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2009年10月25日のテレビ朝日サンデープロジェクトの後半で放映された特集シリーズ 民主政権への提言V“危ないダム”〜そして地すべり災害は起きた〜は、サンプロ特集としては、ひさびさの見応えある番組だった。 ただし、前半の田原氏の番組は、これ以上なく”噴飯もの”だった。およそ対等な議論になっていない。 斉藤次郎氏を西川氏の代わりに日本郵政の代表に据えることに関連し、金融庁の大塚副大臣をスタジオに呼び寄せ、田原の強引な引き回しのもと、竹中、榊原、財部、星らが総攻撃する。 田原、竹中らは、大塚副大臣の言い分をまともに聞くことなく、一方的にバッシング、非難するといういつもの構図に終始していた。時間的に見て、大塚vs田原・竹中・榊原・財部・星らは、よくて1:4、へたすると1:6だ。もちろん、大塚はさまざま裏事情をしっているだろうが、立場上現時点で言えないことも多いはずだ。 しかも、番組では民主党が脱官僚と言いながら元大蔵事務次官の斉藤氏を時期日本郵政の社長にそえることだけをとられ、田原、竹中、榊原、財部、星らがこの間の日本郵政株式会社が行ってきたさまざまな問題、課題をよそに寄ってたかって言いたい放題、聞くに耐えない”リンチ”番組だった。 大塚副大臣はこのところマスコミに呼ばれると、いつも亀井大臣の身代わりとなり、この種の攻撃を一手に受けている。 ただ、この種のスタジオに呼び込み寄ってたかって一方的なバッシング、ネガティブ攻撃、すなわち”リンチ”番組をすればするほど、国民はますます結果的に、小泉・竹中両氏が何を行い、日本社会を根底からぶちこわしてきたかを知ることになる。 その結果、自民党とそれを以前として支援する大マスコミから離れる結果となっている。 いつもながら老害以外の何者でもない田原氏の独裁は、そのような事実を知らない。そのさまは、滑稽ですらある。言論の自由のはきちがいであり、放送法に抵触する可能性すらアルだろう。 そろそろ本題に入ろう。 後半の特集番組、”危ないダム”〜そして地すべり災害は起きた〜は、現代の関東軍、国土交通省がいかに治山治水を名目に、とんでもないことを日本中でして居るかを現地映像、取材を元にえぐり出していた。
それはダムを造成し、稼働させることにより、周辺地域に地盤変動など新たな災害をもたらし、結果的に周辺住民の土台や家屋に多くのひび割れが入り、住めなくなるという事態を起こしていることだ。 しかも、国土交通省は因果関係を認めず、地域住民はやむなく自費で疎開を余儀なくさせられている。 問題の”危ないダム”の場所は奈良県の川上村の標高約400mの地点にある。 奈良県川上村の大滝ダム 出典:Google Map 地形図 奈良県川上村の大滝ダム 出典:Google Map 地形図 |
奈良県川上村の大滝ダム平面図 出典:国土交通省(大滝地区・迫地区) 紀の川を堰き止めて建設された大滝ダムである。同ダムは、1959年の伊勢湾台風の被害で奈良、和歌山両県で130人の死者が出でいる。 その後、建設省、後の国土交通省が40年以上の歳月とおよそ3200億円をかけて開発したもので2008月夏に竣工した。 2009年月3月以降、試験的にダムに水を貯めはじめた途端、4月下旬に周辺地域の住宅の地盤や壁などに多くの亀裂が入った。白屋地区では約40世帯、70人が居住していた。番組の映像を見ると、信じられないほど、家屋の土台や壁のあちこちに亀裂が入っている。 大滝ダム 出典:国土交通省 奈良県川上村の大滝ダム サンプロ:資料映像 白屋地区は、何と20年も前から地すべり危険地帯と指摘され灌漑水路や畑の造成も、地質、土質を考慮し行われてきたが、建設省のダム計画の立案過程で、地滑りを熟知している地域住民らは学者に委託して1974年に「奈良県川上村大滝ダムに関する調査研究」をまとめ、公表している。 同調査研究報告では何十年も前にまで遡り、当該地域の地質、土質などを調べており、この地域では地すべりを防げず、ダム事業による対策は周辺住民全体の移転しかないと結論づけていた。 |