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民主党の代表選挙をめぐる菅直人首相と小沢一郎前幹事長の一騎打ちについて、連日、新聞や通信社の世論調査結果が大メディアを賑わしている。 以下は読売新聞が2010年9月3−5日に実施した<代表候補>に関する世論調査結果である。
菅氏 66%、小沢氏18%となっているが、他の新聞社、通信社でもほぼ同じような数字となっている。 この結果を見ると、圧倒的に菅直人首相が小沢一郎前幹事長をリードしているように見える。事実、ほぼすべてのテレビ番組、新聞記事は菅氏 66%、小沢氏18%と報じており、読者は菅首相が圧倒的に小沢氏をリードしていると思うだろう。 次に、下は読売新聞が2010年9月3−5日(同日に同一人物)に実施した<支持政党>に関する世論調査結果である。民主党が全体の35%を占めているが、自民党が19%、公明党が5%....そして見ればわかるように、支持政党なしが33%もある。
次に結果を円グラフで示す。 下のグラフは民主党代表選の候補者アンケートの結果を示したものである。単位は%である。 菅首相 66% 小沢氏18% 答えない % また下のグラフは政党支持のグラフである。単位は%である。 1.民主党 35% 6.みんなの党 5 2.自民党 19 7.国民新党 1 3.公明党 5 8.たちあがれ日本 0 11.その他の政党 -- 4.共産党 2 9.新党日本 -- 12.支持政党なし 32 5.社民党 1 10.新党改革 -- 13.答えない 1 上のグラフ2つをじーーーと見てほしい。 ちょっと冷静に考えればわかることだが、この世論調査の対象となる国民は、何も民主党支持者だけを相手にしていないのである。民主党以外に自民党、公明党、みんなの党、共産党、社民党、国民新党それに<支持政党なし>も含まれている。 アンケート対象となったサンプルの母集団は、民主党支持者だけでなく、その他の 政党の支持者とともに支持政党なしの人々で構成されているのである。 仮説 ここでわかることは、上の質問1で小沢氏を支持した人の圧倒的大部分は、民主党支持者である。これに対し、菅氏を支持した人は、民主党支持者だけでなく、自民党、公明党、みんなの党、社民党、国民新党それに<支持政党なし>の人も含まれていると推定できる。 だが、代表選挙で直接間接に投票できるひとは民主党に関連する国会議員、地方議員、サポーターなどであって、決して自民党、公明党、みんなの党、共産党、社民党、国民新党それに<支持政党なし>ではないのである。 <代表候補>と<政党支持>のアンケートのサンプルの母集団が同一であるので、読売新聞の世論調査アンケートで民主党に入れた35%ひとのうち、約半分に相当するひとが小沢氏に入れたこととなり、残りの半分が菅氏に入れたことになる。 アンケート結果で表現すれば、母集団を100%とするとその35%が民主党に一票を入れている。また母集団を同じ100%とすると18%が小沢氏に入れていることになり、35−18=17%が菅氏に入れていることになる。 ただし、上記の仮説は、支持政党について自民党、公明党、みんなの党、共産党、社民党、国民新党それに<支持政党なし>に入れたひとが小沢一郎氏に投票していないということにある。 おそらく自民党、共産党、みんなの党支持者で小沢氏に投票したひとはゼロと推察できる。一方、国民新党、社民党支持者の場合は小沢氏に投票する可能性がないことがないが、もともとそれぞれ1%しかないので、大勢に影響はないだろう。 となると、新聞、テレビが連日連夜騒いでいる民主党代表選では、菅首相と小沢前幹事長は、66%:18%ではなく、民主党支持者に限ってみると、まったく互角50:50である。 民主党支持者を100%とした場合 当然、自民党、公明党、みんなの党、共産党、社民党、国民新党それに<支持政党なし>は選挙に参加できないので、上記の仮説はまず間違いないと思われる。 上記、すなわち母集団に触れず、菅首相vs小沢幹事長は、66%vs18%と垂れ流す大マスコミは、情報操作による世論誘導をし、錯覚を利用して菅氏に肩入れしていることになる。きわめて犯罪的なことだ。 追記 上記は読売新聞だけでなく、朝日新聞、共同通信など他の新聞、テレビ、通信社でも同様の結果となる!! |