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普天間代替トンデモ提案、
ホワイトビーチ案!

青山貞一

31 March 2010
初出:独立系メディア「今日のコラム」
無断転載禁


 日刊ゲンダイ2010年3月31日号には、普天間飛行場代替施設に関連し、トンデモない提案の記事(巻末に掲載)があった。同記事では、跡地利用で地域経済の活性化ともある。

 まず3600m×2本の滑走路が予定される巨大なホワイトビーチ沖埋め立て案は、普天間基地だけでなく嘉手納基地の移転先ともしており、米軍基地を永年に渡り恒常化するものであり沖縄県民ならずとも到底容認できない。

計画概要案
@ ホワイトビーチ沖の埋め立て案
A キャンプ・シュワブの陸上案
B 長崎大村基地周辺の訓練場利用案
C ハウステンボスの一部を米軍宿泊施設案
D その他

 そもそもホワイトビーチ沖は何度も視察しているが、世界遺産の勝連城跡にも近く、またくだんの泡瀬干潟にも近い自然生態系の宝庫である。環境保全の面からは辺野古のキャンプシュワブ沖と比肩される場所である。


ホワイトビーチ案の立地予定位置
出典:グーグルマップ


ホワイトビーチ案の立地予定地周辺。泡瀬干潟すぐとなりにある
出典:グーグルマップ

 そこを大規模に埋め立てる案をこともあろうか生物多様性条約国会議(COP10)が日本で開催される年に提案するなどもってのほかである。一体何を考えているのか?

 さらに暫定利用として、キャンプシュワブ陸上案、徳之島案、旧長崎空港なども併用するという。ザット試算しても全部で1兆円規模になるのは間違いない。前々から噂さえている各種の沖縄県内土木利権がそのまま今後半世紀、基地利権、公共事業利権が生き残ることになるだろう。

 この財政難の折、また伊波宜野湾市長が常々述べているように、米軍はグローバルな軍隊再編計画のなかで、アジア太平洋地域の海兵隊をグアムに一本化するとして、すでに環境アセスメントも実施しているさなか、何をトボケタことを言っているのだろうか?

 記事によればこれらの案の元を描いたのは、本人は自身のブログで否定しているものの民主党川内博史衆院議員のようだ

 案では、長崎県にある民間のテーマパーク、ハウステンボスの一部を米国人用に借り上げて使用する案まである。おそらくこれは現在自衛隊と供用となっている旧長崎空港を使った訓練人員用のものなのだろうが、海兵隊ら米軍にハウステンボスの高級住宅施設をおもいやり予算で借り上げるなど、悪い冗談としか思えない。なぜ政府がHISを支援しなければならないのかもある。

 上記を受けてか、平野官房長官が海兵隊は必要で沖縄しかないと昨日言明しているようです。

「海兵隊、沖縄に必要」平野長官が県内移設明言
YOMIURI ONLINE(2010年3月30日)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100330-OYT1T00913.htm 

 平野官房長官は30日夕の記者会見で、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題に関連し、「今の北朝鮮の動向を含め、米海兵隊が沖縄にいることは、わが国の安全保障、抑止力、初動体制を含めて現時点では必要だ、沖縄で訓練していることが不必要だとはいえない」と述べ、沖縄県内での移設が必要だとの考えを表明した。

 普天間問題をめぐり、鳩山政権は県内移設を軸とした政府案をとりまとめ、米側に提示しているが、調整の中心的立場にある平野長官が「県内移設」の必要性を具体的に説明したのは初めて。

 在沖縄海兵隊をめぐっては、ゲーツ米国防長官が29日の岡田外相との会談で「日米同盟にとって極めて重要だ」と指摘。

 これについて、平野長官は「すべて沖縄に必要かどうかは別にして、今の安全保障の流れからいくと、海兵隊は極めて重要で必要だ」と述べた。

 普天間飛行場をはじめとする在沖縄海兵隊の県外への全面移転は、日本の安全保障上得策でなく、現実的ではないとの認識を示したものだ。


 民主党は奇をてらうようなトンデモ案でなく、小沢一郎、鳩山由紀夫の両氏が選挙前に公言した県外、海外案を本気で提案しないと、暴動が起きるだろう! 

 すでに4月25日、沖縄県の読谷村で10万人規模の総決起集会が予定されている。

 外交・防衛、環境、財政いずれの面から見てもこれでは自民党案以上にあらゆる面で悪化した案である。