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原油価格 大幅続落も
燃料サーチャージは再値上げ(2)

青山貞一
掲載月日:2008年10月12日


 以下はジェット燃料に近い灯油の価格の推移を示している。2008年7月1ガロン当たり4.2ドルまで上昇した灯油の価格は2008年10月の現状では2.5ドルとピーク時の62%まで下落している。



 にもかかわらず、今年7月に値上げしたばかりの航空運賃の燃料サーチャージ価格は、今年の10月1日発券分からはさらに18%も値上げしようとしている。(1)ではそれについて述べた。

 ■速報!10月1日から値上げされる航空会社燃油サーチャージ一覧
  ※以下はあくまで片道のサーチャージ料金。往復の場合2倍となる。
航空会社/行き先 9月30日発券分
までの燃油
10月1日発券分からの燃油
日本航空/北米・メキシコ・欧州・中東・オセアニア \28,000 \33,000
全日空/欧州・北米・中東 \28,000 \33,000
ノースウエスト航空/アメリカ本土(カナダ含む) \20,000 \22,000
ノースウエスト航空/ハワイ \15,000 \17,000
大韓航空/アメリカ・ヨーロッパ \24,000 \30,000
フィリピン航空/国際線全て \7,200 \10,400
エールフランス/パリ \19,800 \22,200
アリタリア航空/イタリア \17,900 \26,400
 ところで、仕事(環境総合研究所の分析業務)で頻繁に利用していたドイツポストが運用する国際宅急便であるDHLの燃料サーチャージがどうなっているか、調べてみた。

◆DHLの航空機燃料割増金表
2008年 8月 27.0%
2008年 9月 27.0%
2008年10月 23.5%
2008年11月 21.5%

http://www.dhl.co.jp/publish/jp/ja/information/shipping/fuel.high.html

 上の数値を見ると、今年8月に比べて10月は20%下がり、11月には26%下がることになっている。実際の原油や灯油の下げ幅に比べればまともだが、それでも下げ幅は少なすぎると思える。

 ちなみにDHLの親会社であるドイツポスト社は、世界中に100機以上の航空貨物機をもつ民営会社(国営の郵便会社を民営化してつくられた会社)である。

 いずれにしても、最も国民、消費者に身近な国際航空運賃に付随する燃料サーチャージが10月1日から値下げすべきなのに、さらに18%(JAL,ANAの場合)も値上げするのはトンデモないことだ。

 所管する国土交通省の経済感覚のなさにあきれ果てるものである!