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自壊の道をひた走る大メディアA

〜米メディア大手、トリビューン経営破綻〜

青山貞一

掲載日:2008.12.12


 私も何度か取材を受けたことがある米国カリフォルニア州のロサンゼルスタイムズなどの新聞社を傘下にもつトリビューン社が破産を申請し、経営破綻した。トリビューンは、シカゴ・トリビューンなど米国内だけでなくハリファックス・トリビューンなどカナダを含め100以上の新聞をもつメディア大手。同社は20局以上のテレビ局も所有している。

 負債総額は1兆2000億円と云うから半端じゃない。リーマン破綻に端を発した金融危機により広告収入が激減したことが直接的な理由だが、それ以外にもシカゴ・カブスなどプロ野球を所有するなど多角経営や世界的な活字離れ、若者の新聞離れといったグローバルな課題もあると思える。

 米国のメディア大手、トリビューンの経営破綻は、全世界的な大手メディア自壊の端緒である!

米LAタイムズの親会社が経営破たん
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20081209/20081209-00000027-jnn-bus_all.html

 ロサンゼルス・タイムズなどを傘下に持つメディア大手、トリビューンが破産を申請し、経営破たんしました。

 ロサンゼルス・タイムズやシカゴ・トリビューンなど新聞100紙以上、テレビ局20局以上を持つトリビューンは8日、日本の民事再生法にあたる「破産法11条」の適用を裁判所に申請しました。 

 負債総額は130億ドル、日本円でおよそ1兆2000億円に上ります。金融危機で広告収入の落ち込みが拡大し、経営破たんに追い込まれましたが、新聞の発行などは続けるとしています。

 一方、トリビューンは、福留孝介選手が所属するシカゴ・カブスを保有していますが、こちらは先週までに売却の方針が示されていて、破産申請の対象には含まれていません。(09日11:12)

 米国で経営が行き詰まっている新聞社は、何もトリビューングループだけでない。世界のコリティー紙として名高いニューヨーク・タイムズなども財務内容が悪化しており、負債返還のために本社ビルを担保にして資金を借り入れるなど、経営改善、体質改善を急いでいるという。

NYタイムズなど米新聞大手、財務改善へ負債圧縮急ぐ
日本経済新聞

【ニューヨーク=小高航】米新聞大手のニューヨーク・タイムズとマクラッチーは9日、財務内容の改善へ向け負債の圧縮を進めると表明した。8日には同業のトリビューンが事実上、経営破綻した。ニューヨーク・タイムズも格付けが「投機的」水準になるなど財務内容が悪化しており、改善を急ぐ。

 ニューヨーク・タイムズのジャネット・ロビンソン最高経営責任者(CEO)は9日、ニューヨーク市内での講演で「米メディアは過渡期にある」と指摘。広告収入が激減する中、銀行団などと債務の圧縮などについて協議しているとした。

 同社は米格付け大手から先月、格付けを投機的水準に引き下げられ、資金調達環境が悪化している。8日には負債の返済原資として、昨年新設したばかりの本社ビル(ニューヨーク市)を担保に最大2億2500万ドル(約210億円)を借り入れると表明した。(18:37)