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<新連載>

凶暴化する新聞記者
(1)はじめに


青山貞一

掲載日:2007年10月7日


 約8ヶ月かけ「日本のメディアの本質を考える」を連載してきた。

 連載を通じての実感は、新聞を核にテレビ、ラジオを統合し、巨大化してきた日本のマスコミに、マスコミ本来の役割、機能が期待できないことが分かったことだ。

 広告収入を求め、発行部数や視聴率を増やすことに奔走してきたマスコミだが、そのことが広告主に遠慮することが日常化し、報道できないことを増やしてしまった。

 また新聞とテレビ、ラジオの統合は、放送法の免許、許認可との関連で、結果的に政府・与党に足元を見られ、マスコミ本来の機能である権力批判に及び腰なジャーナリズムを招来してしまった。

 これらは自業自得と言えばそれまでだが、広告主に配慮し、伝えること伝えないマスコミは、報道機関とはいえず、政府・与党に諂う(へつらう)ジャーナリズムは、まさにマスコミが「情報操作による世論誘導」の道具になったことを意味する。

.......

 2007年10月7日より新たに
「凶暴化する新聞記者」を連載する。

 といっても、週刊誌、写真紙記者のことではない、列記とした新聞記者のことである。要約的に言えば、新聞記者による取材の凶暴化が進んでいるのである。

 以下に凶暴化する新聞取材の一般例を列記する。

(1)新聞記者が、特定の他者に対して執拗につきまとう行為、ストーカーまがいの取材をすること。

(2)新聞記者が、特定他者の自宅、所属組織などに、取材のふりをして、サラ金まがいに執拗に電話などをすること。

(3)新聞記者が、取材先で特定他者の誹謗中傷をすること。自分が思っていることをあたかも取材相手が言ったようにしむけること。

(4)新聞記者が、特定他者に直接取材せず、自分の偏見や思い込みで新聞倫理上ありえない記事を書くこと。

(5)新聞記者が、特定他者に取材せず、特定の他者を中傷、攻撃する内容を本、メール、メーリングリスト、ブログなどに書くこと。

(6)新聞記者が、新聞記者の名刺を出し取材した特定他者の取材内容を、記事にすることなく、議員などに特定の他者を攻撃する材料として情報提供すること。

(7)新聞記者が、新聞記者の名刺を出し取材した特定他者の取材内容を、記事にすることなく、特定の会合などで他者を攻撃・弾劾したり、中傷・罵倒する材料として話すこと。


(8)新聞記者が地方公務員、特別地方公務員などの特定他者を辞職に追い込むことを前提に、取材活動すること。

(9)総じて、第四権力としてのマスコミ権力を背景に、
新聞倫理上また法的にしてはいけないストーカー的、ハラスメント的な取材行為を行うことである。

 これらはあたかも最近多くなっている警察や検察が捜査段階で自分たちに都合の良い供述を引き出そうとする行為にも似ている。

 両者に共通しているのは、人目に触れないところで、権力を背景として取材や取調べが行われていることである。

 新聞記者による上記の行為は、単に日本新聞協会の新聞倫理にもとるだけでなく、刑法や民法に抵触することもある。

 もとはといえば、一部週刊誌や夕刊紙の取材手口であった上述のことが、今では新聞記者の手口となっているともいえる。今では逆に、新聞社より週刊誌の方がよほど、取材方法に関しては、知見や節度をもっているようにさえ思える。

 これら新聞記者の凶暴化は日増しに酷くなっていると思える。

 もちろん、すべての記者がそうである、というわけではない。一部の記者であろうが、時として組織的、すなわち上司の命令、指示で若手の記者がストーカーまがいの取材に走ることが多い、と思える。

 筆者自身、凶暴化した新聞記者の取材行為などの行状に対し、刑事(刑事告訴)、民事(不法行為による損害賠償)などの司法対応を含め新聞記者及び新聞社に抗議をしている。それらの一部を具体的に紹介したい

つづく