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真夏の上信越を行く
(9)「不動の滝」で水質調査

青山貞一
東京都市大学環境情報学部
28  July 2010
独立系メディア「今日のコラム」
無断転載禁


■不動の滝(川原湯温泉)

 豊田乳業から「不動の滝」はすぐそばである。この後、皆で「不動の滝」に行く。

 下の写真は不動の滝近くで見上げた県道の橋梁工事現場。吾妻川をはさんでこの反対側にやんば館(国土交通省工事事務所所管の広報センター)がある。


「不動の滝」側から見た県道橋梁工事現場
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix
S8 2010.7.18

 ここで、昨年、見納めと諦めていた「不動の滝」に再会することができた!


真夏の不動の滝。この間立ち入り禁止となっていたのでひさびさ!
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2010.7.18


が「不動の滝」の測定地点

 不動の滝近くでも測定。pHは前回より若干高く8.4(前回は8.2)、電気伝導率は0.1ms(100μS/cm)、前回は0.086ms(86μS/cm)であった。


不動の滝付近で水質測定する青山
撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼

 下の写真で右上から流れてくる水は、「不動の滝」の滝づぼから流れてきていると推定。ここでは不動の滝壺から流れてくる側溝の水も測定した。pHはほぼ同じだが、電気伝導率は0.01ms(10μS/cm)と非常に低かった。


不動の滝付近で水質測定する青山
撮影:荒井翔平さん、Canon Digital 一眼

■前回:不動の滝付近(2010年5月5日)測定時


が「不動の滝」の測定地点

 下の写真は前回(5月)に不動の滝近くの河川で水質測定している筆者。
 測定値は、pHは8.2、電気伝導率は0.1ms(100μS/cm)であった。


不動の滝近くの河川で水質測定している筆者
撮影:池田こみち、Nikon CoolPix
S10 2010.5.5

2010年5月5日の水質(pH)測定結果

   

出典:東京都市大学環境情報学部青山研究室

2010年5月5日の水質(電気伝導率)測定結果

    
出典:東京都市大学環境情報学部青山研究室


この辺では県道の橋梁工事がこのように見えた
撮影:池田こみち、Nikon CoolPix
S10 2010.5.5

 不動の滝近くでは新たに大きな砂防ダム(明らかに不要な)が自然を徹底破壊し建設されており道ばたに道祖神がポツント残されていた。


長野原町の砂防ダム工事現場にて
撮影:青山貞一、Nikon Cool Pix S8 2010.5.5



長野原町の砂防ダム工事現場にて。右にあるのが道祖神。
 撮影:青山貞一、Nikon Cool Pix S8 2010.5.5


 不動の滝近くで砂防ダム工事をしていたので、そこでも水質を測定した。測定結果は、pHは8.2、電気伝導率は0.27ms(270μS/cm)であった。


不動の滝近くで砂防ダム工事現場で水質測定する筆者
撮影:池田こみち、Nikon CoolPix S10 2010.5.5


2010年5月5日の水質(pH)測定結果

     

出典:東京都市大学環境情報学部青山研究室

2010年5月5日の水質(電気伝導率)測定結果

      
出典:東京都市大学環境情報学部青山研究室


 この後、不動の滝から国道292号線を使って六合村(現在は中之条町)を南北に流れる白砂川で水質調査を行うことになる。

 不動の滝から対岸の国道145号線を経由して国道292号線に行く途中、吾妻川に白砂川が合流した後の地点の水質データがないので、何とかデータが得られないものかと思案した。

 合流地点より下流で吾妻川の水質データを得るためには、どうしても渓谷沿いに河川敷に下りなければならない。

 しかし、国道145号線から河川敷に下りるのは容易ではない。やっとのことで145号線から場所を探し当てた。何とか歩いて河川敷まで下りれるかもしれない。

 下の写真は、その入り口である。


撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2010.7.18

 工事現場を県道用の橋梁に向けて歩いてゆく。すると吾妻川沿いに細い道があることがわかった。



撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8 2010.7.18

 その細い道を下流側に歩くと、下の写真にあるように、渓谷で伐採した木々を数m単位に切断した「発生木材」に出会った。




 伐採、寸断された木材に張っていあった看板を見ると、これらの木材は平成21年の渓谷内の盛り土工事で発生したものであった。そして搬出完了日は、平成22年4月26日となっていた。しかし、3カ月経っても、木材はまったく排出されておらず、工事現場近くの河川敷の上に高く積まれていることになる。


 
 これらの「発生木材」が廃棄物なのか、それとも有価物なのかは分からないが、もし、廃棄物であれば、一般廃棄物であれ、あるいは産業廃棄物であれ、河川敷の上部に置きっぱなしにしておくことは、法的に許されないことになる。場合によっては不法投棄にもなるだろう。



出典:http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/files/kankyo_seihai/syobunjyo/bunruihyou.pdf

 先月出かけた北海道の夕張市のダム建設現場にも、この種の大量の伐採、寸断後の木材が地べたに山積みされていた。国、開発局を問わず、国土交通省系の行政機関は、廃棄物処理に関するまもとな知識、認識に乏しいのではないかと、改めて感じた次第である。

 本題に戻る。

 結局、この狭い道から河川敷に下りて水質調査することは困難であり、引き返し、国道145号線を右折し、292号線で白砂川沿いに北上することになった。

つづく