言の保障、及び記録が公正に担保されない問題があるという懸念から市民団体側の責任者を同席させて欲しい」と要請したが、知事側に断られた。また、知事と本人の面会場面の撮影も知事側は禁じた。
李容洙さんは知事が昨年、県議会で「慰安婦はいたが『従軍慰安婦』はいなかった」という発言に対し同年10月に話し合いを申し入れたが無視された。
今回の面談は李容洙さんが米国で行われた『日本軍「慰安婦」問題で日本政府に公式な謝罪を求める決議案(米国下院決議案121)』採択の際に米国議会公聴会で証言したが、その帰国日程に合わせ市民団体側が知事側に申し込んで成立したものである。
李容洙さんは知事に対し「知事は強制的に連れ去られた『従軍慰安婦』はいないと言いましたが、私は15歳の時日本軍に強制的に連れ去られ慰安婦にさせられました。
「被害者のわたしが見えますか」と質問した。その質問に対し知事は深くうなずいた。しかし、知事は李容洙さんに「お気の毒です」と言っただけで例の「従軍慰安婦」否定発言に対しては謝罪しなかった。そして「慰安婦はいたが『従軍慰安婦』はいなかった」と述べた昨年7月の知事の意見書を日付も変えず、そのまま李容洙さんに渡した。
知事の「従軍慰安婦」否定発言は軍に強制的に連行された日本軍「慰安婦」被害者に対する、2重の人権否定発言であり、セカンドレイプと言えよう。
私たちとの記者会見後、知事単独の記者会見が市民立ち入り禁止という別室で行われた。そこで知事から『従軍は英霊に失礼』などという発言がだされ(埼玉新聞)、あの侵略戦争を反省していない知事の姿勢を露骨に示した。
知事の今回取った非民主的言動は新しい歴史教科書をつくる会そのものの姿勢であるといえよう。
今後も私たちは知事の歴史認識を問い続けていかなければならない。
私たちのこれまでの要求
1.知事の「『従軍慰安婦』はいなかった」という発言の撤回。
2.知事の日本軍「慰安婦」被害者本人に対する謝罪。
・日本の知事の、「自衛隊は人を殺す練習をする」という発言の波紋
[18:30・東京、イ・ホンギ特派員]
日本の埼玉県の上田清司知事が、自衛隊員について、「人を殺す練習もする」という発言をして、波紋を引き起こしている。
上田知事は2日の新入職員歓迎式のあいさつの言葉で、使命を尽くさなければならない公務員の例として自衛隊員を挙げ、「自衛隊は非常に大変だ。簡単に言えば、平和を守るために人を殺す練習をしている。国民の生命と財産を守るためのことなので、立派だとほめなければならない」と強調した。
彼はまた、「警察官も大変だ。人を見れば泥棒と考えたり、場合によっては制圧をしなければならない。そのようにしなければ、善良な人々を守ることができない」と語った。
これに対して防衛省は、守屋武昌事務次官の記者会見で、「救急患者の輸送や災害派遣、海外での人道支援活動など、多様な任務に対応するのが自衛隊の業務だ。戦闘場面に限定してはいけない」と、反論を提起した。
上田知事は、自身の発言が不適切だったという指摘が相次ぐや、記者会見を行って不適切な発言だったことを認めた。ところが、「人を殺すこと」でない「殺傷」という表現をしていたら大丈夫だったのだろう、と付け加えた。
埼玉県の上田清司知事は1日、入学式など式典の国歌斉唱の際に起立しない教員について、「日本の国旗や国歌が嫌いだという教員は、辞めるしかないのではないか」と述べた。6月定例県議会で吉田芳朝県議の一般質問に答えた。
県教育委員会によると、式典で国旗掲揚と国歌斉唱を生徒に指導することは、学習指導要領で定められている。だが、平成20年度の卒業式の際、県立高校と特別支援学校計10校で、国歌斉唱の際に起立しない教員がいたという。
上田知事は答弁で、こうした教員のいる学校名を公表すべきとの考えを示した上で、「ルールに従い模範を示すべき教員が、模範にならないようではどうにもならない」と述べた。
ルールを守らない教員への処分に関しては、県議会終了後の報道陣の取材に対し、県教委で判断すべきとの考えを示した。
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今年秋以降、群馬県八ッ場ダム事業中止に対し、上田埼玉県知事はマスメディアに怒りをあらわにしている。しかし、以下を見るまでもなく、上田知事ら1都5県の利水、治水の論理は、データ面から完全に破綻している。八ツ場ダムに関する上田知事の事実誤認
つづく