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ここが変だよ菅政権
A普天間基地問題と菅氏の「変節」

青山貞一
12 June 2010
独立系メディア「今日のコラム」
無断転載禁


 周知のように、普天間基地の海外移設問題では、伊波宜野湾市長が昨年(2009年)12月上旬に東京来られ、民主党の外務、防衛の政務三役の一部に米国のグアム軍事移設計画の詳細を説明しにきた。しかし、岡田、北沢両大臣は宜野湾市長にまともな対応をしていない。平野官房長官も同様だ。まともな対応をしていないのは、大メディアも同じだ。

 下のBS朝日ニュースターにおける鳩山由紀夫氏の腹心、川内博史民主党参議院議員は、上記について赤裸々に発言している。


出典:BS朝日ニュースター

 以下に示すように、ごくごく一部のメディアの除けば、伊波市長が政府に「事実」を説明にしたことすら報道しなかったのである。伊波市長は下の記事にあるように、米軍側の資料を基に海兵隊のグアム移転計画を分析したうえで、「辺野古移設を普天間返還の前提とする考えはおかしい」などと事実をもとにまさに正論を伝えに来たのである。

代表質問 沖縄・宜野湾市の伊波市長に聞く
日テレ NEWS24 < 2009年12月11日 13:29 >

 米軍普天間基地を抱える沖縄・宜野湾市の伊波洋一市長が、日テレNEWS24の番組「代表質問」に出演し、普天間基地移設問題について小西美穂キャスターの質問に答えた。伊波市長は、米軍側の資料を基に海兵隊のグアム移転計画を分析したうえで、「辺野古移設を普天間返還の前提とする考えはおかしい」などと主張した。


宜野湾市の伊波市長に聞く 

 社民党が北マリアナ連邦のサイパンやテニアンに現地調査団を送ったときも、岡田、北沢両大臣は帰国報告にまともに取り合わず、北沢大臣はすぐさま「グアムは狭くて無理」と、およそグアムにあるニールセン空軍基地などの現実、実態を知るものにとってはトンチンカンな論評を出した。

普天間問題で社民がテニアンに視察団
産経新聞 April 12 [Mon], 2010

 社民党は8日の常任幹事会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設先として同党が主張している北マリアナ連邦(サイパン、テニアン)に視察団を派遣することを決めた。党沖縄基地問題対策プロジェクトチーム座長の照屋寛徳国対委員長を団長に9日から11日にかけて現地入り。テニアン市長らと米海兵隊誘致に関する確認や意見交換を行う予定。

 さらに、先のBS朝日ニュースターに出演していた鳩山氏の腹心、川内衆議院議員(鹿児島県選出)ら6名の民主党議員は、今年の5月10日にサイパン、テニアンなど北マリアナ連邦を現地視察し、現地の知事が沖縄の海兵隊(8000人超部分)を十分受け入れる用意があるとし、帰国後、川内氏が鳩山総理(当時)に報告しようとしたが、官邸サイドが徹底してこれを妨害したのである。

普天間:北マリアナ知事が親書 海兵隊受け入れで会談要請
毎日新聞 2010年5月10日

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡り、与党系議員で作る「沖縄等米軍基地問題議員懇談会」会長の川内博史・民主党衆院議員は10日首相官邸を訪れ、視察先のサイパンで会談した米自治領北マリアナ連邦のフィティアル知事らから受け取った鳩山由紀夫首相あての親書を佐野忠克首相秘書官に手渡した。

 親書の内容は明らかにされていないが、川内氏は知事らが「日米が抱える基地問題を解決する用意がある。海兵隊の皆さんを歓迎する」と語ったと説明した。「13日に来日し首相と会いたい」という知事らの意向を伝え、日程調整を要請した。

 川内氏は議員懇メンバー5人と8日、フィティアル知事のほかグアムのカマチョ知事、北マリアナ連邦テニアン島のデラクルス市長と会談した。川内氏によると、フィティアル知事が「海兵隊を歓迎する」などと発言し、他の2氏が同意したという。米軍はテニアン島で沖縄から移転した海兵隊の訓練を行う計画だが、知事らは「訓練だけでなくその他の駐留も受け入れる余地がある」とも述べたという。

【野口武則】

 川内議員らが帰国した直後、グアム、テニアンなどの知事が鳩山総理(当時)にあってその旨を伝えようとしたが、平野官房長官や外務、防衛サイドが完全にブロックし、面談すら実現しなかったのである。

官房長官のメンツで潰れた鳩山とグアム・マリアナ両知事とのトップ会談
日刊ゲンダイ 2010年5月14日


 普天間問題の解決に向けた重要な国際会議が“ドタキャン”された。実はきのう(13日)、米グアムのカマチョ州知事と北マリアナ連邦のフェテル知事が来日し、鳩山首相と面会する予定だった。ところが、この会議を快く思わない勢力が横ヤリを入れて潰してしまったのだ。

 両知事は、日米両政府が抱える普天間問題解決の“懸け橋”になるハラを固めていた。

 沖縄等米軍基地問題議員懇談会の川内博史会長ら民主党議員6人が、今月7〜9日に北マリアナ諸島とグアムを訪れた際も、両知事は意欲マンマン。「基地問題を解決する用意がある」「沖縄・海兵隊を歓迎する」などと語り、普天間移設の受け入れ姿勢をハッキリさせていた。

 川内博史議員がこう言う。「両知事に『来日して首相に会ってくれないか』と打診すると、『よろこんで表敬したい』と快諾してもらいました。両知事から首相あての親書を預かり、帰国後の10日には官邸の佐野忠克首相秘書官に手渡し、13日の面会を要請したのです」

 両知事は16日にホワイトハウスへ招待されており、オバマ大統領とも面会する。両知事が首相と会って基地受け入れを了承し、その足でワシントンに向えば、インパクトは大きい。「最低でも県外、できたら国外移転」と言ってきた首相にすれば、願ってもないビッグチャンスのはずだった。

 川内博史議員がこう続ける。「11日の本会議で、首相に『(両知事に)会ってくださいね』と念を押したら、『ぜひ、お会いしましょう』との返事をいただいたのです。ところが、12日の夕刻になって、佐野秘書官から『日程の調整がつかない』との連絡が入った。結局、両知事は来日をとりやめました」

 せっかくのチャンスを潰したのは誰なのか。「恐らく、平野官房長官の差し金です。自ら徳之島との交渉を進めている時期だけに、『2人の知事に会うのは、徳之島に失礼』という理屈で首相をネジ伏せたのでしょう。魂胆はミエミエ。今さら国外移転に風向きが変わり、“手柄”を奪われれば、沖縄基地問題検討委員長としての立場は丸潰れ。自分の体面を守るため、平野氏は会談妨害に動いたとしか思えません」(官邸事情通)

 普天間解決より、自分のメンツが大事――。やっぱり、鳩山首相は、“獅子身中の虫”を更迭しないとダメだ。

《佐野忠克氏は首相の政務担当秘書官で、普天間飛行場返還問題の実務担当者》

 菅直人氏は当然のこととして上記を知らないわけがない。

つづく