|
|
刑事事件訴訟法、刑法、公職選挙法の法理や実務など関連する司法のいわばド素人が、わずか実質2ヶ月の審理で起訴相当と議決したのである。 きっかけとなった東京地検に訴え出た団体だが、大マスコミは一貫して「市民団体」と報じているが、その「市民団体」がいかなるものなのか、もとより東京地検特捜部の小沢氏への異常なまでの執拗な捜査そのものが問われてきた本件だが、ド素人の集まりが全員一致で「起訴相当」と議決したこと自体に大いに疑義を感じる。 下にある議決要旨を見れば分かることだが、この議決は、「市民感覚」で感じた疑義をもとに、すべての判断を東京地検特捜部ではなく裁判所の審理に任せるという安易なものであると言える。 しかも今まで東京地検特捜部が行った捜査によって得た各種証拠で公判が維持できるかどうかの司法判断もないままに「市民感覚」で起訴相当を全員一致で行ったのである。 我が国では欧米のように、警察、検察の取り調べが可視化されておらず、上杉隆氏の論考にあるように、戦前の公安警察まがいの人権を無視した取り調べ、強要が行われている可能性も大きい。いったいどのような情報が審査員に提供されているのか、誰がどう解説、説明しているのかも不明である。もともと権力や大メディアに誘導を受けやすい日本人がどうそれらに対応するかも重要だ。 これを情報操作と世論誘導という視点から見ると、日本固有の重要な問題がある。それは、日本国民は新聞など活字メディアに対する信頼性が異常に高いと言うことである。 もとより、日本国民の「市民感覚」の圧倒的多くは、新聞、テレビなど大マスコミ情報の影響を受けているからだ。 日本では数社の新聞や数局のテレビ、しかも圧倒的シェアを持つ大メディアの「情報操作による世論誘導」が以前か大きな問題となっている。これほど酷い世論誘導は、米国を含め他の先進国ではないだろう。 出典:青山貞一、情報公開と市民参加、公共政策論(東京都市大学) 元々日本社会では、読売、朝日、毎日、日経など数社の全国を対象とした大新聞それに全国ネットのテレビ局数社など大メディアが、記者クラブの存在とともに、この種の情報操作による世論誘導の先兵となってきた経緯がある。日本のメディアは、その意味で「社会の木鐸」からはほど遠い存在となっているいるだけでなく、とくに政権交代前後からは、大メディアによる情報操作による世論誘導が日常茶飯事に行われている現実、実態がある。 下のグラフは、世界各国の国民の組織・制度への信頼度調査の結果である。これを見ると、日本国民が新聞・雑誌などの活字メディアに寄せる信頼は、70.2%と先進国では突出して高いことが分かる。 ちなみにG7諸国、たとえば英国が14.2%、米国が26.3%、イタリア34.4%、ドイツ35.6%、フランス35.2%、またロシアが29.4%、中国でも64.3%である。 |
これは一体何を意味するのであろうか? 日本人は新聞・雑誌などの活字メディア(おそらくテレビ報道という項目があればテレビも)への信頼度が異常に高いということを意味する。 内容のいかんにかかわらず、かも知れない。 小沢一郎・民主党幹事長に対する東京第5検察審査会の議決の要旨 2010年2月4日に検察官がした不起訴処分(嫌疑不十分)の当否に関し、当検察審査会は次の通り議決する。 (1)被疑者からの4億円を原資として土地を購入した事実を隠蔽(いんぺい)するため、銀行への融資申込書や約束手形に被疑者自らが署名、押印をし、陸山会の定期預金を担保に金利(年額約450万円)を支払ってまで銀行融資を受けている等の執拗(しつよう)な偽装工作をしている。 4 更に、共謀に関する諸判例に照らしても、絶大な指揮命令権限を有する被疑者の地位とA、B、Cらの立場や上記の状況証拠を総合考慮すれば、被疑者に共謀共同正犯が成立するとの認定が可能である。 ◇ 要旨中のAは小沢氏の元公設第1秘書・大久保隆規被告、Bは陸山会元事務担当者で衆院議員の石川知裕被告、Cは同会元事務担当者の池田光智被告 |